2025年01月12日

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦  原題:九龍城寨之圍城 英題:Twilight of the Warriors: Walled In

2025年01月17日(金)新宿バルト9ほか全国劇場にて公開 上映情報 

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©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.

Staff
監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)『リンボ』など
アクション監督:谷垣健治 
音楽:川井憲次
美術監督:マック・コッキョン
製作:ジョン・チョン、ウィルソン・イップ
Cast
古天楽(ルイス・クー)、林峯(レイモンド・ラム)、劉俊謙(テレンス・ラウ)、伍允龍(フィリップ・ン)、胡子彤(トニー・ウー)、ジャーマン・チョン、任賢齊(リッチー・レン)、黄徳斌(ケニー・ウォン)、洪金寶(サモ・ハン)、郭富城(アーロン・クォック)

九龍城砦がスクリーンに蘇る!

舞台は、かつて黒社会が野望を燃やし覇権を争っていた伝説の九龍城砦。東洋の魔窟と呼ばれ、無法地帯として知られていたが、今は取り壊されてなくなっているその場所が、圧倒的なスケールでスクリーンに蘇る。ルイス・クー、サモ・ハン、リッチー・レン、アーロン・クォックといった香港映画界ではお馴染みの俳優たちから、若手実力派まで集結し、壮絶な闘いを繰り広げる。高額を投じて精密に再現されという九龍城砦のセットが圧巻。スケールの大きさと細部へのこだわりが、あの時代の九龍城砦へと思いを馳せる。

80年代。香港へ密入国した若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会からの無理強いを断ったことで組織に追われ、治外法権の九龍城砦へ逃げ込んだ。最初は、ここでも追われ、用心棒たちと闘うが、次第に受け入れられ、ここで働くようになり、仲間と出会い絆を深めながら、九龍城砦の用心棒的な仲間と4人の友情を育んでいく。チャンはここで過ごすうち、生まれて初めて居場所を見つけたが、自分の出自のため、九龍城砦を巡る激しい争いに巻き込まれてゆく。復讐、下剋上の地位争いの中、4人はそれぞれの信念を胸に、九龍城砦を守るため、命を懸けた最後の戦いに挑む。度肝を抜くアクションの連続。死闘は続き、最後を制したのは…。

製作費の1/6とも言われる5000万香港ドルをかけて制作された九龍城砦のセット。その再現度の高さも大きな話題を呼び、公開を迎えると評判になり、広東語映画として動員数歴代1位となった。第97回アカデミー賞 国際長編映画賞の香港代表に選出され、第77回カンヌ国際映画祭での初上映では熱狂的な拍手を浴びた。また、2025年3月16日(日)に香港にて開催される、アジア全域版アカデミー賞「第18回アジア・フィルム・アワード」(AFA)では9部門でノミネートされている。

九龍城砦が取り壊される前に香港に行っていますが、さすがに足を踏み入れたことはありません。重慶マンションに入ってみるのが精いっぱいでした。プレステのアドベンチャーゲーム「KOWLOON'S GATE クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-」(97年発売)でも迷って完遂できず諦めました。それが実景となって観られただけで感激です。そんな九龍城砦を舞台に起こる権力争い、過酷な運命の中で育まれる友情、家族への愛、仲間の絆をいっぱいに詰め込んだ熱い映画が本作。
谷垣健治アクション監督渾身のアクションは、俳優一人ずつの個性を際立たせて武闘派もちろんそうでない方も必見の仕上がりです。九龍城砦は、無法地帯をいいことに建て増し継ぎ足された建物です。電線や水道管が天井や壁を走る、魔訶不思議なこの建物を縦横無尽に動き回ったアクションは、ご苦労しつつもさぞやりがいがあったことでしょう。
すっかり渋いベテランとなったルイス・クーが吸っていた煙草を上に飛ばし、落ちてくるまでに見せるアクションは見逃せません。うーむ、カッコ良すぎる!!
実は親友の捲風(ルイス)と殺人王(アーロン)との死闘、運命的なロッグワンとの邂逅、貧しい中でも助け合う住民たちの人情などみどころはたっぷりです。1980年代を背景に、香港アクション界のレジェンド、サモハンが大ボスとして戦うところがみられるなんて感涙ものです。若手がいつのまにか成長して、それぞれの代表作となるようなこの作品に出演しているのも嬉しいです。お見逃しなく!(白)


九龍城砦を舞台にした映画で思い出すのは、ドニー・イェンとアンディ・ラウ共演の『追龍』(2020年7月24日公開)です。今回の『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』も、負けず劣らずの香港のレジェンドたちの競演! 溜息が出ます。香港映画全盛時代を思い出させてくれました。
そして、九龍城砦といえば、頭上すれすれに飛ぶ飛行機。本作でも出てきました。
1992年だったと思うのですが、香港電影通信の電影旅団で訪れた時、帰りの啓徳空港でジェイコブ・チャン監督とお会いしたのですが、九龍城砦の異様な姿を一緒に眺めたことを懐かしく思い出しました。
1993年に九龍城砦が取り壊されてからは、あの一角はなかなか楽しい下町で、帰国する日、空港にスーツケースを預けたあとは、トンネルをくぐって散策に繰り出したものです。ショッピングモール「九龍城廣場」の屋上駐車場にあがって、飛行機のお腹もよく眺めました。啓徳空港がなくなって、早や四半世紀。今はどんな街になっているのでしょう・・・ (咲)


