2019年4月20日(土)~シアター・イメージフォーラム、4月27日(土)〜名古屋シネマテーク、第七藝術劇場、京都シネマ、近日元町映画館他全国順次公開
監督・脚本・撮影・編集・ナレーション:ミキ・デザキ
プロデューサー:ミキ・デザキ ハタ・モモコ
アソシエイトプロデューサー:カン・ミョンソク
音楽:オダカ・マサタカ アニメーション:1K FILMS
製作:ノーマン・プロダクションズ
出演:トニー・マラーノ aka テキサス親父 藤木俊一 山本優美子 杉田水脈 藤岡信勝 ケント・ギルバート 櫻井よしこ 吉見義明 戸塚悦朗 ユン・ミヒャン イン・ミョンオク パク・ユハ フランク・クィンテロ 渡辺美奈 エリック・マー 林博史 中野晃一 イ・ナヨン フィリス・キム キム・チャンロク 阿部浩己 俵義文 植村隆 中原道子 小林節 松本栄好 加瀬英明 他
ようこそ、『慰安婦問題』論争の渦中へ。ひっくり返るのは歴史か、それともあなたの常識か
韓国の日本軍元慰安婦の方たちの問題が政治的に利用され、彼女たちの思いとは違う方向に向いてしまっていると感じる今日この頃。この挑戦的なコピーと共に、今まで描かれてきた元慰安婦たちのドキュメンタリーにはない、ネットを駆使した作品を製作したのはアメリカに住む若い日系アメリカ人YouTuberのミキ・デザキ。
あなたがネトウヨでもない限り、彼らをひどく憤らせた日系アメリカ人YouTuberのミキ・デザキを、おそらくご存知ないだろう。ネトウヨからの度重なる脅迫にも臆せず、彼らの主張にむしろ好奇心を掻き立てられたデザキは、日本人の多くが「もう蒸し返して欲しくない」と感じている慰安婦問題の渦中に自ら飛び込んでいったとHPに書かれていたが、ネットの世界と縁遠い私としては、ネットの世界で「元慰安婦」の問題が広がっているとは全然知らなかった。
私はシネマジャーナル94号の『日本軍「慰安婦」を描いたドキュメンタリー』という「元慰安婦」をテーマにしたドキュメンタリー作品を紹介しているが、その記事の冒頭で、「最近日本軍元慰安婦のことが大きな話題になっているが、その内容がひどい。強制連行はなかった、民間業者が連れ歩いた、軍が管理したというなら証拠を見せろ、売春婦として金もうけのために行ったなど、被害女性の傷に塩を塗り込むような発言があり」と書いたが、まさにそれがもっとひどいことになっている。そして、日本と韓国間だけでなくアメリカに住む人たちも巻き込んで論争が広がっていることをこの『主戦場』で知った。
慰安婦たちは「性奴隷」だったのか?「強制連行」は本当にあったのか? なぜ元慰安婦たちの証言はブレるのか? そして、日本政府の謝罪と法的責任は?という疑問を胸にデザキは、櫻井よしこ(ジャーナリスト)、ケント・ギルバート(弁護士/タレント)、渡辺美奈(「女たちの戦争と平和資料館」事務局長)、吉見義明(歴史学者)などなど、日・米・韓の、この論争の中心人物たちを訪ね回って彼らの発言を集めている。よくこれだけの人に取材できたなと思うくらい行動的な監督。
いろいろな人の意見が目まぐるしく登場し、私からすれば「聞きたくもない」発言も多かったけど、そういう対立する数々の主張を小気味よく反証させ合いながら、スタイリッシュなドキュメンタリーとして完成した。さらにおびただしい量のニュース映像と記事の検証や分析を織り込み、イデオロギー的にも対立する主張の数々、思い込みを論破してゆく。
「慰安婦」問題を巡るいくつかの論点。よく言われる「20万人」という数字。強制連行だったのか否か、「性奴隷」だったのか、日本軍が関与しているかなどをあげ、左右両派の論者(研究者、政治家、活動家、ジャーナリスト)らのインタビューを交互に紹介、構成している。人数も発言時間もほぼ同じ。結論は出さず判断は観客自身にゆだねているが、どちらの意見がまっとうかは明白。「慰安婦ではなく売春婦」などという意見は許しがたい。しかも女性がそんな風にいうなんて。聞きたくもない意見を聞いて、最初は気分よく観ることができなかったけど、後半になって、刺激的でエキサイティング、スピーディな展開と、資料の充実さも含め、こういう構成は説得力あるかもと思い始めた。
元慰安婦や戦争体験者の多くが鬼籍に入った今、この若い青年の「人権」「正義」「真実」という価値観を元に歴史を検証するという試みは他でも必要になってくるだろう。
元慰安婦だった方は、冒頭、2015年の日韓合意後、韓国政府要人に詰め寄るイ・ヨンスさん(ビョン・ヨンジュ監督の『息づかい』に出演)と、1991年「慰安婦」として初めて名乗り出た金学順(キム・ハクスン)さんの二人しか出てこないが、このシーンは大事なシーンである。やはり慰安婦だった方の思いは忘れてはいけない。
『主戦場』公式HP
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 東風
公開 舞台挨拶などの情報
★4/20(土)10:50と13:30回上映後、ミキ・デザキ監督初日舞台挨拶
★4/26(金)18:45回(日・英字幕版)上映後、ミキ・デザキ監督によるティーチ・イン
神奈川県 横浜 シネマ・ジャック&ベティ 045-243-9800 近日
青森県 フォーラム八戸 0178-38-0035 6月7日(金)〜6月13日(木)
山形県 フォーラム山形 023-632-3220 7月5日(金)〜7月11日(木)
宮城県 チネ・ラヴィータ 022-299-5555 5月17日(金)〜5月30日(木)
福島県 フォーラム福島 024-533-1717 6月14日(金)〜6月20日(木)
新潟県 シネ・ウインド 025-243-5530 5月18日(土)より公開
新潟県 高田世界館 025-520-7442 5月11日(土)より公開
石川県 シネモンド 076-220-5007 6月22日(土)より公開
愛知県 名古屋シネマテーク 052-733-3959 4月27日(土)〜5月17日(金)
★4/27(土)10:50回上映後、ミキ・デザキ監督初日舞台挨拶
長野県 松本CINEMAセレクト 0263-98-4928 ・5月12日(日) 11:00〜
会場:松本市中央公民館 Mウイング6階ホ-ル
・5月26日(日) 11:00〜
会場:まつもと市民芸術館小ホール
大阪府 第七藝術劇場 06-6302-2073 4月27日(土)より公開
★4/27(土)15:20回上映後、ミキ・デザキ監督初日舞台挨拶
京都府 京都シネマ 075-353-4723 4月27日(土)より公開
★4/27(土)13:25回上映後、ミキ・デザキ監督初日舞台挨拶
兵庫県 元町映画館 078-366-2636 近日
広島県 横川シネマ 082-231-1001 6月1日(土)より公開
広島県 シネマ尾道 0848-24-8222 近日
愛媛県 シネマルナティック 089-933-9240 5月24日(金)より公開
福岡県 KBCシネマ1・2 092-751-4268 近日
大分県 シネマ5 097-536-4512 5月11日(土)より公開
宮崎県 宮崎キネマ館 0985-28-1162 近日
沖縄県 桜坂劇場 098-860-9555 近日
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