2019年09月28日

蜜蜂と遠雷

mitubati.jpg

監督・脚本:石川慶
原作:恩田陸
撮影:ピオトル・ニエミイスキ
音楽:杉田寿宏
作曲:藤倉大「春と修羅」ほか
ピアノ演奏:河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央
出演:松岡茉優(栄伝亜夜)、松坂桃李(高島明石)、森崎ウィン(マサル・カルロス・レヴィ・アナトール)、鈴鹿央士(風間塵)、臼田あさ美(高島満智子)、ブルゾンちえみ(仁科雅美)、福島リラ(ジェニファ・チャン)、眞島秀和(ピアノ修理職人の男)、片桐はいり(コンクール会場のクローク係)、光石研(菱沼忠明)、平田満(田久保寛)、アンジェイ・ヒラ(ナサニエル・シルヴァーバーグ)、斉藤由貴(嵯峨三枝子)、鹿賀丈史(小野寺昌幸)

若手ピアニストの登竜門、芳ヶ江国際ピアノコンクールは3年に一度開催される。そのコンクールにのぞむ多くのコンテスタントの一人、栄伝亜夜はかつて天才少女として嘱望されていたが、母親の死後舞台に上がることはなかった。今回は再起をかけている。高島明石は楽器店で働きながら”生活者の音楽”を目指してきた妻子のあるサラリーマン。年齢制限のある中、最後の挑戦となる。名門ジュリアード学院で学び、今人気実力ともに大本命とされるマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。子どものころ一緒にピアノ教室に通っていた亜夜との再会を喜んでいる。そして誰も知らなかった風間塵。自分のピアノも持たない彼は、すでに亡い”ピアノの神様”の推薦状とともに現れた。

恩田陸の原作は2017年のベストセラー第1位、直木賞と本屋大賞のW受賞は初の快挙です。ストーリーの主な舞台はコンサート会場で、音楽そのものと、挑戦する登場人物一人一人の心の有様が描かれています。文字で音楽を表現した原作のファンでもありますが映画化と聞いて、これは配役とピアノ演奏が肝心!いったい誰がキャスティングされて、どんな映画になるの?とワクワクして待っていました。
俳優さんそれぞれの好演、コンテストのピアノも期待以上でした!とだけ書いておきます。後は劇場でお確かめください。
キャラクターにピタリとあったピアニストの演奏と、演じる俳優の演奏場面も少しの違和感なく、終わったときには拍手したくなるほどでした。ぜひぜひ音響の良い劇場で、音楽にとっぷりと浸るのをおすすめします。(白)


恩田陸の原作を読んだ人は「頭の中に音が聞こえてくる」とその表現力を絶賛している。そのためか、映画化は難しいといわれていたが、石川慶監督はその難題を乗り越えた。映画ではピアノの演奏が音として聞こえるので、観客の想像に委ねることができない。しかし、監督が水の雫などを使って音を視覚化することで、観客は聞こえた音に映像から受けるイメージを重ねて、音楽に更なる奥行きを加えることができる。監督の長編デビュー作『愚行録』でも雨を使った映像演出が印象に残ったことを思い出す。 “水演出の匠”と命名したくなるほどの素晴らしさだ。
俳優たちも監督の期待に応えた演技で魅せる。松坂桃李は社会人になっても夢を諦めきれず、最後のチャンスと決意してコンクールにエントリー明石を演じたが、コンクールの予選の結果を知ったときの感情を瞳の揺れだけで表現していた。昨年の『娼年』以降、演技力がどんどん研ぎ澄まされていく。
原作ファンにも十分満足してもらえる作品に仕上がったといえるだろう。(堀)


2019年/日本/カラー/シネスコ/118分
配給:東宝
(c)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会
https://mitsubachi-enrai-movie.jp/
★2019年10月4日(金)全国東宝系にてロードショー
posted by shiraishi at 19:15| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください