2024年03月02日
ゴールド・ボーイ
監督:金子修介
原作:紫金陳(ズー・ジンチェン)
脚本:港岳彦
撮影:柳島克己
主題歌:倖田來未「Silence」
出演:岡田将生(東昇)、黒木華(安室香)、羽村仁成(安室朝陽)、星乃あんな(上間夏月)、前出燿志(上間浩)、松井玲奈(東静)、北村一輝(打越一平)、江口洋介(東巌)
それは完全犯罪のはずだった。まさか少年たちに目撃されていたとは…。
義父母を崖から突き落とす男の姿を偶然にもカメラでとらえた少年たち。事業家の婿養子である男は、ある目的のために犯行に及んだのだ。
一方、少年たちも複雑な家庭環境による貧困や、家族関係の問題を抱えていた。
「僕達の問題さ、みんなお金さえあれば解決しない?」朝陽(13)は男を脅迫して大金を得ようと画策する。
「何をしたとしても14歳までは捕まらないよ。少年法で決まってるから」殺人犯と少年たちの二転三転する駆け引きの末に待ち受ける結末とは……。
原作は中国のベストセラー作家が書いた「坏小孩」 (悪童たち)。坏は破壊の「壊」です。主人公は悪い子どものほう。ドラマ化されて、動画サイトで大ヒットしたとか。金子修介監督&港岳彦脚本で日本を舞台に映画化したのが本作です。
夏の沖縄で、殺人事件が起こります。それも終わるまで次々と。たまたま動画を撮ってしまった少年がその犯人を脅迫し、物語は予想を超えて進んでいき、観客はふりまわされたうえ背筋が寒くなる思いをします。
白皙の青年が冷酷な殺人犯というのも怖いですが、脅迫する中学生ももっと怖い。頭はすごく回りますが、感情か倫理観が欠落しているようで不気味です。岡田将生VS羽村仁成の勝敗はいずれに?実際に中学生の星乃あんなさんが可憐で、いちずな夏月を演じて切ないです。
島国の日本、危険なところはいっぱいありますが、崖に近づくのはやめましょう。(白)
2023年/日本/カラー/シネスコ/129分
配給:東京テアトル、チームジョイ
(C)2024『ゴールド・ボーイ』製作委員会
https://gold-boy.com/
★2024年3月8日(金)ロードショー
PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~
監督:古厩智之
企画・プロデュース:広井王子
脚本:櫻井剛
撮影:下垣外純
音楽:遠藤浩二
出演:奥平大兼(郡司翔太)、鈴鹿央士(田中達郎)、山下リオ(三上桃子)、小倉史也(小西亘)、花瀬琴音(松永紗良)、三浦誠己
「全国高校【eスポーツ】大会メンバー大募集」
勧誘ポスターに興味を持った翔太は、このポスターを作った張本人で1学年先輩の達郎に連絡を取る。1チーム3人編成の<ロケットリーグ>出場をもくろむ達郎は、人数合わせとしてたまたま席が近かった亘を残り1枠にロックオン。なかば強引にYESを取り付けてチームが成立!はじめは全く息の合わなかった彼らだったが、次第に競技に魅せられ、東京での決勝戦を目指す……。
【e】はelectronicのe。コンピューターやモバイルを使ったスポーツ対戦競技のことです。本作では「車でサッカー」をするゲーム。1チーム3人で、相手チームと対戦、ゴールにボールをたたき込めば得点。翔太は1本の映画が別建てでできそうなほど、問題の多い家庭の長男です。達郎のポスターをきっかけに、現実と全く関係のないeスポーツに参加してその楽しさに目覚めていきます。
怪我でバスケをやめ、一人でeスポーツをしていた達郎は、仲間を探す気持ちになります。Vチューバーに入れ込んでいる亘は、巻き込まれて参加。3人が仲間になっていく過程を、くすっと笑えるシーンをちりばめながら見せていきます。迫力のゲーム画面では、コントローラーを握っている気分になって、展開にハラハラさせられます。最初は達郎が初心者の二人を引っ張っていきますが、翔太が上達し、亘が覚醒し、とゲーム上も盛り上がります。3人3様のキャラを演じる若手がキラキラしていました。大きな画面で手に汗握ってください。
舞台挨拶公式写真
eスポーツを扱った映画はほかに。野村周平さん主演『ALIVEHOON アライブフーン』(2022/下山天監督)、『グランツーリスモ』(2022/アメリカ・日本合作)があります。どちらもは本物そっくりの運転席で車を操るもので、勝ち上がった主人公はスカウトされて、実際のレーシングカーに乗り、レースに出場しました。(白)
2024年/日本/カラー/シネスコ/122分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2023映画「PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」製作委員会
https://happinet-phantom.com/play/
★2024年3月8日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開