10月18日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
Ⓒ 2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES
『イロイロ ぬくもりの記憶』(爸媽不在家2013)、シンガポールの陳哲藝(アンソニー・チェン)監督最新作
監督・脚本:陳哲藝(アンソニー・チェン)
出演:
ナナ 周冬雨(チョウ・ドンユイ)『少年の君』
ハオフォン 劉昊然(リウ・ハオラン)
シャオ 屈楚蕭(チュー・チューシアオ)
日本語字幕:本多由枝
やり場のない寂しさに閉じこめられた若者たち
偶然の出会いが孤独な魂をリスタートさせる
母のプレッシャーに心を壊したエリート社員。オリンピック出場を断念した元フィギュアスケーター。勉強が苦手で故郷を飛び出した料理人。挫折感を抱え、閉塞感の中で生きる3人が、中国と北朝鮮の国境の街、延吉で出会った。磁石のように引き寄せられ、数日間を過ごす。極寒の延吉をクルーズするうちに孤独がほどけていった。国境沿いの凍てついた街で偶然出会った3人の男女の5日間を描いた。
選ばれた地は中国東北部、吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉。北朝鮮と国境を接していて、中国と朝鮮の文化が混ざり合う都市。漢字とハングルが混じり合う異国情緒豊かなネオンサインは夜の延吉名物で、本編にも収められている。中国と北朝鮮との国境を流れる豆満江(とまんこう)を渡り、北朝鮮から密入国する人も多く、脱北者が身を潜めて暮らす都市でもある。
ストーリー
友人の結婚式に出席するため、冬の延吉を訪れたハオフォン(リウ・ハオラン)。披露宴が終われば、翌朝のフライトまで予定はない。観光ツアーに参加したら、スマートフォンを紛失。観光ガイドのナナ(チョウ・ドンユイ)がお詫びにハオフォンを夜の延吉に連れ出した。男友達のシャオ(チュー・チューシアオ)も合流し、飲み会は盛り上がり、ナナの部屋にまでなだれ込んで朝方まで飲み明かした。
翌朝、ハオフォンは寝過ごし、上海に戻るフライトを逃し途方に暮れる。運に見放されたハオフォンだが、逆に心は開放された気分になり、シャオの提案で3人はバイクに乗り、国境クルージングに出掛ける。雪山と冷たく澄み切った空の中、凍った川の向こうに広がる隣国を眺めながらクルージングは続く。極寒の延吉をクルーズするうちに3人は少しづつ絆を深めてゆく。
アンソニー・チェン監督
1984年生まれ。シンガポール出身の脚本家、監督、プロデューサー。2007年に短編映画『AH MA(原題)』でシンガポール人として初めてカンヌ国際映画祭で特別賞を受賞。長編デビュー作『イロイロ ぬくもりの記憶』(2013年)はカンヌ国際映画祭カメラドールを受賞したのを皮切りに、第14回東京フィルメックスで観客賞を受賞、台湾金馬奨では、作品賞・新人監督賞・助演女優賞・脚本賞の4冠に輝き、世界の映画祭を席巻した。 2作目の『熱帯雨』(2019年)はトロント国際映画祭でプラットフォーム賞にノミネートされ、東京フィルメックのコンペ部門に出品。続く、長編3作目『DRIFT(原題)』は、初の英語作品であり、2023年のサンダンス映画祭でプレミア上映された。『国境ナイトクルージング』は初の中国語作品である。
公式HP https://kokkyou-night.com/
2023年/中国・シンガポール/中国語・一部韓国語/100分/1:2.00/5.1ch/
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
2024年10月18日
太陽の少年 4Kレストア完全版 原題:『阳光灿烂的日子』
10月18日(金)より新宿シネマカリテにて公開!シネマスコーレ、第七藝術劇場ほか全国順次公開 劇場情報
文化革命時代の青年の青春ストーリーが蘇る
監督・脚本:姜文(チアン・ウェン)
出演作『芙蓉鎮』『紅いコーリャン』、監督作『鬼が来た!』
原作:王朔(ワン・シュオ)「動物凶猛」
撮影:顧長衛(クー・チャンウェイ)『紅いコーリャン』『さらばわが愛/覇王別姫』
製作総指揮 文雋(マンフレッド・ウォン)劉暁慶(リウ・シャオチン)
出演:
馬小軍(マー・シャオチュン)役 夏雨(シア・ユイ)
米蘭(ミーラン)役 寧静(ニン・チン)
劉憶苦(イクー)役 耿楽(コン・ラー)
小軍の父:王学圻(ワン・シュエチー)
小軍の母:斯琴高娃(スーチン・カオワー)
ペイペイ役 陶虹(タオ・ホン)
小軍成人役 姜文(チアン・ウェン)
カンフー先生 馮小剛(ファン・シャオカン)
