2019年12月22日
パラサイト 半地下の家族 原題:Gisaengchung(寄生虫) 英題:Parasite
監督: ポン・ジュノ (『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』)
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
環境劣悪な半地下の部屋で暮らす貧しいキム一家。何度も事業に失敗しながらも楽天的な父キム・ギテク。そんな夫に強くあたる元ハンマー投げ選手の母チュンスク。息子ギウは何年も大学受験に失敗、娘ギジョンも美大を目指すが予備校に通うお金もない。一家4人でピザの箱を組み立てる内職に勤しむ日々だ。
そんなある日、ギウの友人で名門大学生のミニョクが、自分の留学中、女子高生ダヘの家庭教師を代わりに引き受けてくれないかとやってくる。
ダヘの住む高台の瀟洒な大豪邸を訪ねるギウ。ダヘの父はIT企業の社長パク・ドンイク。若く美しい妻ヨンギョは、ギウの偽造した大学在学証明書に目も通さす、授業の様子を見せてくださいとダヘの部屋に案内する。無事、家庭教師の仕事に就くギウ。さらにギウは、ダヘの弟ダソンにお絵描きの家庭教師として妹ギジョンを推薦する・・・
日本ではほとんど見かけない半地下の部屋。韓国では、半地下と屋上に増築された屋根部屋は、家賃が安く、低所得者層や学生の間借りの定番。
道に撒かれた消毒剤が部屋に入ってきそうになって、窓を締めなければとあわてる姿に、まずは笑わせられます。ソン・ガンホ、情けない役が絶品です。一方、IT企業の社長役のイ・ソンギュンは、若い妻を愛撫する姿が生々しくて、ドキッとします。
社会の底辺の家族と、成功し豪邸に住む家族との対比を見事に見せながら進む物語の行方に、ハラハラドキドキ。
ある場面で、もう50年以上前によく聴いていたジャンニ・モランディが歌っていたイタリア語の曲が流れてきて、なんとも懐かしかったです。高揚感がぴったり! 1960年代当時のオリジナルのものなのか、その後のカバーなのか気になるところ。(咲)
映画野郎の小川さんが調べてくださって、1964年のヒット曲「Inginocchio da te(あなたにひざまづいて)」と判明しました。(ぴったりの場面で流れるのですが、ネタバレになるので、どんな場面とここには書けません)
従姉に感化されて、初めて買ったシングルレコードでした。家探ししたけど見つけられず・・・
下記のyoutubeにジャケット写真がありました! 当時の若い時のジャンニ・モランディが歌う姿も!
=貴方にひざまづいて、In Ginocchio Da Te=ジャンニモランディ、 Gianni Morandi
https://www.youtube.com/watch?v=VVQ142u6XbE
しばらく本気でイタリア語学ぼうと思ったのでした。
私は、歌だけしか知らなかったのですが、『貴方にひざまづいて』の邦題で1966年1月8日に公開された映画の主題歌なのでした。
ポン・ジュノ監督に主演ソン・ガンホときたら、絶対おもしろい!と期待満々で試写へ。そのストーリーの転がり方がすごかった。富豪と庶民の生活の差に驚いているうちに、じわじわとパク家に寄生していくキム一家。文字通り鍵を握る家付きの家政婦の反撃、そうくるか、というラストに唖然としました。紹介を書くときにラストが思い出せないことがよくあるのですが、これは忘れられません。
ポン・ジュノ監督が『ほえる犬は噛まない』(2000年の長編デビュー作)で2003年7月に来日したときに(咲)さんと記者会見に出席しました。俳優さんよりオーラのある方でした。記事はこちら。同年11月の東京国際映画祭では韓国で大ヒットした『殺人の追憶』が上映されました。最優秀監督賞を受賞しています。以後の活躍はご存知のとおり。(白)
第72回カンヌ国際映画祭パルムドール
第92回アカデミー賞®国際長編映画賞韓国代表
2019年/韓国/132分/PG12/2.35:1
配給:ビターズ・エンド
公式サイト:http://www.parasite-mv.jp/
★2019年12月27日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
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