監督・脚本:ネルソン・ディリープクマール
音楽:アニルド
出演:ラジニカーント、シヴァラージクマール、モーハンラール、ジャッキー・シュロフ
タマンナー、ラムヤ・クリシュナ、ヴィナーヤガン、スニール、ヨーギ・バーブほか
“スーパースター”ラジニカーントのデビュー以来の第 169 作目!
日本での3年ぶりの劇場公開!
元警察官のムトゥ・パンディヤンは、70歳を過ぎ、妻、息子、その妻、6歳になる孫息子とともに、チェンナイで静かな日々をおくっている。一人息子のアルジュンは、ムトゥに影響されて警察官となり、正義感の強さは人一倍。アルジュンをムトゥは誇りにしていた。そんなある日、骨董品密売事件を追っていたアルジュンが行方不明になり、組織に消されたのではないかと告げられる。妻からは、「あなたが警官にしたから」と責められる。「息子を殺した者を殺しにいく!」といきり立つムトゥ。ヴァルマという男が牛耳る美術品マフィアに戦いを挑む。今は一民間人だが、かつて北インドの巨大監獄の看守(ジェイラー)として、荒くれたちを腕力と知力でコントロールしていた時代に培った人脈が、彼を助ける・・・。

(C)SUN Pictures
冒頭、すっきりスマートな好々爺が、6歳の孫息子に動画作りを手伝わされたり、買い物を頼まれたりと振り回されていて、え? これがあの『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1995年)のラジニカーント? と驚かされました。
息子が殺されたと知り、復讐心に燃えるムトゥ。看守時代に“タイガー”の名で囚人たちに怖れられたムトゥが蘇ります。「tiger ka hukum(タイガーの命令!)」と、ヒンディー語で叫ぶと、かつての盟友たちが駆け付けて助けます。(ヒンディー語なのは、北インドの刑務所だったからですね・・・)
やがて、殺されたと思っていた息子アルジュンが、組織の人質になっていることが判明。アーンドラの有名な寺院にある、16世紀に神に献上された王冠を手に入れてくれたら解放するといわれます。王冠は国宝として警備されていて大統領と首相をのぞけば、王冠を直接見られる者は5人の名誉管財人だとわかります。
アミターブ・バッチャン(お馴染みの名優)、ラタン・タタ(2024年10月に亡くなられた実業家)、S.テンドルカール(クリケット選手)と、3人までは実在の人物。4人目は、サラスヴァティー(水と豊穣の女神?!)、そして5人目はブラスト・モーハンという俳優。モーハン一族が寺院の土地を所有していて、管財人を出す決まりになっているという設定。由緒ある一族なのにダメ俳優で、扱いが難しいという次第。この男に取り入って、なんとか王冠に近づこうと企んで、映画の撮影現場に行くのですが、これが、なんとも可笑しくて笑えます。さて、ムトゥは王冠を手に入れて、無事息子を救いだせるのでしょうか? 思いがけない展開は、ぜひ劇場で! (咲)
2023 年/インド/タミル語/ 168 分
©SUN Pictures
配給:SPACEBOX 宣伝:フルモテルモ
★2025 年 2 月 21 日(金) 新宿ピカデリーほか 全国公開