『鬼が来た!』(00/カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)の姜文監督×『紅いコーリャン』『さらばわが愛/覇王別姫』の撮影監督顧長衛×ヴェネチア国際映画祭・主演男優賞の夏雨で贈る、中国発・青春映画の傑作『太陽の少年』が<4Kレストア完全版>として上映される。失われた約10分のシーンも復活。キーワードは「初恋」と「記憶」と「夏」。
1970年代、文化大革命下の北京。馬家の父親は軍の仕事で遠方に行っていて不在。息子で中学生の小軍(シャオチュン)は幼馴染の悪友たちと町を闊歩し、労働や下放で不在の家に合鍵を作って忍び込むことを繰り返していた。
ある日、シャオチュンは忍び込んだ家で赤い水着でほほ笑む少女米蘭(ミーラン)の写真を発見。彼女に憧れる。やがて彼女が家に戻った時に会うようになった。そして、彼女が仲間内で話題になっているミーランであることを知ると、仲間たちに紹介するが。シャオチュンの兄貴分の劉憶苦(イクー)がミーランと親しくなり、シャオチュンの心は騒ぐ。
物語は、シャオチュンが約20年前の1970年代の少年時代に想いを馳せる回想形式で語られる。激動の文化大革命の時代。大人の姿がまばらな北京の街を舞台に、シャオチュンたち悪ガキ仲間は自転車で走り回る。文化大革命下、こんな青春もあったと描かれ、淡い恋をノスタルジックに描きつつ、少年の凶暴なまでのエネルギーを、ユーモアを交えて描きだす。中国で公開された1996年、大ヒット。日本では1997年に公開され話題になった。
1988年秋、日本公開された『芙蓉鎮』(謝晋監督)を観て、主人公役の姜文(チアン・ウェンの演技に魅せられた私は、それ以来中国映画を観始め、2年の間に約200本の中国映画を観た。そして、『芙蓉鎮』はいろいろな上映会に通い、結局27回観た。1989年には『紅いコーリャン』(張芸謀初監督作品)が日本公開され、姜文は押しも押されぬスターになっていた。
『芙蓉鎮』を観て2週間後にはラジオで中国語講座まで始め、そして、1996年には北京語言学院に6週間の語学留学をした。その時に、運良く姜文に取材することができた。この映画の主人公を演じた夏雨君が北京の中央戯劇学院で勉強をしていて、北京電影学院に留学していた日本人の友人が知り合いだったので、彼にインタビューし、夏雨君が姜文につなげてくれて姜文にもインタビューすることができた。もちろん、この『太陽の少年』についての取材だった。インタビューの後、夏雨君はミーランが住んでいるという設定の建物まで案内してくれた。この4Kレストア完全版を観ながら、その時のことを思いだした。そして姜文インタビューの時の撮影地での右往左往も思い出した。今、思えば大胆な行動だったなあと思う。
当時は日本公開が決まっていなかったし、私はまだ観ていなかったので、この映画に対する思いを聞いた。その時の記事はシネマジャーナル本誌38号(1996年発行)に掲載されているが、現在38号の在庫はなく、この4Kレストア完全版公開に合わせて、ネットでも見ることができるようにアップしました。下記アドレスからアクセスください。
この時、姜文に次回作の構想について聞いたら、通訳の人が追い付かないくらい熱心に語っていたけど、それが『鬼が来た!』(00/カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)のことだった。突然やってきた、見ず知らずの日本のミニコミ誌の取材によく答えてくれたと思う。当時、北京に留学していた何人もの日本人の方たちにお世話になった。
この『太陽の少年』は姜文の監督デビュー作。原作者の王朔も町の実力者役でカメオ出演しているし、馮小剛監督も学校の先生役で出演している。寧静(ニン・チン)はその後の活躍が著しかったし、そのほかにも実力派の俳優たちが出演し、夏雨や少年たちを支え、この映画を重厚なものにしてくれている。約10分の未公開シーンを加えた完全版とのことだけど、どの部分がその部分なのかは、ちょっとわからなかった。観たことないシーンかなというのがいくつかあったので、そこが足された部分なのかなと思って観た(暁)。
<第51回ヴェネチア国際映画祭・主演男優賞(シア・ユイ)>
<1997年度・キネマ旬報外国映画ベストテン第2位>
■予告編
https://youtu.be/MYoxeBaDVtQ
1994/中国・香港合作/140min/カラー/ドルビーステレオ
提供:JAIHO 配給:Diggin’
公式サイト:https://heatofthesun-movie.com
*参考資料 1996年北京公開時のレポートと姜文監督、主演の夏雨君へのインタビュー記事が掲載されたシネマジャーナル本誌から、記事をアップしています。
●シネマジャーナル38号(1996) 目次
38号内記事
・北京特集
北京電影学院大学院/監督科での一年間とは&姜文インタビュー印象記
http://www.cinemajournal.net/bn/38/beijing01.html
・姜文インタビュー!
