2019年01月31日

闇の歯車

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監督:山下智彦
原作:藤沢周平
脚本:金子成人
撮影:浜名彰
音楽:遠藤浩二
出演:瑛太(佐之助)、橋爪功(伊兵衛)、緒形直人(清十郎)、大地康雄(弥十)、中村蒼(仙太郎)、蓮佛美沙子(きえ)、石橋静河(おくみ)、中村嘉葎雄(繁蔵)、高橋和也(同心)、津嘉山正種

江戸、深川。裏の世界に片脚入れて日々暮らしている佐之助。仕事が終わると立ち寄る酒処おかめで、いつも顔を合わせる男たちがいた。ご隠居風、文句ばかりつぶやいている老人、浪人、若旦那風の4人。ある日佐之助はおくみという女を助け家に連れ帰って看病する。仔細は尋ねず、一緒に暮らしはじめた。これまでにない心地良さを覚えて、まっとうな生活がしたくなる。そんなときにご隠居風の伊兵衛が「押し込み(強盗)に加わらないか」と声をかけてきた。一旦は断った佐之助だったが、まとまった現金が手に入るとおくみとの暮らしが立つようになる。集まったのはおかめで逢った素人の男たちだった。

時代劇専門チャンネル開局20周年記念作品。本格的時代劇で、瑛太さんのチョイ悪の色気といなせな着物姿にしびれます。『殿、利息でござる!』(2016)の茶師役は総髪でしたが、今回の町人まげもよく似合います。笑顔の裏に底知れなさを隠す伊兵衛、病気の妻を思う清十郎、不満をかこつ弥十、弱気な仙太郎、はかない彩りをそえるきえとおくみ、と配役がもうぴったり!
時代劇畑を歩んでこられた山下智彦監督は、緩急自在な演出で江戸の闇の中でうごめく人間たちを浮き彫りにします。サスペンスとアクション、そして事情を抱えたそれぞれの行く末に切なさを感じつつも納得。
舞台となる居酒屋で、これまで見たことがなかった灯りが吊られていました。行燈はよく見ますが、天井につるしたものは初めてです。江戸の灯りを調べてみたくなりました。江戸の夜はこんなに暗いのでした。夕方から夜に移る逢魔が刻(おうまがとき)を狙った押し込みも腑におちます。間に合うなら劇場の大きな画面で一度ご覧下さい。(白)


2018年/日本/カラー/シネスコ/92分
配給:東映ビデオ
(C)2019「闇の歯車」製作委員会  写真:江森康之
https://yaminohaguruma.jp/
★2019年1月19日より全国5大都市を中心に期間限定上映。東京は丸の内TOEIにて公開中。
★2月9日(土)夜8時より時代劇専門チャンネル(スカパー!cs292ch)放送
posted by shiraishi at 10:50| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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