2020年01月06日

盗まれたカラヴァッジョ(原題:Una storia senza nome)

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監督:ロベルト・アンドー
脚本:ロベルト・アンドーほか
撮影:マウリツィオ・カルページ
音楽:マルコ・ベッタ
出演:ミカエラ・ラマッツォッティ(ヴァレリア)、アレッサンドロ・ガスマン(アレッサンドロ)、レナート・カルペンティエリ(ラック)、ラウラ・モランテ(アマリア)、イエジー・スコリモフスキ(クンツェ)

ヴァレリアは映画プロデューサーの秘書をつとめながら、人気脚本家アレッサンドロのゴーストライターもしている。すっかりヴァレリアに頼り切りのアレッサンドロを憎みきれず、かといってネタ切れで筆は進まず悩み中。そんなときにリックという男性から「未解決のカラヴァッジョの名画盗難事件はマフィアの仕業」と知らされる。リックにヴァレリアは心当たりがなかったが、こちらの情報はなぜかよく知られていた。
リックから聞いたストーリーをアレッサンドロ作のプロットと偽って提出すると、その面白さに興奮したプロデューサーは引退していた伝説の巨匠監督まで引っ張り出し、映画化の話が進んでいく。
ところが、恋人と旅行を楽しんでいたアレッサンドロがマフィアに誘拐されてしまった。

ロベルト・アンドー監督の作品中、日本で上映されたのは『そして、デブノーの森へ』(04)、『ローマに消えた男』(13)『修道士は沈黙する』(16)。どれもサスペンス、ミステリー風味ですね。
1969年にパレルモのサン・ロレンツォ礼拝堂から盗まれた名画はその後も発見されていません。この未解決事件をもとに脚色された本作が解決への糸口になるとすごいのですが、50年進展がないとはね。教会のために描かれた絵を盗むなんて、神様はぜひ真犯人にお仕置きを。
ラック役のレナート・カルペンティエリとヴァレリア役のミカエラ・ラマッツォッティの2人は『ナポリの隣人』(17)で実子よりも深い絆を結ぶ隣人を演じて深い印象を残していました。母アマリア役は『息子の部屋』(01)のラウラ・モランテ。アレッサンドロ・ガスマンとは『神様の思し召し』(15)で共演しています。うーむ、名優ぞろいです。50年前の未解決事件を下敷きに、映画界の裏側や男女の愛憎、家族の事情まで盛り込んで破綻なくエンタメに仕上げる脚本・監督の勝利。(白)


2018年/イタリア・フランス合作/カラー/シネスコ/110分
配給:サンリス
(C)2018 Bibi Film - Agat Film & Cie
https://senlis.co.jp/caravaggio/
★2020年1月17日(金)YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開ロードショー
posted by shiraishi at 17:00| Comment(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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