八一映画製作所にて/初監督作品『陽光燦爛的日子(太陽の少年)』について聞く
http://www.cinemajournal.net/bn/38/beijing02.html
・夏雨インタビュー 北京市内にて
『阳光灿烂的日子』(『太陽の少年』)でベネチア映画祭主演男優賞を最年少で受賞
http://www.cinemajournal.net/bn/38/beijing03.html
・北京滞在記+劉徳華のコンサートを見に香港へも行ってきましたの記
http://www.cinemajournal.net/bn/38/beijing04.html
●シネマジャーナル34号(1995) 目次
34号記事
・北京便り 『阳光灿烂的日子』北京で公開!
(1997年日本公開時のタイトルは『太陽の少年』)
http://www.cinemajournal.net/bn/34/fujioka.html
*参照記事2 『太陽の少年』ロケ地探訪
●シネマジャーナルHP製作者Yさんの北京旅日記(2002年)
https://surgery.matrix.jp/pics/beijing2002a/index.html
●こんな記事もみつけました!
亞細亞と キネマと 旅鴉 『太陽の少年』ロケ地案内
http://www.gangm.net/china/inTheHeatOfTheSun/index.html
文化革命時代の青年の青春ストーリーが蘇る
監督・脚本:姜文(チアン・ウェン)
出演作『芙蓉鎮』『紅いコーリャン』、監督作『鬼が来た!』
原作:王朔(ワン・シュオ)「動物凶猛」
撮影:顧長衛(クー・チャンウェイ)『紅いコーリャン』『さらばわが愛/覇王別姫』
製作総指揮 文雋(マンフレッド・ウォン)劉暁慶(リウ・シャオチン)
出演:
馬小軍(マー・シャオチュン)役 夏雨(シア・ユイ)
米蘭(ミーラン)役 寧静(ニン・チン)
劉憶苦(イクー)役 耿楽(コン・ラー)
小軍の父:王学圻(ワン・シュエチー)
小軍の母:斯琴高娃(スーチン・カオワー)
ペイペイ役 陶虹(タオ・ホン)
小軍成人役 姜文(チアン・ウェン)
カンフー先生 馮小剛(ファン・シャオカン)
『鬼が来た!』(00/カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)の姜文監督×『紅いコーリャン』『さらばわが愛/覇王別姫』の撮影監督顧長衛×ヴェネチア国際映画祭・主演男優賞の夏雨で贈る、中国発・青春映画の傑作『太陽の少年』が<4Kレストア完全版>として上映される。失われた約10分のシーンも復活。キーワードは「初恋」と「記憶」と「夏」。
1970年代、文化大革命下の北京。馬家の父親は軍の仕事で遠方に行っていて不在。息子で中学生の小軍(シャオチュン)は幼馴染の悪友たちと町を闊歩し、労働や下放で不在の家に合鍵を作って忍び込むことを繰り返していた。
ある日、シャオチュンは忍び込んだ家で赤い水着でほほ笑む少女米蘭(ミーラン)の写真を発見。彼女に憧れる。やがて彼女が家に戻った時に会うようになった。そして、彼女が仲間内で話題になっているミーランであることを知ると、仲間たちに紹介するが。シャオチュンの兄貴分の劉憶苦(イクー)がミーランと親しくなり、シャオチュンの心は騒ぐ。
物語は、シャオチュンが約20年前の1970年代の少年時代に想いを馳せる回想形式で語られる。激動の文化大革命の時代。大人の姿がまばらな北京の街を舞台に、シャオチュンたち悪ガキ仲間は自転車で走り回る。文化大革命下、こんな青春もあったと描かれ、淡い恋をノスタルジックに描きつつ、少年の凶暴なまでのエネルギーを、ユーモアを交えて描きだす。中国で公開された1996年、大ヒット。日本では1997年に公開され話題になった。
1988年秋、日本公開された『芙蓉鎮』(謝晋監督)を観て、主人公役の姜文(チアン・ウェンの演技に魅せられた私は、それ以来中国映画を観始め、2年の間に約200本の中国映画を観た。そして、『芙蓉鎮』はいろいろな上映会に通い、結局27回観た。1989年には『紅いコーリャン』(張芸謀初監督作品)が日本公開され、姜文は押しも押されぬスターになっていた。
