2024年10月21日
まる
監督・脚本:荻上直子(『かもめ食堂』)
出演:堂本剛、綾野剛、吉岡里帆、森崎ウィン、戸塚純貴、おいでやす小田、濱田マリ、柄本明、早乙女太一、片桐はいり、吉田鋼太郎、小林聡美.
沢田は、美大を出たもののアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている。ある日、自転車で通勤途中、鳥を眺めていた時にぶつかって転倒し、右腕の骨を折ってしまう。利き手が使えず失業した沢田は、近所のコンビニで働き始める。
ある日、部屋で寝転がっていた時、蟻が円を描くのをみて、左手で〇を描く。近所の古道具屋に蒐集品と共に売った〇の絵が、後日、画廊の表に飾られていて驚く。正体不明のアーティスト「さわだ」が描いた〇の絵は、SNSで拡散され、瞬く間に有名になっていた・・・
2024年にデビュー27周年を迎えたKinKi Kidsの堂本剛さんが、荻上直子監督と企画プロデューサーから、2年にわたる熱烈オファーを受けて、映画単独主演を果たしました。
人気現代美術家の下請けで甘んじていた沢田が、怪我をして失業。何気なく描いた絵が、SNSで有名になるという、いかにも今どきの展開。
〇は、ほんとに堂本剛さんが左手で描いていて、なかなかの芸術的作品。
『かもめ食堂』以来、荻上直子監督作品で存在感をみせてくれる片桐はいりさんが、不愛想な古道具屋さん、小林聡美さんが、明るく元気なギャラリーオーナーと、しっかり映画を支えています。
沢田の隣の部屋に住む売れない漫画家役の綾野剛さんも、切れっぷりが半端ないです。
唐突に表れる「先生」役の柄本明さんの正体不明ぶりにも笑わせられます。
ミャンマー人のコンビニ店員役の森崎ウィンさんは、客に話し方をからかわれても、笑顔を絶やしません。怪訝な顔をする沢田に、「福徳円満」と仏教の教えを説くという、本作の中で、なんだか一番いい人でした。(咲)
2024年/日本/117分
製作・配給:アスミック・エース
公式サイト:https://maru.asmik-ace.co.jp/
★2024年10月18日(金)全国公開
破墓/パミョ 原題:破墓 파묘
監督・脚本: チャン・ジェヒョン ;
出演, チェ・ミンシク、キム・ゴウン、ユ・ヘジン、イ・ドヒョン
アメリカ、ロサンゼルス。巫堂(ムーダン)のファリム(キム・ゴウン)と弟子のボンギル(イ・ドヒョン)は、裕福な韓国人一家から、代々跡継ぎが謎の病に苦しめられているという相談を受ける。先祖の墓に原因があると推測したファリムたちは韓国に帰国し、墓を良い場所に移し変える「改葬」のためにベテラン風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)に協力を求める。田舎の山の上にある墓に嫌な気配を感じたサンドクは一度は依頼を断るが、跡継ぎの子の命がかかっているといわれ、多額の謝礼にも惹かれ引き受ける。お祓いをし、改葬に取りかかるが、掘り返した墓には恐ろしい秘密が隠されていた・・・
富豪一族のご先祖には、日本が深く関わっていたらしく、日本人としては、どうにも居心地悪くなってしまいます。日本の将軍らしきオバケが出てくるのですが、それが キム・ミンジュンが演じていたと後から知りました。もう一度観ても、もしかしたらわからないかも。
ユ・ヘジンが葬儀師役で、絶対面白いはず・・・と思っていたのですが、それほど弾けず、神妙な面持ちでした。おまじないに、4人とも顔一面に文字を書いていて、まるで耳なし芳一のよう! なんともおどろおどろしい物語でした。(咲)
第74回ベルリン国際映画祭正式出品
第60回百想芸術大賞 監督賞・主演女優賞・新人男優賞・芸術賞4冠受賞
2024年/韓国/134分
字幕翻訳:根本理恵
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
公式サイト:https://pamyo-movie.jp/
★2024年10月18日(金)より新宿ピカデリー他にて全国ロードショー