2019年03月10日
ふたりの女王 メアリーとエリザベス(原題:Mary Queen of Scots)
監督:ジョージー・ルーク
脚本:ボー・ウィリモン
撮影:ジョン・マシソン
美術ジェームズ・メリフィールド
衣装アレクサンドラ・バーン
音楽:マックス・リヒター
出演:シアーシャ・ローナン(メアリー・スチュアート)、マーゴット・ロビー(エリザベス1世)、ジャック・ロウデン(ヘンリー・スチュアート/ダーンリー卿)、ジョー・アルウィン(ロバート・ダドリー/レスター伯爵)、デビッド・テナント(ジョン・ノックス)
スコットランド王ジェームス5世の娘として生まれたメアリー・スチュアートは、生後6日目に父が亡くなったため王位を継ぐ。幼少のうちに渡仏、16歳でフランス王妃となったのも束の間、夫フランソワ2世が崩御。18歳で故郷スコットランドに戻る。イングランドではエリザベス1世が統治していたが、未婚で王位継承者はいなかった。エリザベスは自分と同じく王位継承権を持つメアリーに複雑な思いをいだいていた。
メアリーは同じスチュアート家のダーンリー卿と結婚し、ジェームズを出産する。
ケイト・ブランシェット主演の『エリザベス ゴールデンエイジ』(2007年)のプロデューサーのティム・ビーバン、エリック・フェルナーがエリザベスと王位継承を争ったメアリーにスポットを当てた作品。シアーシャ・ローナンはメアリ役に早くからすえられ、ジョージー・ルークが監督に決まって自らマーゴット・ロビーにオファーしたのだそうです。
演劇界では女性初の芸術監督だったルーク監督が、初監督作で二人のアカデミー賞ノミネート女優と二人の女王の映画を作りました。衣裳のアレクサンドラ・バーン、ヘア&メイクのジェニー・シャーコアも本作でアカデミー賞にノミネートされました。実力ある女性ばかり!
同じころの日本は安土桃山時代。男達が覇を競っていました。エリザベス一世(1533-1603)、メアリー・スチュアート(1542-1587)と、織田信長(1534-1582)、豊臣秀吉(1537-1598)、徳川家康(1543-1616)が同じ時代を生きていました。女性は政略結婚の駒か、世継ぎを産むためで、表舞台に立つことはなかったでしょう。この違い。(白)
自ら立ち回って国を治めようとした「動」のメアリー。どっしり構えて大局を見極める「静」のエリザベス。利発で大胆なメアリーの、情も捨てきれない繊細さをシアーシャ・ローナンが微妙な表情で演じている。一方で、まばたきしていないのでは、と思ってしまうくらい先をじっと見据えているような瞳の奥にマーゴット・ロビーがエリザベスの深い孤独をたたえていた。相反する人生を送ることになった2人だが、実はいちばん理解し合える存在だったはず。状況が違っていたらと考えずにいられない。(堀)
2018年/イギリス/カラー/シネスコ/124分
配給:ビターズ・エンド
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http://www.2queens.jp/
★2019年3月15日(金)ロードショー
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