2024年03月31日

アイアンクロー   原題:THE IRON CLAW

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© 2023 House Claw Rights LLC; Claw Film LLC; British Broadcasting Corporation. All Rights Reserved.

監督・脚本:ショーン・ダーキン
出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ

1980年初頭、プロレス界に歴史を刻んだ“鉄の爪”フォン・エリック家の物語

元AWAヘビー級王者のフリッツ・フォン・エリック(ホルト・マッキャラニー)は必殺技“アイアンクロー=鉄の爪”を生み出し一世を風靡したプロレスラー。息子たち全員をプロレスラーに育て、苛烈な競争が繰り広げられる世界で“史上最強の一家”となる野望を燃やしていた。次男ケビン(ザック・エフロン)、三男デビッド(ハリス・ディキンソン)、四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、厳格な父のもとレスラーとしての才能を開花させ、1980年代に絶頂期を迎える。しかし、デビッドが日本でのプロレスツアー中に急死。さらにフォン・エリック家は悲劇に見舞われる。すでに幼い頃に長男ジャックJr.を亡くしており、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになる・・・

スポーツ界のケネディ家と呼ばれてきたフォン・エリック家。ショーン・ダーキン監督は、イギリスで過ごしていた少年時代、何度か試合を見てファンだったフォン・エリック家の死亡事故を雑誌で知り、そのことがずっと頭の中に残っていて、それが映画として結実しました。次々に不幸に見舞われますが、めげずに一家を率いるのが、次男のケビン。長男が幼くして亡くなっているので、実質、長男としての役目を自覚して、皆に気遣う姿をザック・エフロンが体現しています。
ザック・エフロンといえば、『ヘアスプレー』(07)で初めて観た時に、いかにもアメリカの白人の美青年!と、目を引いたものです。その後、『ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』(08)、『きみがくれた未来』(2010年)など、スリムな姿で楽しませてくれました。今回は、レスラーとして驚異的な肉体改造をして、別人のよう! ほんとに、ザック・エフロン?と、何度も思いました。身体はごつくても、心優しい男で、やっぱりザック・エフロンならではの役柄でした。
最後に出て来る本物のケビン一家の写真に、「呪われた一家」の異名を吹き飛ばしてくれたと、ほっとさせられました。(咲)


2023年/アメリカ/英語/132分/カラー・モノクロ/ビスタ
字幕翻訳:稲田嵯裕里
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ 
公式サイト:http://ironclaw.jp/
★2024年4月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー


posted by sakiko at 18:46| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

毒親<ドクチン> 英題:Toxic Parents

4月6日(土)よりポレポレ東中野ほかにてロードショー公開
劇場情報

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(C)2023, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED


母からの過剰な愛に苦悩する娘の心の闇を描いた韓国発のミステリードラマ

スタッフ・キャスト
監督・脚本:キム・スイン
出演
ヘヨン:チャン・ソヒ
ユリ:カン・アンナ
イェナ:チェ・ソユン
ギボム:ユン・ジュンウォン
オ刑事:オ・テギョン

成績が優秀で優等生の高校生ユリ。そして、誰よりもユリを愛する母親ヘヨン。二人は誰が見ても完璧で理想の母娘と周囲では羨ましがられている。しかし、実はユリは母へヨンの度を過ぎた教育と執着に長年悩まされていた。ある模擬試験の当日、学校には登校せず姿を消したユリは、湖畔に止められた車から他の二人とともに遺体となって発見される。
捜査に乗り出したオ刑事は、自殺の可能性が高いとみていたが、ヘヨンは頑なに認めようとしない。逆に担当教員ギボムがユリを呼び出していたことを知ったヘヨンは、その教員とユリの友人イェナが関わっていると主張し二人を告訴する。事件を探れば探るほど徐々にヘヨンの歪んだ子供への愛が浮かび上がり、やがて衝撃の真実があらわになる。

日本では「モンスターペアレント」という言葉で広く認知されたが、韓国では現在、子供への過剰な教育や躾を強いる親の存在が、大きな社会問題となっている。本作はその名の通り子供にとって<毒なる親>というべき存在を、母親、娘、周囲の人間それぞれの視点で描きながら、息つく間もない展開で観るものを釘付けにする韓流ミステリーがここに誕生した。

HPより
「ストーリー・オブ・マーメイド」「妻の誘惑」など数々の人気ドラマに出演してきたチャン・ソヒが母ヘヨン、ドラマ「ペーパー・ハウス・コリア 統一通貨を奪え」のカン・アンナが娘ユリを演じた。「オクス駅お化け」の脚色や「覗き屋」の脚本を手がけたキム・スインが、自身の脚本で長編初メガホンをとった。

去年(2023)のあいち国際女性映画祭で上映され、キム・スイン監督と母親役のチャン・ソヒさん、ユリ役のカン・アンナさんがゲストで来場された。記者会見、映画上映後のトークでキム・スイン監督は下記のように語っている。
「毒親という言葉は韓国ではまだ新しい言葉なので、。インパクトのある言葉としてタイトルにした。そして、タイトル負けしない物語にしたいと思った。ユリの担任ギボムと毒親の父との関係も対比で描きました。
どこの国でも起こりうる親子の問題として捉えて欲しい。人間が誰かを間違った方法で愛することは、私たち全員が経験する可能性があり、今、まさに私の話かもしれない問題だからです」
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2023あいち国際女性映画祭記者会見にて
左からキム・スイン監督、チャン・ソヒさん、カン・アンナさん


この作品、去年のあいち国際女性映画祭で観たけど、母親役のチャン・ソヒの迫力ある演技に驚いた。脚本家出身のキム・スイン監督の送り出す母親のセリフは心に突き刺さる。それを受け止めるユリの心情。心が痛い。
数日前にもTVの番組で毒親のことを特集していたけど、親は子供が憎くていうのではなく子供に良かれと思っていうのだけど、子供の心を傷つけているということに気がつかない。昔から、そういう親はいたけど、昔は「教育ママ」って言ってたけど、最近は毒親っていうんだと思った(暁)。


公式HP https://dokuchin.brighthorse-film.com/#
[R-15] / 上映時間:104分 /
製作:2022年(韓国) /
配給:ミステリーピクチャーズ=シグロ
posted by akemi at 18:28| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする