2019年03月02日

マイ・ブックショップ   原題:The Bookshop

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監督・脚本:イザベル・コイシェ(『死ぬまでにしたい10のこと』)
出演:エミリー・モーティマー(『メリー・ポピンズ リターンズ』)、ビル・ナイ、パトリシア・クラークソン

1959年、イギリス。戦争で夫を亡くしたフローレンス・グリーンは悲しみに暮れていたが、書店を開くという夫との夢を実現しようと決意する。1軒も書店のない海辺の小さな町で、ボロボロの建物「オールドハウス」を買い取り、準備を進める。町の有力者ガマート夫人から、オールドハウスは芸術センターにしたいと横やりが入るが、なんとか開店にこぎつける。さっそく町一番の読者家で、町外れの屋敷に引き篭もっている老紳士ブランディッシュ氏から推薦本を届けてほしいと注文が入り、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」を送る。この本を気に入ったブランディッシュ氏と本を通じた交流が始まる。書店も町の人々の評判を呼び、一人では対応できなくなり、少女クリスティーンを雇う。
ウラジミール・ナボコフの問題作「ロリータ」を仕入れるかどうか迷ったフローレンスがブランディッシュ氏に本を送り意見を求めると、直接話したいと屋敷に招かれる。励まされ、自信を持って250部仕入れ、書店には人だかりができる。面白くないガマート夫人が弁護士を通じて公共の迷惑だと苦情を申し立ててくる。さらに、児童労働を取り締まるため、査察官がクリスティーンの学校に現われる・・・

『死ぬまでにしたい10のこと』(2003年)で脚光をあびたスペインの女性監督イザベル・コイシェが、英国ブッカー賞受賞作家ペネロピ・フィッツジェラルドの原作に惚れ込み映画化したもの。

フローレンスは、書店を開いて忙しくなっても、海辺で静かに読書する時間を大切にしています。町の有力者から嫌がらせをされても、果敢に立ち向かう芯の強い女性。
推薦書を送ってほしいといわれ、本の所持を禁じた未来を舞台にした「華氏451度」を選んだところが心憎いです。また、賛否両論のある書「ロリータ」を仕入れるにあたって、独断で決めないところもバランス感覚があって素敵です。だからこそ、偏屈で人と交わることのなかったブランディッシュ氏の心を動かしたのでしょう。
1959年という時代。まだまだフローレンスのような女性の活動はすんなりとは受け入れらないけれど、児童労働で捕まってしまった少女クリスティーンの心に、フローレンスの精神がしっかり息づいているのが感じられて嬉しい。(咲)


◆お母さんが本屋さんを営んでいた作家・林真理子さんのトークショーの模様はこちらで!
『マイ・ブックショップ』林真理子氏トークショー 詳細レポート


2017年/イギリス・スペイン・ドイツ/英語/カラー/112分/シネスコ/5.1ch/DCP
配給:ココロヲ・動かす・映画社○
© 2017 Green Films AIE, Diagonal Televisió SLU, A Contracorriente Films SL, Zephyr Films The Bookshop Ltd.
公式サイト:http://mybookshop.jp/
★2019年3月9日(土) シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA他にてロードショー





posted by sakiko at 11:10| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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