2024年02月04日

風よ あらしよ 劇場版

2024年2月9日(金)より 新宿ピカデリーほか全国順次公開 劇場情報 

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(C)風よ あらしよ 2024

100年前、自由を求め闘った伊藤野枝の生涯

演出:柳川 強
脚本:矢島弘一
音楽:梶浦由記
制作統括:岡本幸江
原作:村山由佳『風よ あらしよ』(集英社文庫刊)
出演
吉高由里子 永山瑛太 松下奈緒
美波 玉置玲央 山田真歩 朝加真由美 山下容莉枝
渡辺哲 栗田桃子 高畑こと美 金井勇太 芹澤興人 前原滉 池津祥子
音尾琢真  石橋蓮司  稲垣吾郎

2022年にNHKで放送された特集ドラマ「風よ あらしよ」の劇場版。
100年前、筆の力で結婚制度や社会道徳に異議を申し立てた女性伊藤野枝。関東大震災後(1923年、大正12年)の混乱のなか憲兵に虐殺された野枝の波乱に満ちた生涯を描く。

「女は、家にあっては父に従い、嫁しては夫に従い、夫が死んだあとは子に従う」が女の生きる道とされた大正時代。1895年(明治28年)1月21日福岡で産まれた伊藤野枝(吉高由里子)は、貧しい家を支えるための結婚を断り上京。平塚らいてう(松下奈緒)の「元始、女性は太陽であった」という言葉に感銘を受け、手紙を送ったところ、「青鞜」に参加することになり、男女差別や結婚制度、社会道徳に異議をとなえ、社会的矛盾を青鞜に綴るようになった。婦人解放を唱え闘う野枝と青鞜社の仲間たち。
野枝の文才を見出した最初の夫辻潤(稲垣吾郎)、その後パートナーになった無政府主義者の大杉栄(永山瑛太)との出会い。何人もの子供たち。
これからという28歳の時に関東大震災が起こり、その混乱の最中、朝鮮人や社会運動家たちが殺されたが、大杉栄と伊藤野枝も1923年(大正12年9月16日)憲兵大尉の甘粕正彦らの手によって殺害された。
演出は吉高主演のNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」も手がけた柳川強。


本作を観て思い出したのが、『金子文子と朴烈(パクヨル)』
関東大震災発生後、ほどなくして朝鮮人アナキストの朴烈と共に、治安警察法違反容疑で起訴された金子文子。無政府主義者として朴烈と共に国家権力に対して闘い、「何が私をこうさせたか -獄中手記」という自伝や記事から文才に溢れた女性であったことがわかります。伊藤野枝もまた、筆の力で社会の矛盾を語り、女性解放を訴えた女性。映画の最後に映ったご本人はどこにそんな力を秘めていたのかと思う雰囲気の可憐な方。
100年前に、こうした勇気ある活動をした女性たちがいて、その積み重ねで今があることを忘れてはならないと思います。まだまだ日本の女性の置かれた立場は満足のいくものではないのに、彼女たちのように声をあげる人が少ないようにも思えます。
それにしても、大震災後の混乱に乗じて無政府主義者や社会主義者というだけで虐殺された人たちがいたことに胸が痛みます。多くの朝鮮人が犠牲になったこととあわせて、忘れてはならない歴史です。(咲)


公式HP https://www.kazearashi.jp/
2023年製作/127分/G/日本
製作・配給:太秦 映像提供:NHK
posted by akemi at 20:40| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

レディ加賀

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監督:雑賀俊朗
脚本:渡辺典子 雑賀俊朗
撮影:百足尚浩
音楽:田渕夏海
主題歌:眉村ちあき「バケモン」
出演:小芝風花(樋口由香)、松田るか(石崎あゆみ)、青木瞭(松村康平)、中村静香(星野麻衣)、八木アリサ(カトリーヌ)、奈月セナ
(秋山美希)、佐藤藍子(白石朋子)、森崎ウィン(花澤譲治)、檀れい(樋口春美)

