2019年01月05日

世界一と言われた映画館

sekai1.jpg

監督・構成・撮影:佐藤広一
語り:大杉漣
出演:井山計一、土井寿信、佐藤良広、加藤永子、太田敬治、近藤千恵子、山崎英子、白崎映美、仲川秀樹

「西の堺、東の酒田」と称された商人の町・山形県酒田市に、かつて映画評論家・淀川長治氏が「世界一の映画館」と評した“グリーン・ハウス”があった。1950年、老舗の酒蔵の一人息子佐藤久一(1930~1997)が、父久吉の経営していた映画館を弱冠20歳で引き継ぎ、映画愛と資金を注いで作り上げた夢の映画館。回転扉から入るとホテルのような豪華なロビーで支配人が迎え、喫茶室からは極上のコーヒーの香りがする。ベルの代わりに「ムーンライト・セレナーデ」のメロディが開幕を告げる。上映される作品も設備も雰囲気も東京にひけをとらない酒田っ子の自慢の映画館だった。
1976年10月29日、酒田大火の火元となってしまったグリーン・ハウス。おりからの強風に煽られ、火は瞬く間に風下へと拡がり街は焼け野原となった。それから40年余りが経ち、グリーン・ハウスで青春のひとときを過ごした人々がそれぞれの思いを語った。

こんな映画館が昭和25年からできていたなんて、驚愕のひとこと。一度この目で見て、映画体験をしてみたかった!インタビューに応じた人々がどんなにこの劇場を愛していたか、ひしひしと伝わってきました。思いがけず悲劇的な終幕を迎えてしまったことで、なお一層それぞれの胸に刻まれることになったのでしょう。
興味のつきない佐藤久一氏については「世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れさられたのか」(著者・岡田芳郎)をご一読ください。

IMG_7717.jpg

佐藤広一監督インタビューはこちらです。(白)

2017年/日本/カラー/シネスコ/67分
配給:アルゴ・ピクチャーズ
©認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
http://sekaiichi-eigakan.com/
★2019年1月5日(土)より有楽町スバル座ほかにて全国順次公開
posted by shiraishi at 15:12| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください