2025年01月05日
#彼女が死んだ 原題: 그녀가 죽었다(彼女が死んだ)英題:FOLLOWING
監督:キム・セフィ
出演:ピョン・ヨハン、シン・ヘソン、イエル、ユン・ビョンヒ、パク・イェニ、シム・ダルギ、パク・ミョンフン
不動産公認仲介士のク·ジョンテ(ピョン・ヨハン)は、顧客が預けた鍵でその家に入り、他人の人生を盗み見るのが楽しみだ。ソーセージを食べながらビーガンサラダの写真を投稿するSNSインフルエンサーのハン·ソラ(シン・ヘソン)から部屋の借り手を探してほしいと鍵を預かり、彼女の不在の時を待つ。ある日、ハン·ソラの家に入ることに成功したク·ジョンテは、彼女がソファーで死んでいる姿を発見する。その後、彼がソラの家に出入りしたことを知る何者かが脅迫を始め、事件を担当する強力班刑事オ·ヨンジュ(イエル)の捜査網が彼に向かって迫ってくる。濡れ衣を晴らすべく自ら犯人を探さなければならないク·ジョンテは、ハン·ソラのSNSを通じて周辺の人物をあたりながら真犯人を探しに出るが…。
ピョン・ヨハンが、好奇心旺盛なク·ジョンテを、いたずらっぽい感じで演じていてキュート! 食べる姿が豪快なSNSインフルエンサーのハン·ソラを演じているシン・ヘソン、どこかで見た顔と思ったら、ドラマ「哲仁王后(チョルインワンフ) 俺がクイーン!?」で、現代では男性だったのに、タイムスリップしたら王宮で暮らす女性だったという役が絶妙だった女優さんでした。
部屋に何度か忍び込んでいたのですが、よりによって部屋を借りたいというカップルを案内して入ったら、ソファに血まみれで死んでいるハン・ソラが・・・。 それなのに、次に行って部屋は何事もなかったよう! いったいどうして? と戸惑うク·ジョンテが可愛いです。事件を追う女性刑事オ·ヨンジュ役のイエルは、落ち着いた大人の魅力。(咲)
2024年/韓国/103分/DCP5.1ch/シネマスコープ
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx.com/movies/following/
★2025年1月10日(金)シネマート新宿ほか公開
サラリーマン金太郎【暁】編
監督:下山天
脚本:田中眞一
原作:「サラリーマン金太郎」 本宮ひろ志(集英社刊)
出演:鈴木伸之, 城田優, 石田ニコル, 文音, 影山優佳, 竹島由夏, 米倉れいあ, 山口大地, 斎藤さらら, 前田瑞貴, 川合智己, 佳久創, 橋本じゅん, 尾美としのり, 浅野温子, 榎木孝明
青森県大間町でマグロ漁師をしていた矢島金太郎(鈴木伸之)は、海で遭難していた老人、大和守之助(榎木孝明)を助けたことから、大和が会長を務めるヤマト建設に入社。生まれて初めてのサラリーマン生活に戸惑いながらも、持ち前の誠実さと常識やルールに囚われない大胆な行動力で仲間を増やし、大和会長や黒川専務(尾美としのり)の信頼を勝ち取っていく。しかしヤマト建設は、天下りしてきた元官僚の大島社長(橋本じゅん)に牛耳られようとしていた。金太郎は大島社長の子飼いの事業部長、鷹司(城田優)の計略にはまり、大和会長らを窮地に追い込んでしまう。金太郎らは形勢逆転のため、大島社長の不正の証拠を掴もうと奔走する・・・
人気マンガ家本宮ひろ志が22年にわたって描き続けた「サラリーマン金太郎」。
これまで高橋克典、永井大の主演でテレビドラマ化や映画化がされてきて、連載開始から30年を経て、三代目金太郎に鈴木伸之が抜擢されました。
原作も、これまでのドラマや映画も見たことがありませんでしたが、昭和から平成にかけて会社勤めをした私には、社内の勢力争いや、銀座のクラブ(よく連れていってもらいました!)など、なんとも懐かしいものでした。
榎木孝明さんが出演しているのも、見たい!と思った動機なのですが、「海難で救われる老人」か・・・と、ちょっとショックも。正体は建設会社の会長というお偉いさんだったので、それはぴったりの役と! 釣りの場に、金太郎を呼んで本音を語る場面は、『釣りバカ日誌』のようで、微笑ましかったです。なにより、会社の利益よりも、社員の幸せを第一に考えるという経営者なのが素敵です。
可憐なクラブのママの石田ニコルさんや、乞食ばばぁと呼ばれて疎まれ役の浅野温子さん、犯罪グループを率いるカッコいい女・李秀麗を演じる文音さんなど、女性たちが光ってました。 【暁】編は、とりあえず一件落着ですが、後編【魁】編が楽しみです。(咲)
2025年/日本/101分
企画・製作:TIME 制作:楽映舎
配給:ライツキューブ、ティ・ジョイ
https://salaryman-kintaro.com/
★2025年1月10日(金)より新宿バルト9他にて全国公開
★後編:『サラリーマン金太郎【魁】編』 ★2025年2月7日公開
ブラックバード、ブラックベリー、私は私。(原題:Shashvi shashvi maq'vali’)
監督:エレネ・ナヴェリアニ
原作:タムタ・メラシュヴィリ
撮影:アグネス・パコズディ
出演:エカ・チャヴレイシュヴィリ(エテロ)、テミコ・チチナゼ(ムルマン)
エテロは48歳で独身。ジョージアの小さな村で育ち、母親が病気でなくなってからは父と兄の世話を続けてきた。今は一人になって雑貨店を営んでいる。ブラックベリーを摘んでいたエテロは、ブラックバード(クロツグミ)の声に気をとられて崖から足を滑らせてしまう。なんとか自力で這い上がると、村人たちが自分の遺体を囲んでいる臨死体験をする。店に戻った彼女は、いつものように商品の配達に来たムルマンを思わず見つめてしまう。性衝動にかられ、48歳にして初体験をした彼女はムルマンが自分に好意を持っていたことを知る。噂好きの村人たちに知られないように、ムルマンとの約束を心待ちにするようになった。
エテロを演じたエカ・チャヴレイシュヴィリは、主に舞台で活躍する女優さん。太い眉に鋭い目、どっしりとした存在感のある体型は、ゆるぎない意思と生活力を感じさせます。
ジョージアは戦前の日本のような家父長制が残っていて、独り身の女性には風あたりが強いようです。口さがない女たちは、エテロが結婚せずにいることや体型を揶揄しますが、独り身の自由を謳歌しているエテロは、取り合いません。失礼な物言いにはきっちりと反論もし、全く正論で溜飲が下がります。エテロは街に出かけて、好きなケーキを食べ、女性カップルの店で話に花を咲かせ、と自分一人の楽しみもちゃんと持っています。友人の娘とは年の離れた友達付き合いができます。既婚者のムルマンと親しくなって、乙女のようにときめきますが独り占めにしようなどとは思いません。
こんな「お一人様」人生もいいなぁと思っていると、想定外のラストが!これは吉なのか?(白)
2023年/ジョージア、スイス/カラー/ジョージア語/110分
配給:パンドラ
(C)- 2023 - ALVA FILM PRODUCTION SARL - TAKES FILM LLC
http://www.pan-dora.co.jp/blackbird/
★2025年1月3日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺にて公開中