2024年03月06日
アバウト・ライフ 幸せの選択肢(原題:Maybe I Do)
監督・脚本:マイケル・ジェイコブス
撮影:ティム・サーステッド
音楽:レスリー・バーバー
出演:ダイアン・キートン(グレース)、リチャード・ギア(ハワード)、スーザン・サランドン(モニカ)、エマ・ロバーツ(ミシェル)、ルーク・ブレイシー(アレン)、ウィリアム・H・メイシー(サム)
ミシェルは恋人のアレンとの結婚を望んでいるが、アレンは今の関係がいごこちいい。ミシェルは両家の親たちを会わせて話を進めたい。顔合わせに集まった親たちは仰天。互いの親たちはすでに知り合い。ミシェルの父ハワードは、アレンの母モニカと不倫関係にあり、ミシェルの母グレースとアレンの父サムは、久しぶりに胸がときめく時間を過ごしたばかりだった。とても娘や息子に本当のことは言えない。後ろめたい親たちのこれから先は?
このシチュエーション、若い人たちのドラマではありそうです。しかしこちらは70代の熟年夫婦たち。そんな~と思いますが、右往左往する親たちのドタバタが見ものです。ほんとにこんなことになったらさぞバツが悪いことでしょう。奔放なモニカは悪びれず、まだ続けたい意欲満々ですがハワードは及び腰。真面目なサムと、グレースはどうなるのと気になります。
4人の熟練俳優たちの軽妙な演技で、からリと明るいコメディ作品に仕上がっていました。ミシェル役のエマ・ロバーツは、ケリー・カニンガムの娘で、父親はエリック・ロバーツ(ジュリア・ロバーツの兄)ですが、彼は別の女性と結婚しています。母親似のエマは10歳から子役デビュー、美しく成長してすでに一児の母。(白)
結婚式を挙げて、正式な夫婦になりたいと願う女性と、法的な裏付けなどなくても、一緒にいて居心地よければいいと思っている男性・・・ 一方で、法的に長年夫婦を続けている70代の親世代は、それぞれに不倫! 離婚率の高いアメリカで、離婚しないだけマシ? と、なんともアメリカ的な物語なのですが、何よりアメリカだ~!と思ったのは、どのカップルも靴を履いたままベッドに並んで座っていたこと。 いつまでも素敵なリチャード・ギアちゃんも、もちろん靴のままベッドに足を伸ばして座ってました。服を脱ぐまで、靴も脱がないのが習慣?? 家に入る時には、必ず靴を脱ぐ私には、どうにも見ていて気になったのでした。(咲)
2023年/アメリカ/カラー/シネスコ/95分
配給:AMGエンタテインメント
(C)2023. FIFTH SEASON, LLC. All Rights Reserved.
https://aboutlife-movie.jp/
★2024年3月8日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかロードショー
DOGMAN ドッグマン(原題:Dogman)
監督・脚本:リュック・ベッソン
出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(ダグラス)、ジョージョー・T・ギッブス(エヴリン・デッカー)、クリストファー・デナム(アッカーマン)
ある夜、警察が止めたトラックに乗っていたのは女装して怪我をした男。荷台には10数匹の犬がいた。
「ドッグマン」と呼ばれるその男ダグラスは、促されるままこれまでの壮絶な半生を語った。
ダグラスは子どものころから、暴力的な父と兄に虐待され、犬の檻の中で犬たちと一緒に寝起きして大きくなった。いつしか物言わぬ犬たちと心が通じあっていく。ダグラスは犬たちと生きて行くため犯罪に手を染め、ギャング組織に狙われるようになった。
金髪碧眼のケイレブ・ランドリー・ジョーンズのクイーン姿は、妖艶でなかなか美しいです。しかしその生い立ちのから、全てをあきらめたような空気をまとっています。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは、どこか病んでいる役が似合いますが、そればかり続くのも辛いでしょう。
本作では、彼に従う賢い愛犬たちみんなに、パルム・ドッグ賞をあげたいくらいです。ことにダグラスの意図するところを理解し、見事な連係プレーを見せるのには、目が丸くなること請け合い。凄惨なストーリーなのに、いや、だからこそダグラスと犬たちの繋がりが尊いです。愛犬家はもちろん、そうでなくともジーンとしてしまうはず。(白)
2023年/フランス/カラー/シネスコ/114分
配給:クロックワークス
(C)2023. FIFTH SEASON, LLC. All Rights Reserved.
https://klockworx-v.com/dogman/
★2024年3月8日(金)新宿バルト9ほか全国順次公開