2019年01月20日

二階堂家物語

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監督:アイダ・パナハンデ
エグゼクティブ・プロデューサー:河瀨直美
脚本:アイダ・パナハンデ、アーサラン・アミリ
出演:加藤雅也、石橋静河、町田啓太、田中要次、白川和子、陽月華、伊勢佳世

奈良県天理市。父から引き継いだ種苗会社を経営する二階堂辰也は、旧家の跡取りだ。数年前に息子を亡くし、妻と離婚。今は、年老いた母ハルと娘の由子と暮らしている。母は、跡取りがいなくなったことを気にやんで、辰也に、密かに思いを寄せている美紀との再婚を促す。だが、辰也にその気がないことを悟ると、今度は孫の由子に、種苗会社に勤める幼馴染の洋輔を婿養子に迎えようと期待を寄せる。だが、由子にはすでに心に決めた相手がいた・・・

旧家の跡取り問題をテーマに物語を紡いだのは、イランの女性監督アイダ・パナハンデ。
パナハンデ監督は、「第4回なら国際映画祭2016」で初長編作である『NAHID』が長編コンペティション部門最高賞の「ゴールデンSHIKA賞」を受賞。なら国際映画祭が、世界で活躍する期待の若手監督を支援して奈良を舞台に映画を製作するプロジェクトNARAtiveの第5弾の監督に選ばれた。
パナハンデ監督は、夫で脚本家のアーサラン・アミリと共に、2017年3月、奈良県天理市でシナリオハンティング。当初、ヤクザが登場するような物語を構想していたが、実際に奈良で日本の風習や生活に触れるうちに、「婿養子」の言葉を度々耳にし、後取り問題をテーマに脚本を書き上げた。
ペルシャ語で書いたものを英語に翻訳し、そこからさらに日本語に翻訳した脚本は、時に、理解できないこともあり、加藤雅也はじめ役者たちが監督の意図を感覚で捉えて演じたという。
少子化が進み、跡取りがいなくて家系が途絶えることもままある時代。国際結婚も絡めた物語は、日本人にもわりとすんなり受け入れられると思う。
赤い提灯、椿の花、雛人形、伝統的な建具など、外国人ならでは感じる日本情緒も映されているが、旧家の座敷にペルシャ絨毯が敷かれ、机の上に石榴が置かれているところには、イラン人の心を感じさせられた。(咲)


アイダ・パナハンデ IDA PANAHANDEH
1979年生まれ。テヘラン出身。テヘラン芸術大学在学中から映画製作を開始し、多くの短編映画を監督している。初長編作である『NAHID』は2015カンヌ国際映画祭にて「ある視点」部門・期待すべき新人賞(Prix de l’Avenir)を受賞。なら国際映画祭2016ではゴールデンSHIKA賞を受賞。「二階堂家物語」は長編第3作品目で、イラン国外で初めて撮影した作品となる。(公式サイトより)

2018年/日本/106分
配給:HIGH BROW CINEMA
公式サイト:https://ldhpictures.co.jp/movie/nikaido-ke-monogatari/
★2019年1月25日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国順次公開






posted by sakiko at 20:45| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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