2019年07月25日
グッド・ヴァイブレーションズ 原題:GOOD VIBRATIONS
監督 リサ・バロス・ディーサ、グレン・レイバーン
脚本 コリン・カーベリー、グレン・パターソン
出演 リチャード・ドーマー、ジョディ・ウィッテカー、マイケル・コーガン、カール・ジョンソン、リーアム・カニンガム、エイドリアン・ダンバー、ディラン・モーラン
1970年代、北アイルランドに住むテリー・フーリーは、ルースという女性と出会い結婚を決意する。生計を立てるためレコード店「GOOD VIBRATIONS」を開店した後、パンクロックに夢中な若者たちが集うライブハウスを訪ね、理不尽な権力にパンクで立ち向かう若者たちの姿に衝撃を受ける。
まさか!北アイルランドのベルファスト・パンク映画が観られるとは思わなかった。製作から7年の時を経て日本公開…。少数派の(?)パンクファンにとっては想定外の喜びに踊り出したくなってしまう♪
U2の名曲「Sunday Bloody Sunday」をこよなく愛する身としては、'72年、北アイルランドのロンドンデリーで起きた虐殺事件については知っているつもりでいた。加えてベルファストが紛争地帯だということも…。当時のニュース映像が流されはするが、本作は政治的な映画ではない。
「爆弾横丁」(!)と呼ばれる通りに、1人の音楽好きの男がレコード店を開くところから発展する実話。ハンク・ウィリアムズのカントリー音楽(パンクと真逆でしょ(笑))など聴いていた男が、パンクロックに啓示を受けたように触発され、インディーズ・レーベルまで立ち上げてしまうのだ。
日本ではマイナーなバンドや楽曲群が次々とスクリーンから飛び出さんばかりに現出してくる。その熱量たるや、まるで当時のクラブシーンや紛争の最中(さなか)へ送り込まれたような臨場感がある。ベルファスト・パンクを知らない人でも十分に楽しめる映画だ。それは製作スタッフ、2人の監督・脚本家、出演者に至るまで、心の底から音楽を映画を愛している純粋な想いが伝わるからだろう。
北アイルランド、パンク、ブリティッシュロックのファンは必見!ジョー・ストラマーの言葉で締めくくられるラストには胸熱だ。(幸)
2012年 イギリス・アイルランド合作/103分/PG12/カラー/シネマスコープ/DCP
配給 SPACE SHOWER FILMS
(C) Canderblinks (Vibes) Limited / Treasure Entertainment Limited 2012
公式サイト:http://good-vibrations-film.com/
8月3日(土)より新宿シネマカリテほかにて公開
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