監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
脚本:ダニー・マクブライド、デヴィッド・ゴードン・グリーン
製作:ジェイソン・ブラム
音楽:ジョン・カーペンター、コーディ・カーペンター
出演:ジェイミー・リー・カーティス、ジュディ・グリア、アンディ・マティチャック、ニック・キャッスルほか
ジャーナリストのデイナとアーロンは、40年前のハロウィンに起きた凄惨な殺害事件の真相を追っていた。殺人鬼の名前はマイケル・マイヤーズ。彼は40年間、一言も話すことなく動機や感情は一切不明。あまりの恐怖に人々は彼を“ブギーマン”と名付けた。事件の被害者で唯一の生き残りローリー・ストロードにインタビューするも収穫はなかった。しかし、ローリーは再びマイケルが目の前に現れることを恐れ、いつ起きるか分からない非常事態に一人備えていたのだ。その予感は最悪の形で現実となる。ハロウィン前夜、精神病棟から患者を輸送する車が横転し、マイケルが脱走してしまう。娘のカレンはローリーの言うことを信じず、孫娘アリソンもパーティに出かけてしまっている。ローリーは再び街に解き放たれた“ブギーマン”と対峙することを決意。恐怖に満ちたハロウィンの夜が始まる―。

© 2018 UNIVERSAL STUDIOS
ホラーを苦手とする女子は、シネマジャーナル読者にも多いはず…。でも本作なら受け入れられる要素は十分ではなかろうか。なぜなら本作のテーマは「フェミニズムと母性愛」だからだ。
40年前にはハイスクールガールだったヒロインのローリーことジェイミー・リー・カーティスは、今や娘と孫もいる貫禄を備えた「おばあちゃん」! だが、力強く鋭い眼差し、他者を寄せ付けない凛とした佇まいは、本作の空気感を支配している。
映画の決定権がヒロインに委ねられた、という意味では『エイリアン』におけるリプリー、『ターミネーター』のサラ・コナーと同様の存在なのだ。
ローリーは狂気にも似た執念を以て、自らの棲家を堅牢な“要塞”に造形した。全ては因縁のブギーマンと対峙するためだ。孫には暖かな居場所に見えた“おばあちゃんち”が、対ブギーマン仕様と化しているのも可笑しい。
親子三代の女たちが優れたチーム力を発揮するのと対象的に、ブギーマンは40年前と同じく黙して語らない。不気味さは健在だ。しかも数場面ではあるが、あのニック・キャッスルが40年ぶりにブギーマンを演じているのもファンには嬉しい。
外連味ある演出、音楽、街の風景…、全てがジョン・カーペンター(今回は製作総指揮と音楽)監督版のオリジナルを踏襲し、リスペクトしたスタッフの力が結集した映画であると感じられた。(幸)
2018年/アメリカ/カラー/デジタル/英語/106分/R-15
配給:パルコ 宣伝:スキップ
公式サイト:http://halloween-movie.jp/
★2019年4月12日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開