2024年05月17日
ソイレント・グリーン(原題:Soylent Green)
監督:リチャード・フライシャー
原作:ハリー・ハリソン『人間がいっぱい』Make Room! Make Room! (1966)
脚本:スタンリー・R・グリーンバーグ
出演:チャールトン・ヘストン、リー・テイラー・ヤング、エドワード・G・ロビンソン、ジョセフ・コットン、チャック・コナーズ
2022年のニューヨーク。人口超過密のため人々は仕事も家も失い、雨露をしのげればとビルの階段に寝泊りしている。食料は希少で、新鮮な食べ物など望むべくもない。政府は新しく究極の栄養食という「ソイレント・グリーン」を配給し始めた。それもたっぷりではなく奪い合う有様だ。そのソイレント社の幹部の遺体が自宅で見つかった。捜査にあたった殺人課の刑事ソーンは、市民とかけ離れた豪華な暮らしぶりに驚く。
「人間ブック」こと豊富な知識を持つソル老人の協力を得て、捜査を続けるがその先はおぞましい闇に覆われていた。
チャールトン・ヘストン(1923年~2008年)が主演のこの映画は日本公開が1973年6月。半世紀も前に書かれたSF小説が原作で、技術の進歩の予想は難しかったのでしょう。電話は古いですし、パソコンこそ出てきませんが、食糧危機や電力不足、格差社会など現在を予見したような内容です。
上級国民の住む豪華なマンションには「家具」として、住人の希むサービスを提供する女性がいます。男性が未来にほしいインテリアなんでしょうか。今なら噴飯ものです。
自分の死に時を選ぶ自由だけは、階級に関わらずあるようで臨終のときは、もうなくなってしまったかつての美しい自然の映像と音楽(ベートーヴェンの田園)に包まれるというのが強烈な皮肉です。当時見てこんな未来はあってほしくないと思いましたが、さて?(白)
1973年/アメリカ/カラー/97分
配給:コピアポア・フィルム
(C)2024 WBEI.
https://soylent-green2024.com/
★2024年5月17日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開