渋谷ユーロスペース11月2日(土)公開~11月22日(金)
11月16日(土)~22日(金) 10:00
他の上映情報は下記に
監督・脚本:張艾嘉(シルヴィア・チャン)
脚本:蔭山征彦
撮影:梁銘佳(リョン・ミンカイ)
出演:
梁洛施(イザベラ・リョン):ユーメイ役
張孝全(チャン・シャオチュアン、ジョセフ・チャン ):ヨンシャン
柯宇綸(クー・ユールン):ユーナン
李心潔(リー・シンジエ、アンジェリカ・リー): ユーナンとユーメイの母
台湾出身で、香港でも女優として活躍する張艾嘉(シルヴィア・チャン)。1970年代末に始まった香港ニューウェーのアン・ホイ、ジョニー・トウ、ツイ・ハーク監督などの映画で活躍し、スター女優となったが、台湾でのニューウェーブでも大きく関わり、最初は女優として出演していたが、映画監督としても作品を生み出すようになった。『君のいた永遠(とき)』『20、30、40の恋』『妻の愛、娘の時 /相愛相親『(2017)などの作品で監督としての評価を得、日本でも公開された。『あなたを、想う。』(2015)は、2015年の東京フィルメックスで原題の『念念』というタイトルで上映された。
別々に育った兄妹の再会を描く
台東沖の緑島で生まれ育ち、両親の離婚で離ればなれになった兄・育男(ユーナン)と妹・育美(ユーメイ)。二人に毎日のように人魚の物語を話していた母は、息子と夫を置いて、ユーメイだけを連れて台北へ去っていき、間もなく他界した。月日がたち、成長した兄妹と、妹の恋人の翔(シャン)、3人の若者たちの心の葛藤と兄妹の再会を描いた作品。
画家の卵の育美。芽の出ないボクサーの翔。観光ガイドの育男。3人は、かつて家族を失ったことで、いまも深く傷を負っている。過去と現在が行ったり来たりするので、最初、内容がよくわからなかったけど、二人が幼いころ暮らした緑島のことが繰り返し出てくる。兄妹のトラウマなのか、忘れたくても忘れられない想いを語るためなのか、印象的なロケーションだった。
妹を演じたイザベラ・リョンは画家を目指している設定で、劇中に絵が何回か登場するし、兄と妹が再会するシーンでも出てくる。それらは母親役のアンジェリカ・リーが描いたもの。「アンジェリカは画家でもあるのでお願いしたら、作品にふさわしい絵を描いてくれた」とシルヴィア・チャン監督は語っていた。兄が嵐の夜に雨宿りした「藤」というバーは、台湾で日本人が30年以上やっている会員制のバーとのこと。この兄の役を柯宇綸/クー・ユールンが演じている。『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991)で初めて観た時から28年もたっているのにほとんど変わらない。若い!と思ってしまった。この脚本をシルヴィア・チャン監督と共に手がけたのは、台湾で俳優として活躍している蔭山征彦さん。彼が温めていた3つの短編の脚本が監督の目に留まり、1本の映画へと結実した。蔭山さんは、この作品の中では「藤」のシーンでポスター出演している(笑)。
緑島は火焼島ともいい、昔は監獄がいくつもあったという。
3人の若者の過去と現在が複雑に交錯しながら繰り広げられる物語。「ある青年の父母に対する解けないわだかまりや心の痛みが幻想的に表現されていて、私は一人の母親として、心を動かされたのです」とシルヴィア・チャン監督は2015年のフィルメックスの時に語っていた。
2015年に台湾を皮切りに各地で公開され高い評価を受け、香港電影評論學會大奨で最優秀脚本賞を受賞。ヒロインに香の女優イザベラ・リョンを 起用、彼女の恋人役を『蓮の夏』、『GF*BF』のジョセフ・チャン/チャン・シャオチュアンが演じた。(暁)
2015年/台湾・香港/119分/配給:A PEOPLE CINEMA
『 あなたを、想う。』公式HP
上映劇場
2019年11月2日(土)~ 東京 ユーロスペース
2019年11月2日(土)~ 神奈川 横浜シネマリン
2020年4月4日(土)~ 栃木 宇都宮ヒカリ座
2020年1月25日(土)~ 大阪 シネ・ヌーヴォ
2020年1月24日(金)~ 京都 出町座
2019年11月17日
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