監督・脚本 石橋夕帆
原作:ごめん
出演:芋生悠(岸本由紀)、祷キララ(瀬戸綾)、平井亜門(飯野慶太)、日高七海(安西結花)、白戸達也(相馬大地)、大原海輝(高橋修平)、こだまたいち
由紀は海辺の町で暮らす平凡な高校生。少し大人びた感じの綾は中学からの由紀の仲良し。「急に引っ越すことになった」と告げられた翌日、綾が交通事故で亡くなってしまった。葬儀が終わってから綾は自殺だったという噂でもちきりになる。由紀は結花が陰口をたたいているのを耳にし、思わず持っていた花瓶の水をぶっかけてしまう。以来、由紀は結花のグループにハブられ、他の女子にも敬遠されるようになった。
誰にも故郷を思い出させるような、小さな町の高校生の日常を描いた作品。30人近いクラスメートの一人ずつが、くっきりと描き分けられ、リアルなセリフを発していました。きっと「こういう人いる」「これは私」と重ねられるでしょう。表面穏やかに見えても、内側には妬みや争いや悪意が沈んでいて、何かあると浮かんで弾けます。そんな側面も描きながら、かけがえない日々を惜しむ思いが届きます。監督の演出とそれに応える俳優さんの力に引き付けられます。
人生終盤にきて、どんな日も過ぎてしまえばみな懐かしく思えるのですが、とりわけ高校生時代が楽しかった記憶があります。パソコンもスマホもなかったアナログ世代でも、それなりに充実した毎日を過ごしていました。本作ほど学内ヒエラルキーも明確ではなく、いじめも思い当たりません。人に当たりたくなるほど、不幸せじゃなかったってことかな。昔も今も確実なのは、毎日が過ぎていくこと。いのちは一つきりで儚いこと。(白)
2018年/日本/カラー/86分
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
(c)2018映画「左様なら」製作委員会
https://www.sayounara-film.com/
★2019年9月6日(金)UPLINK吉祥寺ほか全国順次公開
◎映画『左様なら』公式ファンブック上映館にて販売予定
出演者スチルをたっぷり掲載。コメントや対談、インタビュー、設定資料のほか原作者・ごめんによる書き下ろし漫画も掲載。作品の世界観を楽しめる豪華112ページ!
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