2019年03月09日

まく子

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監督・脚本:鶴岡慧子 
原作:西加奈子 
撮影:下川龍一 
音楽:中野弘基 
出演:山崎光(南雲慧)、新音(コズエ)、須藤理彩(南雲明美)、草なぎ剛(南雲光一)、つみきみほ(コズエのオカアサン)、村上純(ドノ)、橋本淳(小菅)、内川蓮生(類)、根岸季衣(キミエおばちゃん)、小倉久寛(校長) 


5年生のサトシの家は温泉街の旅館。女将の母ちゃんはしっかり者で働き者なのに、料理長の父ちゃんは女好きで、浮気をしているのを町中が知っている。サトシは父ちゃんが嫌いだ。あんな大人になりたくない。旅館に新しい仲居さんが子ども連れで入り、サトシのクラスに転入してきた。コズエはこれまで出会ったことがない不思議な女の子だった。サトシについて歩いて、何でも撒き散らす。おまけに「ある星から来た」と耳打ちされて、サトシはあっけにとられてしまう。


サトシは身体が変わりはじめる年ごろ。女子は毎日大人に近づいているみたいで、なんだか遠くなった気がしています。自分や子どものことを考えても、女の子のほうが早く大人になりますね。そばに尊敬する大人がいると目標ができていいけれど、そうはうまくいきません。身近な大人の男が、浮気性の父ちゃんと、働かずいつまでも子どものようなドノで、サトシはげんなりしています。
けれども全く違う感覚を持つコズエに出会ったことで、サトシの世界はひろがっていきます。
異邦人のコズエとオカアサンが、お祭りで何度も呼び合うシーンが胸に残りました。ドノが大切に口にする一言が深いところへしみていきます。村上純さん、いい台詞もらいましたね!草なぎ剛さん妙にエロい父ちゃんでした。原作を読んでいても楽しみを損なうことはありません。(白)

少年は大人の体への変化に戸惑う。原因は浮気性な父親。しかし、そんな不安を父親が受け止める。これは女親にはできない。父と息子が2人で並び立ち、会話する様子に少年の成長を感じた。少年のラストの行動はその表れだろう。父親を演じたのは草なぎ剛。女にだらしない崩れた緩い色気を放ち、これまでのイメージを覆す。今後はリリー・フランキー路線でいけるかもしれない。(堀)


2019年/日本/カラー/ビスタ/108分
配給:日活 
(C)2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)

★2019年3月15日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 23:56| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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