2019年03月10日

セメントの記憶   英題:Taste of Cement

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監督・脚本:ジアード・クルスーム 
撮影監督:タラール・クーリ 
音楽:アンツガー・フレーリッヒ

かつて中東のパリといわれたレバノンの首都ベイルート。
海辺に建設中の新しいビル。隣りには廃墟になったビル。1975年から15年続いた内戦が1990年に終わり、町が再建されてきた。

一人のシリアから来ている若い労働者。初めて海を知ったのは、ベイルートからの出稼ぎから帰ってきた父のお土産の絵。白い砂浜、青い海、そして2本のヤシの木。今は自分がその海を目の前にしている。が、シリアの労働者たちが海を楽しむことはない。建設中の高層ビルの地下は大きな宿泊所になっていて、夜7時以降、シリア人は外出禁止だ。
地下と繋がったエレベーターを行き来するだけの日々だ・・・

レバノンの再建を支えてきたシリア人労働者は、100万人にものぼるという。そして、そのシリアは今、内戦で町が破壊され続けている。人々の心の傷はあまりに深く、破壊し尽された町の再建に手がつけられるのはいつのことになるのだろうと暗澹たる思いだ。
映画の最後、ミキサー車の中で、再建された美しいベイルートの町がぐるぐる回る。
再建を下支えしているシリアの人たちの思いもぐるぐる回る。(咲)

◆【ジアード・クルスーム監督来日イベント
3.21(木・祝)にクルスーム監督の前作『The Immortal Sergeant/不死身の軍曹』の上映&トークイベントが筑波大学東京キャンパスで開催されます。
http://cineja4bestfilm.seesaa.net/article/464562188.html


2018年/ドイツ・レバノン・シリア・カタール・アラブ首長国連邦/アラビア語/88分
日本語字幕:吉川美奈子
配給:サニーフィルム
公式サイト:https://www.sunny-film.com/cementkioku/
★2019年3月23日(土)より東京・ユーロスペースほか全国で公開






posted by sakiko at 20:51| Comment(0) | 中東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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