2019年02月02日

ちいさな独裁者   原題:Der Hauptmann

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監督・脚本:ロベルト・シュベンケ
出演:マックス・フーバッヒャー 、フレデリック・ラウ 、ミラン・ペシェル、アレクサンダー・フェーリング

1945年4月、第二次世界大戦末期のドイツ。敗戦の気配が漂い、兵士たちの脱走が相次いでいた。そんな一人、まだ20代そこそこのヘロルトは、道ばたで大尉の軍服を拾う。身にまとい、大尉に成りすました彼は、道中出会った脱走兵たちを次々と配下に従える。収容所では、ヒトラー総統からの命令だと巧みな嘘をつき、簡易裁判を行い、即決で人々を処刑していく・・・

終戦間際、数千人の脱走兵がさすらっていたドイツで実際にあった出来事をもとにした物語。ヘロルトは一時80人もの兵士を配下に従えたという。12人が最後までヘロルト親衛隊として、ヘロルトの指揮のもと処刑を繰り返した。1945年4月12日には、囚人に深さ1.8メートルの穴を掘らせ、対空砲で彼らを処刑し、さらに機関銃で100人近い兵士を殺し穴に突き落としたという。(実在の人物については、公式サイトで詳細を!)

敗戦の色濃い中で、皆が正気でなかった時代とはいえ、一兵卒の若造を大尉だと信じてしまって、蛮行を許したことに驚かされる。人はいかに権威に弱いか。そして、権力を手にした時、人はそれをふりかざしたくなる生き物だということを見せつけてくれる。それは、決して、本作のような戦争という異常な状況の中だけで起こることではないのも皆が知っていること。 権威にこだわる人ほど、それを失った時に生きる気力をなくすことも!(咲)

2017年/ドイツ・フランス・ポーランド/119分
配給:シンカ、アルバトロス・フィルム、STAR CHANNEL MOVIES
(C)2017 - Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film
公式サイト:http://dokusaisha-movie.jp/
★2019年2月8日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
posted by sakiko at 20:42| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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