樋口由香は、加賀温泉にある老舗旅館「ひぐち」の一人娘。しかし稼業の旅館を継がず、小学生のときに魅了されたタップダンサーを目指し、一人上京していた。現実は思うようには運ばず、夢破れて実家に戻って来る。母はそんな娘に厳しくのぞみ、一から女将修行を始めさせる。不器用な由香は失敗続きだったが、旧友たちの励ましも受けくじけずに日々頑張っていた。
そんなときに加賀温泉を盛り上げるためのプロジェクトが発足した。自称天才プランナーの花澤譲治が由香のダンスに目を止める。あきらめたタップダンスをふるさとで生かせる!由香は若女将たちを集めてタップダンスの特訓を始めたが……。

旅館の女将たちによる「レディー・カガ」は10年前に発足した、ほんとにあるプロモーションチーム。加賀温泉を盛り上げる為に結成されたものです。これに着想を得て企画されたのが本作。小芝風花さんの真剣なタップダンスのシーンにご注目ください。撮影9か月前から練習を始めたという成果が表れています。若女将たちがズラリと並んで、色とりどりの着物にモップを手に踊る和風タップダンスも華やかな見どころです。由香の母役の檀れいさんの凛とした女将姿も素敵。
元旦の地震で大きな被害の出た能登地区。同じ石川県の加賀温泉郷も建物にいくらか被害はあったそうですが、現在は通常営業に戻っています。観光客が戻ることも応援の一つ、旅好き、温泉好きな方は映画を観て、それからお出かけください。暖かな「おもてなし」が待っています。(白)

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◎配給収入の一部(5%)を義援金として石川県に寄付します、と発表。

2024年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:アークエンタテインメント
(C)映画「レディ加賀」製作委員会
https://ladykaga-movie.com/
https://twitter.com/ladykaga_movie
https://www.instagram.com/ladykaga_movie/
★2024年2月9日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー

posted by shiraishi at 20:36| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

身代わり忠臣蔵

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監督:河合勇人
原作:土橋章宏「身代わり忠臣蔵」(幻冬舎文庫)
脚本:土橋章宏
音楽:海田庄吾
テーマ曲:東京スカパラダイス・オーケストラ テーマ曲 「The Last Ninja」(cutting edge / JUSTA RECORD)
出演:ムロツヨシ(吉良上野介/孝証)、永山瑛太(大石内蔵助)、川口春奈(桔梗)、林遣都(斎藤宮内)、北村一輝(徳川綱吉)、筧一郎(清水一学)、森崎ウィン(堀部安兵衛)、本多力(堀江半右衛門)、野波麻帆 ( りく)、尾上右近 (浅野内匠頭)、柄本明 (柳沢吉保)

嫌われ者の殿・吉良上野介は赤穂藩主 浅野内匠頭にいけずをしたうえ悪口雑言をあびせて、ブチ切れた内匠頭は思わず刀を抜いてしまった。江戸城内で刃傷沙汰はご法度。赤穂藩主は当然切腹、赤穂藩はお取りつぶしとなる。だが、吉良上野介も実は死んでしまっていて、殿を失った吉良家もお家存亡の危機に瀕していた。まだ生きているように見せかけながら、上野介にそっくりな弟の坊主・孝証(たかあき)が密かに身代わりとなる。孝証は、衣食住安心なうえ一目ぼれした桔梗のそばにいられることだし、と渋々引き受けることに。さらに、敵だったはずの赤穂藩家老・大石内蔵助と出逢って意気投合し、2人は共謀して討ち入りを阻止しようと…!?

あまりにも有名なこの事件を大胆に脚色、コメディ小説に書き換えたのは土橋章宏氏。『超高速参勤交代』は第38回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞しています。2014年に映画化され、藩主役の佐々木蔵之介さんが走りに走りました。ご苦労を思いながらも大笑いしましたっけ。
ムロツヨシさんが真逆な二人を演じ分け、うまい俳優さんなんだと再認識。瑛太さん、遣都さんもこれまでとは違う顔を観た気がします。北村一輝さんの繋がり眉の家光にも吹き出しました。そういえば森崎ウィンさんは大河ドラマでこの前の第2代将軍秀忠を演じたのでした。ここでは熱血漢の堀部安兵衛。生粋のミャンマー人ですが全く違和感ありません。みんなアジア人ですものね。
豪華な布陣のコメディをまとめあげたのは、『総理の夫』『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』などの河合勇人監督。ちょっと変わった設定で笑える作品が多いですね。2007年台湾のジェイ・チョウが監督・出演した『言えない秘密』のリメイクも手掛け、今年公開になるようです。
お正月から暗い話題が続きましたが、この作品をお楽しみください。口八丁手八丁の身代わりが成功するや否や?!(白)


