2024年06月08日
蛇の道 原題:Le chemin du serpent
監督・脚本:黒沢 清
原案:『蛇の道』(1998年大映作品)
出演:柴咲コウ、ダミアン・ボナール、マチュー・アマルリック、グレゴワール・コラン、西島秀俊、ヴィマラ・ポンス、スリマヌ・ダジ、青木崇高
パリの病院で心療内科医として働く新島小夜子(柴咲コウ)。娘の死のショックで精神を病んだジャーナリストのアルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)と知り合い、娘を殺した犯人への復讐を手助けすることになる。とある財団が、娘マリーの殺害に絡んでいることを突き止め、小夜子とアルベールは財団の関係者を次々と拉致していく。彼らの口から思いもよらない恐ろしい真実が明らかになっていく・・・
黒沢清監督が、98 年に劇場公開された同タイトルの自作をオールフランスロケによる日仏共同製作でリメイク。セザール賞受賞歴もある撮影監督アレクシ・カヴィルシーヌはじめ『ダゲレオタイプの女』のスタッフたちが監督たっての希望で再結集。
小夜子を演じた柴咲コウは、撮影の半年前からフランス語の厳しいレッスンに臨み、現地で2ヶ月間、実際に生活をして、パリで暮らす謎多きヒロインを完璧に自分のものにしている。
『レ・ミゼラブル』(19)主演のダミアン・ボナールはじめ、マチュー・アマルリック、グレゴワール・コランなどフランスの名優たちが続々出てきて、味のある演技を見せてくれます。ずっとフランス語の場面が続く中、パリ駐在に慣れず心を病んで小夜子のもとを訪れる患者役の西島秀俊さんの登場は短いながら、ちょっと嬉しい。
日本で暮らす夫・宗一郎役の青木崇高さんは、黒沢監督の『旅のおわり世界のはじまり』(19)のウズベキスタンの撮影現場を訪ねた縁で、黒沢監督が是非にとオファー。
★ご参考『旅のおわり世界のはじまり』青木崇高さんのウズベキスタン弾丸ツアー!スペシャル映像上映付き加瀬亮さんとのトークイベント
青木崇高さんはビデオ通話の場面でしか登場しなかったと思うのですが、撮影のためにパリに飛んできてくれたそうです。
さて、復讐劇を描いた本作、柴咲コウさんの刺すような鋭い目線が、まさに「蛇の道」を象徴しているように感じました。(咲)
2024年/フランス・日本・ベルギー・ルクセンブルク/フランス語/113 分
字幕翻訳:関美冬
製作:CINEFRANCE STUDIOS KADOKAWA
配給:KADOKAWA
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/hebinomichi/
★2024年6月14日(金)全国劇場公開