監督:サメフ・ゾアビ
脚本:サメフ・ゾアビ、ダン・クラインマン
出演:カイス・ナシェフ(『パラダイス・ナウ』『オオカミは嘘をつく』)、ルブナ・アザバル(『灼熱の魂』『パラダイス・ナウ』)、ヤニブ・ビトン、マイサ・アブドゥ・エルハディ(『ガザの美容室』)、ナディム・サワラ、ユーセフ・スウェイド
エルサレムに住むパレスチナ人の青年サラームは、人気メロドラマの制作インターン。ヘブライ語のチェック係だ。ヨルダン川西岸地区の撮影所に通うのに毎日イスラエルの検問所を通らなければならない。ある日、変な質問をしたため車から降ろされる。ドラマの脚本を持っていたことから、検問所の主任アッシは、サラームを脚本家と勘違い。アッシの妻が大好きなメロドラマだと知って、筋書きに介入したがり、毎日のようにサラームを検問所に招きいれる・・・
イスラエル国籍のパレスチナ人であるサメフ・ゾアビ監督が描いた、大笑いのブラックコメディー。映画内のメロドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」は、1967年の第三次中東戦争前夜を舞台にしたパレスチナ女性とイスラエル将校の恋物語。恋の行方について、検問所の主任アッシはあれこれアイディアを出してきます。政治的背景も絡んでくるのでインターンのサラームも本気で対抗案を出します。やがて、本物の脚本家に格上げとなったサラームは、イスラエルのアッシにも、パレスチナ側にも納得のいく笑撃のラストを思いつきます。
ユダヤ人とパレスチナ人が互角に意見を交わすということは、現実では残念ながらありえないこと。こうあってほしいという監督の思いを強く感じました。
昨年の東京国際映画祭で「イスラエル映画の現在2018」の一環として、コンペティション部門で上映され、ぜひ公開してほしいと思っていた作品です。 (咲)
東京国際映画祭 イスラエル映画の現在2018『テルアビブ・オン・ファイア』舞台挨拶はこちらで!
★アカデミー国際長編映画賞ルクセンブルク代表に決定!!
イスラエルとルクセンブルグ合作で、劇中で展開するドラマ部分がルクセンブルグのスタジオで撮影され、プロデューサーをはじめ、多くのルクセンブルクのスタッフも参加しているということもあり、ルクセンブルグ代表となったとのことです。
監督の喜びのコメントは、こちらで!
☆公開を前に来日したサメフ・ゾアビ監督にインタビューの機会をいただきました。
インタビュー記事は、こちらで!
2018年/97分/ルクセンブルク・フランス・イスラエル・ベルギー/カラー/アラビア語・ヘブライ語
配給:アットエンタテインメント
公式サイト:http://www.at-e.co.jp/film/telavivonfire/
★2019年11月22日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
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