2024年/日本/カラー/119分
配給:東映
(C)2024「身代わり忠臣蔵」製作委員会
https://migawari-movie.jp/
★2024年2月9日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 20:35| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Firebird ファイアバード   原題:Firebird

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(C)FIREBIRD PRODUCTION LIMITED MMXXI. ALL RIGHTS RESERVED / ReallyLikeFilms

監督・脚色ペーテル・レバネ 
共同脚色 : トム・プライヤー、セルゲイ・フェティソフ 
原作 : セルゲイ・フェティソフ 
出演 : トム・プライヤー、オレグ・ザゴロドニー、ダイアナ・ポザルスカヤ

1977年、ソ連占領下のエストニアの空軍基地。間もなく兵役を終える二等兵セルゲイ(トム・プライヤー)の夢はモスクワで役者になることだ。そんなある日、パイロット将校のロマン(オレグ・ザゴロドニー)が着任し、セルゲイは部屋への案内係を担う。ロマンのカメラで一緒に写真を撮り、ロマンの部屋で現像する。チャイコフスキーを聴きながら、写真や演劇など共通の趣味で話がはずみ、「仕事を命じたことにするから泊まっていけ」と言われる。やがて二人の友情は愛へと変わっていく。当時のソ連では同性愛はタブーで、発覚すれば罪に問われる。一方、セルゲイの同僚で友人の女性将校ルイーザ(ダイアナ・ポザルスカヤ)も、秘書としてロマンに仕えるうちに彼に思いを寄せるようになっていた。そんな折、セルゲイとロマンの関係を怪しむクズネツォフ大佐は、二人の身辺調査を始める・・・

※ファイアバード  火・熱・太陽の象徴である“火の鳥(ファイアバード)”には、永遠の命と大きな愛の力が宿っている。しかしその圧倒的な強さ ゆえ、触れると火傷をすることもある。


同性愛が厳罰に処されるソ連、しかも、さらに規律の厳しい軍の中で、自分の気持ちに忠実であろうとする男たちの思いが、切々と伝わる物語。実は、役者になる夢を叶えたセルゲイ・フェティソフが、自ら綴った回想録「ロマンについての物語」がペーテル・レバネ監督の手にわたったことから、この映画は出来上がったとのこと。初長編映画の題材を探していたレバネ監督は、読んですぐに本作の映画化を決め、2014年には、俳優のトム・プライヤーと共にセルゲイ・フェティソフにインタビューを重ね、3人の共作で脚本を完成。ところが、2017年、セルゲイが65歳の若さで急逝。セルゲイへの追悼の思いを胸に、レバネ監督とトム・プライヤーが執念で完成させた映画。
このところ同性愛を描いた作品が多くて、またか・・・と思ったのですが、驚くべき実話がベースになっていて、胸に迫りました。セルゲイの同僚であり友人でもある女性ルイーザを巻き込んでの、あの時代だったからこその微妙な三角関係が切ないです。
トム・プライヤーもオレグ・ザゴロドニーも美男ですが、レバネ監督も負けず劣らずの美男! 公開にあわせて3人が来日とのこと。楽しみです。(咲)



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『Firebird ファイアバード』初日舞台挨拶

Facebook アルバム 『Firebird ファイアバード』初日舞台挨拶
2月9日(金)@新宿ピカデリー

ペーテル・レバネ監督、主演トム・プライヤー&オレグ・ザゴロドニー
緊急来日舞台挨拶のスケジュール

詳細は各劇場公式サイトでご確認ください。

新宿ピカデリー
横浜ジャック&ベティ
名古屋ミッドランドスクエアシネマ
なんばパークスシネマ
MOVIX京都


2021年/イギリス・エストニア/英語・ロシア語/107分/5.1ch/DCP & Blu-ray
日本語字幕 : 大沢晴美
配給:リアリーライクフィルムズ
公式サイト:https://www.reallylikefilms.com/firebird
★2024年2月9日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開

posted by sakiko at 19:16| Comment(0) | エストニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

梟ーフクロウー 原題:올빼미(フクロウ) 英題:The Night Owl

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(C)2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & C-JES ENTERTAINMENT & CINEMA DAM DAM. All Rights Reserved.

