2025年02月14日

ドライブ・イン・マンハッタン(原題:Daddio)

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監督・脚本:クリスティ・ホール
撮影:フェドン・パパマイケル
音楽:リサ・ゼノ・チャージン
出演:ダコタ・ジョンソン(乗客)、ショーン・ペン(タクシー運転手)

夜のジョン・F・ケネディ空港に降り立った女性が、タクシーに乗り込む。配車係から渡された行き先のメモ「マンハッタン、44丁目、9番街と10番街の間」を見て、運転手は発車させた。運転手は今日はお客さんで最後と声をかけ、バックミラーごしに2人は会話のキャッチボールを始める。スマホ支払いでチップが減った、という運転手の愚痴も笑顔で聞いてジョークでかえす女性。話すことが楽しくなる2人。
交通渋滞につかまって運転手がトイレを我慢できずに降りたり、女性がスマホの相手の要求に顔を曇らせるのに気づいたりするうち、狭い空間での会話は少しずつプライベートな話題に移っていく。

冒頭の配車係のほかはずっと車内の2人の会話劇です。もともとはクリスティ・ホール監督が舞台劇のために書かれた脚本だったそうですが、ダコタ・ジョンソンが自分で演じたいと惚れ込んだのだとか。ジョンソンに誘われたショーン・ペンも大いに気にいって主演2人が揃いました。初監督作品ですがこの脚本、この2人、フェドン・パパマイケルの撮影だからこそ、100分間観客をくぎづけにする作品になったのでしょう。少ない予算で2週間で撮り切ったそうです。車窓に流れる夜景はどうやって撮られたのか、その工夫を聞いてさらに驚きましたが、まずは2人のやりとりを堪能してください。
長く仕事を続けている間に離婚と浮気を繰り返した運転手は、たくさんの人を見て来た経験があります。お客の人生が想像できてしまうのですが、率直なことばが美しい乗客の琴線に触れ、傷ついた心を温かく包みます。彼にとっても古傷を癒す一夜になったはずです。(白)


2023年/アメリカ/カラー/シネスコ/100分
配給:東京テアトル
(C)2023 BEVERLY CREST PRODUCTIONS LLC. All rights reserved.
https://dim-movie.com/
★2025年2月14日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
posted by shiraishi at 23:08| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

僕らは人生で一回だけ魔法が使える

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(C)2025 映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」製作委員会


監督:木村真人
脚本:鈴木おさむ
出演:八木勇征、井上祐貴、櫻井海音、椿泰我(IMP.)、カンニング竹山、阿部亮平、髙橋洋、馬渕英里何、平野宏周、工藤美桜、笹野高史、田辺誠一

緑豊かな自然に囲まれた、のどかな小さな村。この村には、ある秘密があった。
高校3年生になったばかりのアキト(八木勇征)、ハルヒ(井上祐貴)、ナツキ(櫻井海音)、ユキオ(椿泰我)の仲の良い4人は、ある日、村の重鎮であるテツ爺(笹野高史)に呼び出される。そこで告げられたのは、「この村の少年たちは18歳になると、人生で一度だけ魔法を使える」ということだった。魔法を使えるのは20歳になるまでの2年間。命に関わることが禁じられている以外は何に使ってもいいという。最初は信じられない思いで笑い飛ばす4人だったが、父親たちもかつて魔法を使ったことを知り、真剣に何に魔法を使うか考え始める。
一方で、高校卒業を控え、これからの人生、どう進むかの岐路に立つ4人。
アキトはピアノを弾くのが大好きで、音大に進学したいと思っている。
ハルヒは幼い頃から心臓が弱く、全力で走れない。
ナツキは、プロサッカー選手を夢見ていたが、父が病に襲われ、父の造園業を手伝うことになる。
ユキオは、同じ工作部のミズホに恋するがあえなく失恋。さらにミズホから、ユキオの父が村のダム工事に金欲しさに参加したのではないかと聞かされ、ショックを受ける。
そして、2年が経ち、それぞれの道に進んでいる4人に、魔法を使う期限が迫ってくる・・・

先祖代々、何に魔法を使ったかを記録した文書が、大事に箱に収められているのですが、魔法を使うまでは、それを見ることはできません。さて、何に魔法を使う?
男子だけに魔法を使う権利があるというのは、今時、ちょっとどうかと思いましたが、まぁファンタジー。ほんとに魔法が使えるなら、何に使いたいでしょう・・・
都会からさほど遠くないけれど、山間のこの村には、のどかな空気が漂っています。それも魔法が使えることと関係がある?
摩訶不思議な物語を、若い4人の男の子たちが、いかにもあり得る話として、生き生きと見せてくれて、ほんわかとした気持ちになりました。(咲)


2025年/日本/110分
配給:ポニーキャニオン
公式サイト:https://bokumaho-movie.com/
★2025年2月21日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開



posted by sakiko at 16:48| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする