監督:セドリック・ヒメネス
原作:ローラン・ビネ「HHhH プラハ、1942年」(東京創元社刊)
出演:ジェイソン・クラーク(ラインハルト・ハイドリヒ)、ロザムンド・パイ(クリナ・ハイドリヒ)、ジャック・オコンネル(ヤン・クビシュ)、ジャック・レイナー(ヨゼフ・ガブチーク)、ミア・ワシコウスカ(アンナ・ノヴァーク)、スティーブン・グレアム(ハインリヒ・ヒムラー)
海軍の兵士だったラインハルト・ハイドリヒは女性問題によって不名誉除隊を余儀なくされる。自分の拠り所である軍籍をもぎ取られて怒りに震えるが、妻の奨めでナチ党に入党。ナチ運動に怒りのはけ口を見つけ、出世欲にも駆り立てられて、ナチ運動に没頭していく。やがて、諜報活動で頭角を現し、瞬く間に党幹部へとのしあがる。さらに、150万人を超えるユダヤ人虐殺の首謀者として、絶大な権力を手にしていく。その冷徹極まりない手腕から“金髪の野獣”と呼ばれ、ヒトラーさえもが恐れたという。
ハイドリヒの暴走を止めるべく、チェコ亡命政府によって選抜された2人の若き兵士が、闇夜に紛れパラシュートでプラハに潜入。綿密な暗殺計画を立て、1942年5月27日、遂に決行される。
原作はローラン・ビネの大ベストセラー「HHhH プラハ、1942年」。NYタイムズ紙の“注目すべき本”に選出され、映像化オファーが殺到する中、セドリック・ヒメネス監督が映画化権を獲得した。
前半はラインハルト・ハイドリヒがなぜナチ党員になり、ヒトラー、ヒムラーに次ぐ、ナチス第三の男まで上り詰めたのかを、後半は史上唯一成功した、ナチス高官の暗殺計画を実行側から描く。この暗殺計画とその後については、2017年に公開された『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』でじっくり描いているので、既視感が拭えない。しかし、ハイドリヒの半生については、とても興味深かった。ノンポリだったラインハルト・ハイドリヒがナチにのめり込んでいく様は他人事には思えないのだ。そして、残された妻と子のその後をエンドロールで知り、複雑な気持ちになった。(堀)
2017年/フランス・イギリス・ベルギー/カラー/シネスコ/120分
配給:アスミック・エース
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★2019年1月26日(土)ロードショー