2019年10月12日
ガリーボーイ 原題:Gully Boy
監督:ゾーヤー・アクタル
脚本:リーマー・カーグティー
製作:ファルハーン・アクタル
出演:ランヴィール・シン、アーリアー・バット、シッダーント・チャトゥルヴェーディー、カルキ・ケクラン、ヴィジャイ・ラーズ、ヴィジャイ・ヴァルマー
ムンバイ空港近くのダラヴィ地区のスラムに住むイスラーム教徒の青年ムラド(ランヴィール・シン)。両親は彼が貧困から抜け出せるよう頑張って大学に通わせている。13歳の頃から付き合っているガールフレンドのサフィナ(アーリアー・バット)は、同じイスラーム教徒だが、父親はスラムで開業している医師で裕福。サフィナも外科医を目指している。
若い第二夫人を家に連れてきてひと悶着起こした父が、足を骨折し、ムラドは父の代わりに大邸宅のお抱え運転手を務めることになる。格差社会を目の当たりにして、鬱屈した気持ちになるムラド。そんな折、大学の構内でのコンサートで、MCシェール(シッダーント・チャトゥルヴェーディー)の歌に惹きつけられる。言葉とリズムで気持ちを自由に表現するラップに魅せられたムラドは、詩を書いてシェールに渡すが、「自分で歌え」と言われる。ムラドはガリーボーイ(路地裏の少年)と名乗り、シェールの助けを得てラッパーに成長していく。若い女性プロデューサーのスカイ(カルキ・ケクラン)によってスタジオでのレコーディングも果たす。アメリカのラッパーNAS(ナズ)のムンバイ公演の前座で歌うラッパーをバトルで選ぶことを知り、スターを夢見て優勝を目指す・・・
もともとヒップホップ音楽が好きだったゾーヤー監督。NaezyとDivineの二人のラッパーと出会い、その歌と人生に惹かれ、物語を紡ぐことを決意。リーマーと共に徹底的なリサーチを経て作り上げた映画。
スラムで暮らす青年が、インドの階級社会の現実に鬱屈しながらも、ラップと出会い、自身の思いを語り、スターを目指す成長物語と思いきや、さすが、女性の監督と脚本家が作った物語。女性たちが自分の人生を切り開いていく姿をも見事に描いていて痛快。ラップが苦手な私も、たっぷり楽しめた。 ラップが、ヒンディー語やウルドゥ―語のムンバイ訛りで歌われているのも魅力。(咲)
ゾーヤー・アクタル監督&リーマー・カーグティー(脚本)インタビュー
2018年/インド/154分/カラー/シネスコ/5.1ch
日本語字幕:藤井 美佳/字幕監修:いとうせいこう
配給:ツイン
公式サイト: http://gullyboy.jp/
★2019年10月18日(金) より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
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