2019年12月17日

だれもが愛しいチャンピオン(原題:Campeones)

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監督:ハビエル・フェセル
脚本:ダビド・マルケス、 ハビエル・フェセル
撮影:チェチュ・グラフ
音楽:ラファ・アルナウ
出演:ハビエル・グティエレス(マルコ)、アテネ・マタ(ソニア)、フアン・マルガージョ(フリオ)、ヘスス・ビダル(マリン)、ホセ・デ・ルナ(フアン・マ)フラン・フエンテス(パキート)、セルヒオ・オルモス(セルヒオ)、アルベルト・ニエト(ベニート9、グロリア・ラモス(コジャンテス)、ヘスス・ラゴ・ソリス(ヘスス)、ステファン・ロペス(マヌエル)、フリオ・フェルナンデス(ファビアン)、ロベルト・チンチージャ(ロマン)

プロのバスケットボールチームのコーチのマルコは負けるのが大嫌い。手腕はあっても短気な性格が災いして、よく問題を起こした。妻とうまくいかず別居状態のマルコは、飲酒運転で車に追突、逮捕されてしまった。判事は社会奉仕活動を命じ、障がい者のバスケットボールチーム”アミーゴス”の指導を任されることになった。
コーチが長くいたためしのない”アミーゴス”のメンバーはてんでんばらばら。これまでと違いすぎる状況に頭を抱えるマルコ。しかし、彼らの純粋さ、自由さに目を開かされていく。

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勝つことにだけとらわれていたプロチームのコーチがその対極にあるチームに入ったら…こうなります。メンバーはみんなとびきり楽しくて自由、たくまざるユーモアにそこかしこで笑わされてしまいます。これが600人の中から選ばれた唯一無二の人たちで、脚本をあて書きにして全部書き直したというほど個性的。技術はともかく情熱だけはあるメンバーに、強力な助っ人が加わって、マルコの期待も高まります。ええっ!というラストに胸が熱くなるでしょう。笑ったり、ほろりとしたり、スペインで興行成績1位というのが納得の作品。ハビエル・フェセル監督インタビューはこちらです。(白)

負けず嫌いで短気な主人公マルコが知的障害者のバスケチームのコーチに。他人からの評価を気にせず、自由奔放な彼らの言動に戸惑う。私も似ている部分があるので、マルコの気持ちはよくわかる。そんなマルコが新たな価値観に気づいていく。試合も人生も楽しむことが大事なのだ。主人公の人生観が変わる作品はよくあるが、この作品が他とは違うのはラスト。えっと驚いたが、これこそ新たな価値観。うまくいかなくたって楽しければいいじゃないかと笑い飛ばせるくらいがちょうどいい。(堀)

マルコの姿はなんだか自己中心的で、最初は、こういう人いるよなあ「こういう人嫌いだ」と思い、飲酒運転の罪滅ぼしに知的障害者のチームを教えることになった時の態度も、ほんとに嫌な男というイメージだったけど自分の思い通りにいかない障害者チームのコーチをするうち、そういう嫌なところがだんだんに変わっていく。それにしてもチームの面々の自由奔放さ、マイペースぶり、どんくささがおかしい。思わずクスッというシーンもいっぱい。以前だったら、障害者のそういう姿を出したら、障害者団体からクレームがきそうなシーンもいっぱい出てくる。でもすべて含めてその人の姿、個性なのだから、ありのままで出せるようになったのが嬉しい。日本でもクレームは出ないと思うけど、NHKの「バリバラ」みたいな番組もあるし。それに最近は障害者スポーツが、以前に比べたらTVなどで紹介されだいぶ認識されてきた。昔はあまりTVで紹介されることもなかった。
私は障害者が始めた会社に15年勤めたけど、車いすの人や杖をついて通っている方もたくさんいた。そしてテニスやバスケットなどもやっていて、障害者スポーツの試合も何度か見に行った。7年前にリタイアしたけど、ちょうど長野オリンピックの時には在職していて、社員の両足切断の方がパラリンピックのアイスレッジホッケーに出場して、だいぶ会社でも盛り上がった。その時はTVや新聞でも大きく取り上げられ、社会的にも障害者スポーツが認識されてきたなと思った記憶がある。でもパラリンピックが始まったのは1964年の東京オリンピックの時からだったということは知らず、そのことを知ったのは最近だった。その年、中一だった私は、学校からオリンピック会場に行ける人の抽選に当たって、体操競技を見に行くことができ、目の前でチャスラフスカのウルトラCを見ることができた。そんな経験もあるので障害者スポーツにも興味があり、この作品で「彼ら障害者スポーツ」の姿を楽しんで観てもらえたら嬉しい。
私は若いころ軟式テニスをやったり、スキー、登山などをしていて、自分はスポーツウーマンだと思って生きてきたけど、4年前心臓手術をして障害者1級になってしまった。今ゆっくりしか歩けないし、カートが荷物入れと杖代わり。階段の上り下りも苦手になってしまってスポーツどころではない状態。そんなこともあり、障害者のスポーツ人口が増えているのは嬉しい(暁)。

2018年/スペイン/カラー/シネスコ/118分
配給:シンカ 宣伝:太秦
(C)Rey de Babia AIE, Peliculas Pendelton SA, Morena Films SL, Telefonica Audiovisual Digital SLU, RTVE
http://synca.jp/champions/
★2019年12月27日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 10:39| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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