2020年02月16日

プレーム兄貴、王になる  原題:Prem Ratan Dhan Payo

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監督:スーラジ・バルジャーティヤ
出演:サルマン・カーン(『バジュランギおじさんと、小さな迷子』)、ソーナム・カプール(『パッドマン 5億人の女性を救った男』)、二―ル・二ティン・ムケ―シュ、ディーパク・ドブリヤル(『ヒンディー・ミディアム』)、アヌパム・ケール(『ホテル・ムンバイ』)

プリータムプルの町の貧乏役者プレーム(サルマン・カーン)は正義感が強くて、面倒見がよく、皆からアニキと慕われている。被災者に手を差しのべるマイティリー王女(ソーナム・カプール)の姿に一目惚れ。王女が、婚約者のプリータムプル王国のヴィジャイ王子(サルマン・カーン:二役)の王位継承式にやってくると聞きつけ、集めた募金を直接渡したいと、プレームは、相棒のカンハイヤ(ディーパク・ドブリヤル)と王宮のある街をめざす。プレームは街中で王子の家来に声をかけられる。実は、プレームは王子ヴィジャイと瓜二つ。王子が継承者争いで命を狙われ意識不明で、4日後に迫る王位継承式に替え玉として出てほしいというのだ。王子に成りすましたプレームは憧れの王女に会うが、王女は王子の傲慢さに心を閉ざしていた。異母兄弟たちとの関係も悪く、二人の妹たちは口も聞いてくれない。しかも、弟のアジャイ(二―ル・二ティン・ムケ―シュ)は、配下のチラグ(アーマーン・コーリ)に指示して王子の命を狙う張本人だった。疑心渦巻く王室の内情を知ったプレームは、人々の心を溶かそうと人肌脱ぐ・・・

勧善懲悪に、歌って踊っての場面満載の、久しぶりにボリウッドの王道を行く作品。このところ、スタイリッシュだったり、社会派だったりと、いわゆるマサラ・ムービーとは違ったテイストのインド映画の公開が続いて、あえてそういう映画を選んで公開しているのかと思っていました。実は、ボリウッド自体、オーソドックスな作りの映画が減っているらしいです。私自身、歌って踊っての場面はあまり好きじゃなかったのですが、やっぱりこれぞボリウッド!と楽しみました。

原題『Prem Ratan Dhan Payo』は、「愛という宝石の富を手に入れた」という意味。スーラジ・バルジャーティヤ監督の1989年の初監督作品『Maine Pyar Kiya』で、プレームという役名で主役デビューしたサルマン・カーン。その後、スーラジ監督の『Hum Aapke Hain Koun...』(1994年)、『Hum Saath-Saath Hain: We Stand United』(1999年)でも、サルマンが演じた主役の名前はプレーム。16年ぶりに二人がタッグを組んだ本作、インド公開の折は、「プレームが帰ってきた」がキャッチコピーだったそうです。プレームは愛という意味。本作では、家族のいないプレームが、家族なのに愛のない王家の人々が愛を取り戻すことに一役買います。

本作で目を奪われるのが、豪華な鏡の宮殿。英領インド時代に独立を認められていた数多くの藩王国の宮殿を撮影に使ったのではなく、この映画のために設計に2年かけ、300人のスタッフが24時間体制で90日間で作ったもの。しかも、同じ宮殿を3つ! 1000万枚以上の鏡を使ったそうです。
このほか、ラジャスターンの世界遺産クンバルガル砦や、マハラジャの子孫から借りた超高級クラシックカーを利用した場面などもみどころです。英領インド時代の藩王国の王様であるマハラジャ(ヒンドゥー)やナワーブ(イスラーム)の称号は、1971年に廃止されましたが、本作で描かれるような王位継承を今も行う「王国」もあるそうです。血の争いにならないことを願うばかりです。(咲)

2015年/インド/ヒンディー語/シネスコ/5.1ch/164分
配給:SPACEBOX
公式サイト:https://prem-aniki.jp/
★2020年2月21日(金)全国順次ロードショー




posted by sakiko at 17:14| Comment(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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