2020年01月12日

リチャード・ジュエル   原題:Richard Jewell

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監督・製作:クリント・イーストウッド
原作:マリー・ブレナー「American Nightmare:The Ballad of Richard Jewell」
出演:サム・ロックウェル、キャシー・ベイツ、ポール・ウォルター・ハウザー、オリビア・ワイルド、ジョン・ハム

リチャード・ジュエル。
1996年、五輪開催中のアトランタで起こった爆破テロ事件の第一発見者であり、テロ犯人として、その名を記憶されている男。
本作は、巨匠クリント・イーストウッドが、テロ事件発生から、リチャード・ジュエルの容疑が晴れるまでの88日間を丁寧に追った物語。

1996円7月27日、警備員のリチャード・ジュエルは、コンサート会場近くの公園のベンチの下に爆発物が入ったリュックを見つける。率先して人々を避難させ、多くの命を救った英雄としてメディアに大きく取り上げられる。だが、3日後、FBIが第一容疑者として挙げたことが、写真入りで実名が報道される。一転してテロ犯となってしまったリチャード・ジュエル。FBIによる執拗な取調べが始まる。息子の無実を信じる母ボビ。かつて職場で面識のあった弁護士ワトソン・ブライアントも彼の無実を信じ、国家権力に立ち向かう・・・

リチャード・ジュエルは、警察官になりたくて警察学校を卒業したのですが、残念ながら警察官にはなれず、警備員の仕事をしていた時に、事件に遭遇します。容疑が晴れたあと、(映画の中では)念願叶って警察官になったのですが、2007年、44歳の若さで病死。太りすぎが心臓を悪くしたようですが、容疑者として過ごした88日間のストレスも影響したのではないかと思ってしまいます。
かねてからリチャード・ジュエルのことを映画にしたいと思っていたクリント・イーストウッド。本人は残念ながら亡くなってしまいましたが、母親ボビや弁護士ワトソン・ブライアントからも話を聞き、悪夢の日々を再現しています。
事件は20年以上前に起こったことですが、早く犯人を挙げ事件を収拾させたい検察側の事情が冤罪を生んだこと、真犯人が見つかっても容疑者として多くの人に記憶されていることなど、現代にも通じる問題を私たちに投げかけてくれます。
本作が注目され、リチャード・ジュエルの汚名は確実に挽回されたとはいえ、お母様の心中を察すると複雑なものがあります。息子が味わった悪夢の日々は取り返せないのですから。(咲)


クリントイーストウッドは2019年3月に『運び屋』が公開されたのに、もう次の作品とは! 驚きです。
英雄から容疑者へ。自分とは関係ないこととは言い切れない不安。それを恐れて何もしなくなることへの警告。見事に伝わってきました。
リチャードはほんと、いい人なんです。自分が不利になるようなことも検察に頼まれればやってしまうし、しゃべってしまう。サム・ロックウェルが演じるワトソンと一緒に「いいから黙って!」と心の中で何度も叫んでしまいました。
とはいえ、行き過ぎた正義感を振りかざすリチャードにも問題があるような気がする。それは母親の子育てに問題があったのかもしれない。自分の身にリチャードのようなことが降りかかるかもしれない不安より、リチャードのような行き過ぎた正義感を持った子を育ててしまうことへの不安を感じてしまいました。(堀)


2019年/アメリカ/131分/スコープサイズ/5.1ch リニア PCM+ドルビーサラウンド7.1(一部劇場にて)
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/richard-jewelljp/
★2020年1月17日(金)公開




posted by sakiko at 18:54| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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