『芙蓉鎮』を観て2週間後にはラジオで中国語講座まで始め、そして、1996年には北京語言学院に6週間の語学留学をした。その時に、運良く姜文に取材することができた。この映画の主人公を演じた夏雨君が北京の中央戯劇学院で勉強をしていて、北京電影学院に留学していた日本人の友人が知り合いだったので、彼にインタビューし、夏雨君が姜文につなげてくれて姜文にもインタビューすることができた。もちろん、この『太陽の少年』についての取材だった。インタビューの後、夏雨君はミーランが住んでいるという設定の建物まで案内してくれた。この4Kレストア完全版を観ながら、その時のことを思いだした。そして姜文インタビューの時の撮影地での右往左往も思い出した。今、思えば大胆な行動だったなあと思う。
当時は日本公開が決まっていなかったし、私はまだ観ていなかったので、この映画に対する思いを聞いた。その時の記事はシネマジャーナル本誌38号(1996年発行)に掲載されているが、現在38号の在庫はなく、この4Kレストア完全版公開に合わせて、ネットでも見ることができるようにアップしました。下記アドレスからアクセスください。
この時、姜文に次回作の構想について聞いたら、通訳の人が追い付かないくらい熱心に語っていたけど、それが『鬼が来た!』(00/カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)のことだった。突然やってきた、見ず知らずの日本のミニコミ誌の取材によく答えてくれたと思う。当時、北京に留学していた何人もの日本人の方たちにお世話になった。
この『太陽の少年』は姜文の監督デビュー作。原作者の王朔も町の実力者役でカメオ出演しているし、馮小剛監督も学校の先生役で出演している。寧静(ニン・チン)はその後の活躍が著しかったし、そのほかにも実力派の俳優たちが出演し、夏雨や少年たちを支え、この映画を重厚なものにしてくれている。約10分の未公開シーンを加えた完全版とのことだけど、どの部分がその部分なのかは、ちょっとわからなかった。観たことないシーンかなというのがいくつかあったので、そこが足された部分なのかなと思って観た(暁)。
<第51回ヴェネチア国際映画祭・主演男優賞(シア・ユイ)>
<1997年度・キネマ旬報外国映画ベストテン第2位>
■予告編
https://youtu.be/MYoxeBaDVtQ
1994/中国・香港合作/140min/カラー/ドルビーステレオ
提供:JAIHO 配給:Diggin’
公式サイト:https://heatofthesun-movie.com
*参考資料 1996年北京公開時のレポートと姜文監督、主演の夏雨君へのインタビュー記事が掲載されたシネマジャーナル本誌から、記事をアップしています。
●シネマジャーナル38号(1996) 目次
38号内記事
・北京特集
北京電影学院大学院/監督科での一年間とは&姜文インタビュー印象記
http://www.cinemajournal.net/bn/38/beijing01.html
・姜文インタビュー!
八一映画製作所にて/初監督作品『陽光燦爛的日子(太陽の少年)』について聞く
http://www.cinemajournal.net/bn/38/beijing02.html
・夏雨インタビュー 北京市内にて
『阳光灿烂的日子』(『太陽の少年』)でベネチア映画祭主演男優賞を最年少で受賞
http://www.cinemajournal.net/bn/38/beijing03.html
・北京滞在記+劉徳華のコンサートを見に香港へも行ってきましたの記
http://www.cinemajournal.net/bn/38/beijing04.html
●シネマジャーナル34号(1995) 目次
34号記事
・北京便り 『阳光灿烂的日子』北京で公開!
(1997年日本公開時のタイトルは『太陽の少年』)
http://www.cinemajournal.net/bn/34/fujioka.html
*参照記事2 『太陽の少年』ロケ地探訪
●シネマジャーナルHP製作者Yさんの北京旅日記(2002年)
https://surgery.matrix.jp/pics/beijing2002a/index.html
●こんな記事もみつけました!
亞細亞と キネマと 旅鴉 『太陽の少年』ロケ地案内
http://www.gangm.net/china/inTheHeatOfTheSun/index.html