去年の「第37回東京国際映画祭」と「2024香港映画の新しい力」で上映され、チケットはすぐに売り切れてしまったが、香港でそんなに評判になっていたというのは知らなかった。東京国際映画祭でのチケットは友人が取ってくれて観ることができたが、豪華な俳優陣と、目まぐるしく進む物語の中で、誰と誰がどういう関係というのを把握するのが難しかった。何回か観ないと、争っている人の関係を理解できないかも。私は2回観たけど、まだ理解できてない。たとえばルイス・クーとアーロン・クォックの関係。敵対していて、「どちらかが死ぬまで戦わないと」みたいに言っていたのに、どちらか死んではいないよう。後でアーロンはルイスがやっている理容室に髭を剃りに来るし、この関係、今一つわからず、もう一度観て確認しなくては(笑)。それともこれは回想シーンだったのか…。
この九龍城砦でのシーンで思い出したのが、1992年に東京国際映画祭で上映された張之亮(ジェイコブ・C・L・チャン)監督の『籠民』(ロウミン)。この映画と同じように九龍城砦で鳥籠のような部屋で暮らす人々の絆と、開発でここを追われることになる人々の闘いが描かれていた。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』では、九龍城砦のセットの再現度の高さが話題になっていたけど、東京国際映画祭での上映後のトークで、「これには日本の写真集などの資料が大いに役立った」と語られ、びっくりした。私も九龍城砦の写真展は何度か行ったことがあるし、詳細な写真集を見たことがある。そうか、日本人写真家による記録が役だったんだと、ちょっとうれしかった。それと、最後、4人と死闘を繰り広げる悪の権化のような役を演じていたフィリップ・ンさんですが、映画の中ではサングラスをつけているし、素顔がほとんどわかりませんでしたが、とても笑顔が素敵なイケメンでした。東京国際映画祭での上映後のトークに、プロデューサーのアンガス・チャンさん、アクション監督の谷垣健治さんと共に参加していました(暁)。
その模様はこちら
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左からプロデューサーのアンガス・チャンさん、アクション監督 谷垣健治さん、出演者 フィリップ・ンさん 第37回東京国際映画祭にて

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映画の中のフィリップ・ンさん
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魔窟と呼ばれた「九龍城砦」ですが、1993年に取り壊され、現在は「九龍寨城公園」になっています。九龍城砦の面影はどこにもないけど、記録が壁に残されています。

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2018.6 九龍寨城公園にて 写真撮影:宮﨑 暁美


2024年/香港/125分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/ 
配給:クロックワークス
公式HP https://klockworx.com/movies/twilightwarriors/

メイキング映像はこちら
アクション編
城砦への思い編
posted by akemi at 20:51| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

満ち足りた家族   原題:보통의 가족  英題:A NORMAL FAMILY

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監督:ホ・ジノ(『八月のクリスマス』)
出演:ソル・ギョング、チャン・ドンゴン、キム・ヒエ、クローディア・キム

ひとつの事件をきっかけに、完璧な家族の崩壊が始まる・・・

兄ジェワン(ソル・ギョング)は、道徳よりも物質的な利益を優先して生きてきた弁護士だ。仕事のためなら、殺人犯の弁護でさえも厭わない。年下の2人目の妻ジス(クローディア・キム)や10代の娘らと共に豪華マンションに住み、家事は家政婦がこなす誰もがうらやむ暮らしだ。
一方、小児科医として働くジェギュ(チャン・ドンゴン)は、どんな時にも道徳的で良心的であることを信念に生きてきた。年長の妻ヨンギョン(キム・ヒエ)と10代息子と共に住む彼は、老いて痴呆気味になった母の介護にも献身的に当たり、品行方正な日々を送る。
まったく相容れない信念に基づいて生きてきた兄弟。しかし2人は、それぞれの妻を伴って月に1回、高級レストランの個室に集い、ディナーを共にする。レストランではお得意様であるジェワン夫妻が常に優先され、兄弟家族同士の会話はどこかぎこちない。
ディナーが行われた夜、時を同じくある事件が起こり、満ち足りた日々を送る家族が想像だにしなかった衝撃の結末を招き寄せる――。

利益優先のいかにも計算高い弁護士を演じたソル・ギョング。いつになく冷血な雰囲気がみなぎっていて凄みがあります。
一方、人情味豊かな小児科医を演じたチャン・ドンゴンは、常に人道的な判断をしていたのに、あることから違う顔を見せ始める弟ジェギュを静かに体現。
ソル・ギョング、チャン・ドンゴン共に、確かな演技で唸らせてくれました。
わが子のこととなると、親はどう動く? 人間の本質を突き付けられた思いです。(咲)


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ジャパンプレミア チャン・ドンゴン&ホ・ジノ監督登壇
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/508760172.html

2024年/韓国/109分/シネスコサイズ/5.1ch
字幕翻訳:福留友子
提供:KDDI 配給:日活/KDDI
公式サイト:https://michitaritakazoku.jp/
★2025年1月17日(金) 全国ロードショー
posted by sakiko at 20:14| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする