2019年10月27日

ジョージア、ワインが生まれたところ   原題:Our Blood Is Wine

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監督・撮影・編集:エミリー・レイルズバック
出演:ジェレミー・クイン、他

Our blood is wine(私たちの血はワイン)

カスピ海と黒海に挟まれた南コーカサスに位置するジョージアでは、紀元前6000年からワインが醸造されてきた。
シカゴのレストランで全米屈指のソムリエとして名を馳せてきたジェレミー・クインは、シカゴでの仕事を辞め、ワインの起源を知るためにジョージアにやってきた。
ジョージアでは、クヴェヴリと呼ばれる素焼きの甕を土の中に埋め、野生酵母により発酵・熟成するワイン醸造が伝統的に続けられてきた。それがソ連時代に大量生産政策でつぶされてしまう。葡萄畑を没収された中で、細々と家庭用にクヴェヴリ製法でワインは作り続けられた。ソ連から独立後、2006~2013年のロシアによるワイン出荷禁止を経て、ジョージアワインの人気が急激に高まる。2013年にクヴェヴリ製法がユネスコの無形文化遺産に登録されるが、伝統的製法で作られたワインのボトルでの出荷は、ジョージアワイン全体の1%に過ぎない。ジェレミーは、ジョージア各地を巡り、伝統的製法を守ってきた人たちの物語を紡いでいく。

オタール・イオセリアーニ監督の映画『落ち葉』(1966年)で、1960年代に伝統的ワインが破壊されていく様子が描かれているのが映し出されます。当時、イオセリアーニ監督は、反ソヴィエト監督として叩かれたといいます。そんな時代にも、伝統的製法を守ってきた人たちが各地にいたことを、ジェレミーは知ります。精魂こめて作ったワインを、スプラ(宴会)を開いて、美しいポリフォニー(多声合唱)を奏でながら愛でるジョージアの人たち。重厚なワインの地は、歌に重みがあり、軽い味わいのワインの地は歌も明るい。小さい国ながら、地域によって個性があることも明かされます。いつかジョージアを旅して、スプラでジョージアの人たちの歌声を聴きながらワインを味わいたくなりました。(咲)

8000年の歴史を持つジョージアのワイン。しかし、ソ連の占領時代に受けた痛手が大きく、現在はかなり稀少なものとなっている。その中で奮闘する生産者たちの苦労と喜びが伝わってきた。作品の後半、「お父さんの跡を継ぎたいか?」と母親に聞かれた子どもが今さら何をといった感じで「そういったでしょ」と答える。今の日本で同じことを答える子どもが何人いるだろうか。
ジョージア人にとって、ブドウとワインはアイデンティティーそのものなのだと感じた。(堀)


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エミリー・レイルズバック監督インタビュー
映画の案内役ジェレミー・クインと、映画完成後に結婚し、公私共にパートナーとなったことも明かしてくださいました。

スタッフ日記『ジョージア、ワインが生まれたところ』監督インタビュー & はらだたけひで個展  (咲)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/470858893.html


「映画で旅する自然派ワイン」

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『ジョージア、ワインが生まれたところ』は、『ワイン・コーリング』(フランス、ブリュノ・ソヴァール監督)と共に、自然派ワインにまつわるドキュメンタリー映画として同時公開されます。

2018年/アメリカ/78分/英語、ジョージア語/DCP/1:2.35
字幕翻訳:額賀深雪/翻訳協力:ニノ・ゴツァゼ/字幕監修:前田弘毅
配給・宣伝:アップリンク © Emily Railsback c/o Music
公式サイト: https://www.uplink.co.jp/winefes/
★2019年11月1日(金)、シネスイッチ銀座、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開






posted by sakiko at 09:25| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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