2024年02月07日

テルマ&ルイーズ 4K  原題:TELMA&LOUISE

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© 1991 Metro Goldwyn Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

監督・製作:リドリー・スコット
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット

アメリカ中西部アーカンソー州。平凡な主婦のテルマ(ジーナ・デイヴィス)とダイナーでウェイトレスをしている独身のルイーズ(スーザン・サランドン)は大の仲良し。週末、ルイーズは、いつも夫に縛られているテルマを誘ってドライブ旅行に出る。途中で立ち寄ったバーで、解放感からテルマが男と踊るうち、外に連れ出されレイプされそうになる。ルイーズは咄嗟に護身用に預かっていた拳銃で男を射殺してしまう。二人の逃亡劇が始まる。国境を越えてメキシコに逃げると決意するルイーズ。恋人のジミーから金を調達し、メキシコに向かう途中で、大学生と名乗るハンサムなJD(ブラッド・ピット)を車に乗せる。二人は警察に指名手配され、地元の警察からFBIまで、州を越えて追われていることを知る。さて、無事二人は逃亡できるのか・・・

1992年、第64回アカデミー賞で6部門にノミネートされ脚本賞を受賞した作品。2016年には、半永久に保存する価値のある作品が選ばれるアメリカ国立フィルム登録簿に登録されています。今回、リドリー・スコット監督の監修のもとオリジナルネガからの4Kレストアが実現しました。
1991年10月に日本で劇場公開された折に観ているのですが、「ぶっ飛んだ女性二人の逃亡劇」としか記憶にありませんでした。ブラピの出世作だそうですが、出ていたの?という認識。すみません。(いや~若いです。)
あらためて拝見。まだ携帯電話がなくて、電話して局留めで送金を頼むなど、時代を感じさせるアイテムはあるものの、今観ても色あせない面白さ。ストーリー展開にわくわくしました。
オクラホマからテキサスを通らないでメキシコに行きたいというルイーズ。そんなことは無理なのですが、実は、テキサスでルイーズにはかつてレイプされた過去があった次第。
10代から専業主婦のテルマは、夫に縛られる生活を送ってきていて、アメリカでもそんな時代だったのだとあらためて思いました。夫に黙って旅に出るのですが、出かける時に、かつて夫から護身用に渡された拳銃を、ポンと鞄に入れます。それをルイーズに預けたのが、レイプしようとした男を撃ち殺すことになってしまい、そこからどんどん大胆な行動を起こしていきます。これまで鬱積していたものが爆発したかのように! 最後の場面が痛快です。(咲)


1991年/アメリカ/129分
配給:アンプラグド
公式サイト:https://unpfilm.com/thelma_louise/
★2024年2月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開
posted by sakiko at 22:20| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

THE WILD 修羅の拳  原題:더 와일드: 야수들의 전쟁  英題:THE WILD

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© 2023 JNC MEDIA GROUP ALL RIGHTS RESERVED

監督:キム・ボンハン 脚本:キム・ジュマン 製作:ナム・ジウン
撮影:キム・ジェソン 編集:キム・ウヒョン、キム・ヒョンソ 音楽:モク・ヨンジン
出演:パク・ソンウン、オ・デファン、オ・ダルス、チュ・ソクテ、ソ・ジヘ

ボクサーのウチョル(パク・ソンウン)は、私設の違法賭博場で試合中に相手を誤って殺してしまい、8年の懲役刑となる。模範囚として釈放され、静かに生きたいと願うが、古き友人で犯罪組織の首領ドシク(オ・デファン)から、また一緒に仕事をしようと誘われる。ドシクが用意してくれた部屋にいくと、そこにはコールガールのミョンジュ(ソ・ジヘ)がいた。その後、ウチョルはミョンジュを襲った男を殴りつける。その男は汚職刑事のジョンゴン(チュ・ソクテ)だった。ドシクが彼と取引し逮捕を免れるが、その代わりに、脱北者で構成された麻薬密売組織を仕切るガクス(オ・ダルス)を消すよう命じられる・・・

ウチョルの罪は殺人とはいえ、試合中の事故。犯罪組織とは離れて平穏に暮らしたいのに、偶然知り合った女性を助けるために、どんどん悪の世界に引きずり込まれてしまいます。
ウチョルを演じたパク・ソンウンは、優しい面立ちなのに、最近の出演作『ザ・ガーディアン/守護者』でも組織のボス役でした。多くの映画で名脇役を務めてきましたが、本作では晴れて主役。普通の人になりたいのに、なれない悲しみを顔で伝えてくれます。
出てくるだけで可笑しいオ・ダルスもいい味出してます。ボスのドシクを演じたオ・デファンは、ドラマでも調子のいい男の役が多いです。
「こんな地方都市から抜け出してソウルにいきたい」という言葉がありましたが、海辺の素敵な町。どこなのか気になりました。(咲)


2023年/韓国/韓国語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/110分
字幕翻訳:小西朋子
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx-v.com/wild/
★2024年2月16日(金) よりシネマート新宿ほか順次公開




posted by sakiko at 03:28| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フジヤマコットントン

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監督:青柳拓
撮影:青柳拓、山野目光政、野村真衣菜
音楽:みどり
出演:「みらいファーム」のみなさま

甲府盆地の真ん中にある障害福祉サービスの事業所「みらいファーム」には幅広い年代の方々が通ってくる。ラジオ体操から始まる1日、一人一人がやりたいことをする。得意分野を見つけ出してマイペースで作業し、食事をし、お喋りして笑う。1日中絵を描いてもいいし、一人で考え事にふけってもいい。寝ていても起こされたりしない。1町歩の水田で作った米は子どもたちの給食になり、花はスーパーで売られ、社会とも関わっている。ファームで過ごす人たちのそんな日常を追う。
特に綿花の種をまいて育て、収穫して糸を紡ぎ、機織りをして製品になるまでが丁寧に映される。めぐさんの織物は好評で注文が絶えない。いつもの場所、いつものスタッフと友達、安心できる居場所がここにある。

コロナ禍中、自ら配達員のアルバイトに応募、ドキュメンタリー『東京自転車節』として記録した青柳拓監督。”相模原障害者施設殺傷事件”に衝撃を受けて、植松死刑囚の言葉へのアンサーとして制作したのだそうです。自転車節では一人でしたが、今回は対象の人数が多いので、応援を頼んでカメラマン3人での撮影。監督のお母さんがこちらの職員だったことから、子どものころからよく訪ねて入所者の方々に遊んでもらっていたとか。なじみのある方々なので、よけいほっこりとした雰囲気が出たのかもしれません。
それぞれのやり方、スピードで作業にいそしみながら仲間と結婚や恋愛の話もしています。ポツンともらす一言、二言にハッと胸をつかれました。こういう場所が日本中にあってほしいです。(白)


2023年/日本/カラー/95分
配給:ノンデライコ
(C)nondelaico/mizuguchiya film
http://fujiyama-cottonton.com/
★2024年2月10日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 02:23| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする