監督・脚本:今関あきよし
脚本:いしかわ彰
プロデューサー:嶋田豪 龍信之助
企画・統括プロデューサー:嶋田豪
製作:羽子田幸一 和久勤
撮影:藍河兼一
台湾撮影コーディネート:杉山亮一
紙芝居・タイトル:ひだかきょうこ
出演
森下奈央役:モトーラ世理奈
塚田綾役:大島葉子
森下博一役:利重剛
中山清太郎役:椎名鯛造
石知田(シー・チーティエン)
潘之敏(ビッキー・パン・ジーミン)
製作・配給:アイエス・フィールド
公式サイト
現地で頬張る台湾スイーツはとろけるように甘いけど…。
恋をしたい年頃。旅先での出会いはほんのり甘ずっぱい。
恋愛も人間関係も含め大学生活がつまらなくなり、授業もさぼりがちで中退を考えている奈央。父・博一の提案で、彼の3人目の結婚相手になる予定の綾と2人で、1週間の台湾旅行に行くことに。父の再婚相手というだけでよく知らない女性となぜ旅行をしなければならないのか気乗りしない奈央とは対照的に、これから娘になる奈央との距離を縮めたいと明るく振舞う綾。台湾の魅力的なスイーツやグルメとの出会いが、徐々に奈央の心をほぐしていく。
そんな2人が夜市で出会ったのが、世界放浪中のバックパッカー青年、清太郎。台湾の魅力を知りつくす彼は翌日、台北でも評判のお店「庄頭豆花坦」へ連れてゆき、そこで「豆花」に出会った。初めて食べた「豆花」は美味しかった。奈央はこの台湾旅行を楽しみ始めた。その後、台中へ。彩虹眷村や第二市場などの観光名所で心を癒し、芋園や魯肉飯などの台湾グルメを食す。最初、しっくりいかなかった二人の関係も徐々にまわるうようにはみえたけど、綾が奈央に語りかける時の「ママが」という言葉がひっかかり奈央のもやもやはなかなか晴れない。そして旅も後半に入り、台南へ移動するという時に博一から交通事故に巻き込まれたとの連絡が入る。綾だけが日本に帰り、奈央は旅を続ける。この旅が気分転換になったのか、日本に戻った奈央の大学生活は明るくなっていた。
監督は『アイコ十六歳』『美・少女日記』『タイム・リープ』『クレヴァニ、愛のトンネル』『LAIKA/ライカ』『カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜』などの今関あきよし。主人公奈央を演じるのは、2015年「装苑」でモデルデビュー後、数々のファッション誌や広告に出演し、『少女邂逅』でdビューしたモトーラ世理奈。現在公開中の『風の電話』(2020年1月24日公開)やシルク・ドゥ・ソレイユでバイオリニストと音楽監督を務めるポール・ラザーと共演の『Memories』と話題作が続々と控えている。 奈央と一緒に台湾旅行をする綾には『朱花の月』『ヘヴンズ ストーリー』『楽園』『葬式の名人』の大島葉子。父・博一役には今関作品初出演の利重剛。『教訓Ⅰ』『クロエ』『さよならドビュッシー』などの監督でもある。
清太郎役は『刀剣乱舞』や『最遊記歌劇伝』などの2.5次元舞台で活躍中の椎名鯛造。さらに台湾からは『軍中楽園』『若葉のころ』『私の少女時代-Our Times-』の石知田(シー・チーティエン)や『河豚』『粽邪』の潘之敏(ヴィッキー・パン・ズーミン)が出演している。
主題歌は後藤郁の歌う「言葉-KOTOBA-」
挿入歌は洸美-hiromi-が歌う「恋恋豆花」
台湾が舞台の作品なので、行ったところが出てこないか楽しみに観ました。冒頭、九份が出てきて、ここの商店街や、この街の賑わいと対照的な夜のこの街を奈央がさ迷うシーンに思わず、監督もこの街が好きなんだなろうなあと嬉しく思いました。それにこのそばの十分(シーフェン)での天燈上げのシーンが出てきたし、この『恋恋豆花』(れんれんどうふぁ)というタイトルといい、監督はきっと侯孝賢監督の作品が好きに違いないと思いました。この二つの場所はすでに3回行ったことがあるんだけど、つい最近十分で行われた「平渓天燈節」(ランタン上げ祭り)にも行ったので、九份と十分は4回行ったことに。この天燈節は『シーディンの夏』 (2001)を観て以来行ってみたかったのでやっと行けました。十分の道路標識に「石碇(シーディン)方面」とあるので十分のそばにあるらしいけど行ったことはありません。
十分と九份が侯孝賢監督の『恋恋風塵』の舞台なのだけど、『恋恋豆花』というタイトルを見て、この作品をオマージュしたものだろうと勝手に思いました。それで今関監督にインタビューさせていただいたんだけど、台湾の話ですっかり盛り上がってしまい、台湾話ばかりになってしまいました。そして、その話の中で聞いた、『ミンレニアム・マンボ』の冒頭に出てきた歩道橋が壊されてしまわないうちにぜひ行ってみたらいいといわれ、基隆にあるその歩道橋にも行ってきました。
お父さんの3回目の結婚相手である、この綾と奈央の関係は、その後どうなったかなあとも思います。今度は父親も一緒に、また台湾を訪ねるのかな(暁)
参考資料
台湾ロケ地めぐり 平渓線沿線 (2010年にここに行った時のレポートです)
http://www.cinemajournal.net/special/2010/pingxi/index.html
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