2019年09月15日
アルツハイマーと僕~グレン・キャンベル音楽の奇跡~ (原題:Glen Campbell: I'll Be Me)
監督:ジェームズ・キーチ
出演:グレン・キャンベル
アメリカのカントリーミュージック先駆者であるグレン・キャンベルは1936年4月22日 生れ。 1960年代~1970年代に多くのヒット曲を送り出してグラミー賞を受賞。シンガーソングライターであるほかに、テレビ番組の司会者も務め、約50年ショービジネス界で活躍した。2011年、グレン・キャンベルは自分がアルツハイマー型認知症であると公表した。それから開始された全米ツアーは最初の5週間の予定を大幅に上回り、1年半にも及んだ。病気は進行していくが、家族に支えられ医師が“奇跡”と驚くほど、舞台で歌うことだけは長く続けることができた。
認知症は徐々に進行していきます。初めの変化は本人も家族も病気がさせていることと了解しています。しかし、周りのことが少しずつわからなくなるにつれ本人も混乱しますし、日常生活や感情のコントロールができない姿を見守る家族も辛いものです。これは歌手である彼のさよならツアーの貴重な記録であると同時に、認知症と向き合う本人と家族への応援歌にもなりました。
グレン・キャンベルの歌は数曲聞き覚えがありました。ツアーでの客席の温かい反応を見るにつけ、歌うことで自分も周りも幸せにしてきた彼は良い人生を全うされた、と思いました。2017年没、享年81歳でした。(白)
グレン・キャンベルについて、何となく名前を聞いたことはあったが、どんな曲を歌っていたのか、全く知らないまま作品を観た。
フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリー、ビーチ・ボーイズとセッション・ミュージシャンとしてギターを弾いていたとのこと。「ビーチ・ボーイズにいたのは6カ月だけ」と話していたが、音楽に疎い私にはこれだけですごいと思えてくる。しかもギターと歌がうまいだけでなく、若い頃の映像を見るとかなり甘いマスク。これでは人気があったはずだ。
本作はグレン・キャンベルが検査を受け、アルツハイマー型認知症と診断されるところからスタート。病状について、家族はできる限り公表しながらツアーを敢行する様子を追う。初めの頃は普通に見えるが、少しずつ病状が進行していくのが伝わってくる。バックバンドには息子と娘が入って支えるが、それ以上に大きな力となったのはツアーを見に来たファン。彼らの声援がグレン・キャンベルを奮い立たせた。作品を見ている私まで熱くなる。
音楽映画であると同時に家族の歴史を綴る作品であり、アルツハイマー病の認知度を高める作品といえるだろう。(堀)
2014年/アメリカ/カラー/104分
配給:エレファントハウス、カルチャヴィル
(c)2014 GC Documentary, LLC. All Rights Reserved.
http://wowowent.jp/illbeme
★2019年9月21日(土)新宿シネマカリテ、有楽町スバル座ほか全国順次公開
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