2019年06月09日

99歳 母と暮らせば

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監督・撮影・編集・ナレーション:谷光章
出演:谷光千江子、谷光賢、谷光育子、谷光章

71歳の谷光監督の母千江子さんは99歳。認知症が進んで目が離せなくなってきた。谷光監督は仕事の場を実家へ移し、同居して介護を始めた。料理を作り、下の世話をし、デイケアへ送り出し、と気負うことなくこなしている。千江子さんは、物忘れはあっても食欲旺盛、社交的で明るい。
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母と息子の関西弁の会話は漫才のようで、思わず笑ってしまいます。老々介護を1年間淡々と映して、編集した作品。谷光監督は初めての介護体験ながら、大変だと愚痴ることもなく体調の良しあしの波もうまくやり過ごしています。お二人手をつないで桜を愛でる表情の晴れやかなこと。2年後の今も変わりなくお元気だそうです。この穏やかな日々が続きますように。(白)
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千江子さんの言葉や行動が、なんとも可愛らしくて、ほのぼのとさせられました。
とはいえ、老々介護が大変だなぁ~ということも、ずっしり伝わってきました。
その大変さを気持ちの持ちようで載り切る術を教わったような気がします。
8年前に亡くなった母のことも思い出しました。
最後の1年は認知症が進んでちょっと大変でした。
知らない間に、物を買ってしまうということもよくあって、まさに「あるある」と。
一方、96歳になる私の父はまだまだ元気で、これから千江子さんのようになっていくのかなと。
誰もがたどる道、介護と、自分の老い・・・明るく乗り切りたいと思わせてくれる映画です。(咲)

老いた母親を介護する作品はこれまでにも『毎日がアルツハイマー』や『ほけますから、よろしくお願いします。』など、いくつも見てきたが、この作品ほどほのぼのとしたものはなかった。何が違うのか。ふと考えてみたら、視点が娘ではなく、息子なのだ。
以前、仲間内で“母親が認知症になったとき、娘はすぐに受け入れ、介護認定を取ることなど先々のことを考えるが、息子は母親がぼけたことを受け入れられず、認知症を認めない傾向がある”ということが話題になった。「娘は冷めた目で見てしまいがちだよね」という結論に落ち着いた覚えがあるが、この作品がほのぼのしているのも、それが影響しているのではないだろうか。
もちろん、介護の本当にしんどい部分はカットしたのかもしれないが、それでも今なお、年老いた息子が前向きに介護を続けていけるのは、母親への意識の違いが大きいのだろう。親の介護は娘や嫁がするべきという固定概念を捨て、息子が中心にやっていくのがいい。この作品を見ているとそんな気持ちになってくる。(堀)


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谷光監督インタビューはこちら
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/466507574.html

2018年/日本/カラー/92分
配給:イメージ・テン、ムービー・アクト・プロジェクト
(C)Image Ten.
http://99haha.net/
★2019年6月8日(土)より新宿K's cinemaほか全国順次公開
posted by shiraishi at 10:10| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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