2020年03月01日

子どもたちをよろしく

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監督・脚本:隅田靖
企画:寺脇研 前川喜平
撮影:鍋島淳裕
出演:鎌滝えり(優樹菜)、杉田雷麟(稔)、椿三期(洋一)、川瀬陽太(貞夫)、村上淳(辰郎)、有森也実(妙子)

東京にほど近い街に住む優樹菜は実母と再婚した義父の辰郎、その息子の稔と暮らしている。辰郎は酒癖が悪く、妻と息子を殴り、血のつながらない娘の優樹菜には性的虐待を繰り返してきた。母は見て見ぬふりをし、自分が汚れたと感じている優樹菜は親に隠してデリヘルで働いている。中2の稔は両親を憎みながら義姉の優樹菜を慕っている。
デリヘルの運転手をしている貞夫は、ギャンブル依存症で妻に出て行かれた。一人息子の洋一はほったらかしにされたまま給食費も払えず、稔たちのいじめの標的になっている。

家族がいても形だけの優樹菜と稔。表向きは良い子、裏では陰湿ないじめをしているグループ。独りぼっちの洋一。助けの欲しい子どもたちが描かれています。ここにまともな大人は登場しません。助けるどころか、自分を保つことでいっぱいいっぱいで子どもを傷つけるばかりです。学校も警察も児童相談所も出てきません。辛いことばかりが連鎖していきます。
「よろしく」と預けられた観客は自分の周りを見渡します。日本は1945年の敗戦後戦争はしていないけれど、自殺者が2万人もいる世の中なんてやっぱりおかしい。子どもには幸せでいてほしい。大人は目を凝らし、耳を澄ましていなくては。(白)


2019年/日本/カラー/G/105分
配給:太秦
http://kodomoyoroshiku.com/
★2020年2月29日(土)ユーロスペース、横浜シネマ・ジャック&ベティほか全国順次公開
posted by shiraishi at 10:13| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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