2019年03月01日

きばいやんせ!私

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監督:武正晴(『百円の恋』) 
脚本:足立紳 山口智之 
原作:足立紳(双葉社刊、著:工藤晋) 
主題歌:花岡なつみ「Restart」 
出演:夏帆、太賀、岡山天音、坂田聡、眼鏡太郎、宇野祥平、鶴見辰吾、徳井優、愛華みれ、榎木孝明、伊吹吾郎 

鹿児島県最南端、佐多岬の南大隅町で1300年続く奇祭「御崎祭り」。 

女子アナ児島貴子(夏帆)は、週刊誌に不倫を報じられたことで看板番組のMCを降ろされ、異動先の奇祭を巡る番組で、小学校2年生の時に1年間住んだ南大隅町の祭りを取材することになる。案内役として現れたのは、同級生の橋脇太郎(太賀)。畜産業を営みながら、祭りの実行委員として若者たちを取りまとめている。祭りは、本来、神輿を佐多岬から神社までの20キロを一度も降ろさずに険しい道を運んでいたが、運び手の若者が減り、今ではトラックで運んでいるという。それではテレビで放映するのに画にならないと、「皆さんにとって祭りって何なんですか!」と一喝する貴子。その言葉に激怒する御崎祭り奉賛会の牛牧会長(伊吹吾郎)をとりなし、太郎は祭りの完全復活を誓う・・・


「きばいやんせ」とは、鹿児島弁で「がんばれ」の意味。

ほされた女子アナ貴子が、気の乗らなかった取材を通じて、仕事や人生のあり方に目覚めていく姿を描いていますが、なんといっても主役は、「御崎祭り」そのもの。佐多岬の先端の御崎神社に鎮座する神様が一年に一度、約20キロ離れた近津宮神社に新年の挨拶に行くというお祭り。神輿を一度も降ろしてはならず、険しい山道では、はらはらさせられます。また、神輿を先導する鉾も長さ5.5m、重さ10キロもあり、それを地面すれすれの位置で持って歩むという忍耐を必要とするもの。神輿の日よけ雨よけとなっている傘も優雅ですが、掲げている人はさぞかし大変なことでしょう。お祭りを観に、佐多岬に行ってみたくなりました。御崎祭りは、毎年、2月19日・20日に近い土日に開催されているそうです。

この鹿児島の南端の知られざるお祭りを背景に物語を描いた武正晴監督のお父様は鹿児島出身。脚本の足立紳さんのお母様も鹿児島出身。出演者の中では、町で人々の集まる食堂を営んでいるユリ役の愛華みれさんが、まさにロケ地の南大隅町出身。ちょっととぼけた人の良さそうな町長役の榎木孝明さんも鹿児島出身です。

日本各地に、このように長年受け継がれているお祭りがありますが、少子化の中で、今後も固有の伝統を途切れさせないでほしいものだと思わせられた一作です。(咲)



人は変わる。やる気のない女子アナの主人公もかつてはアナウンサー目指して必死に勉強し、念願叶って東京の放送局で女子アナになった。コジタカというニックネームが全国で知られるほどなのだから、いい仕事をしていたに違いない。不倫が発覚して仕事を干されて投げやりになり、数少ない取材仕事をうわ滑りなレポートで終わらせてしまう。不倫発覚が主人公を負の方向に変えてしまったのだ。しかし、嫌々ながらも仕事で佐多岬の南大隅町に行き、一生懸命に生きる人たちと接するうちに変わっていく。選択肢がないまま父親の仕事を継ぎ、やるしかないと仕事をしていたが、いつの間にか仕事に誇りを持てるようになったと語る畜産農家の青年の言葉は主人公だけでなく、見ている者の胸に響く。きっかけさえあれば人は良くも悪くもなれるとこの作品は教えてくれた。
ところで、作品の後半は佐多岬の南大隅町で1300年続く奇祭「御崎祭り」が行われている様子を映し出すが、御輿の前で鉾を持って先導する大役を太賀と岡山天音が担っていた。この鉾はとても大きく、重そう。役を演じるために、かなり練習したのではないかと推察される。若い二人が必死に鉾を持って歩く姿に役者としての心意気を感じた。(堀)


◆初日舞台挨拶

3月9日(土) 舞台挨拶 12:05~12:35
場所:有楽町スバル座
登壇者(予定):夏帆、太賀、愛華みれ、伊吹吾郎、花岡なつみ(主題歌)、足立紳(脚本) 武正晴(監督) 記事はこちらです。

2018年/日本/カラー/116分/シネマスコープ/5.1ch/DCP/G
©2018「きばいやんせ!私」製作委員会
配給:アイエス・フィールド 
公式サイト:http://kibaiyanse.net/
★2019年3月9日(土)有楽町スバル座ほか全国ロードショー

posted by sakiko at 20:29| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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