監督:アン・テジン
出演:リュ・ジュンヨル、ユ・ヘジン

朝鮮王朝時代の記録物「仁祖実録」(1645年)に記された‟怪奇の死“にまつわる謎に迫る

盲目の天才鍼師ギョンス(リュ・ジュニョル)は、才能を認められ宮殿に入るが、病の弟を救うため、誰にも言えない秘密を抱えていた。折しも、清国の人質となっていた世子(キム・ソンチョル)が、清の王に連れられて8年ぶりに帰国する。世子は父である国王・仁祖(ユ・ヘジン)に清と親しくすることが生きる道と進言するが、仁祖は「世子は心の病」と一蹴する。
ある夜、当直だったギョンスは、世子の死に至る現場を「目撃」してしまう。見て見ぬふりをしなければ弟に危険が迫るが、親の顔を見ないで8年を過ごした世子の息子の為にも真相を明かしたいとギョンスは死闘する・・・

闇の中では、かすかに見ることができるギョンスが見たものとは?
清の属国になりさがりたくない国王・仁祖を演じたユ・ヘジンの鬼気迫る姿に圧倒されます。
盲目のギョンスは、暗闇の中で、どこまで見えるのか・・・
真相が明かされていく様に、ぞくぞくさせられました。
本作が長編デビュー作とは思えない、重厚な作品。(咲)



2023 第59回 百想芸術大賞 作品賞、新人監督賞、男子最優秀演技賞(リュ・ジュニョル)
2023 第43回 韓国映画評論家協会賞 新人監督賞、男優主演賞(リュ・ジュニョル)、撮影賞
2023 第43回 黄金撮影賞授賞式 最優秀作品賞、監督賞、撮影賞 金賞
最優秀男優主演賞(リュ・ジュニョル)、最優秀助演男優賞(チェ・ムソン)、照明賞
2023 第59回 大鐘賞映画祭 新人監督賞、脚本賞、編集賞
2023 第44回 青龍映画賞 新人監督賞、撮影照明賞、編集賞
2023 第28回 春史国際映画祭 主演男優賞(リュ・ジュニョル)、新人男優賞(キム・ソンチョル)、新人監督賞、脚本賞
2023 第10回 韓国映画制作家協会賞 脚本賞、編集賞、音響賞(パク・ヨンギ)


2022年/韓国/118分
日本語字幕:根本理恵.
配給:ショウゲート
公式サイト:http://fukurou-movie.com/
★2024年2月9日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開




posted by sakiko at 19:01| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ デジタルリマスター 原題:Reggae Sunsplash

劇場公開 2024年2月9日  劇場情報
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(C)2022 Stefan Paul All Rights Reserved

ボブ・マーリー、母国ジャマイカでの伝説のラストライブがスクリーンに蘇る

監督:ステファン・ポール
製作:ステファン・パウル
撮影:ライナー・ハインツェルマン ハンス・シャルク
編集:ヒルデガルト・シュローダー
出演:ボブ・マーリー、ピーター・トッシュ、バーニング・スピア

カリブ海の島ジャマイカで生まれたレゲエ・ミュージック。貧困、戦争、差別と闘い、平和を願って歌われたレゲエ。70年代、レゲエはロック界に大きな衝撃を与え、クラプトンやストーンズ等、様々なミュージシャンに大きな影響を及ぼした。また、英国のパンク・ムーブメントとも共鳴し合い、鬱屈した当時の若者達を巻き込み世界に広がった。ボブ・マーリーはそのカリスマだった。

これは、1979年7月、ジャマイカで開催された第2回レゲエ・サンスプラッシュの模様を収録したライブ・ドキュメンタリー。1981年、36歳の若さでこの世を去ったボブ・マーリーの母国ジャマイカでのラストライブを映像化した。その熱狂を追体験できる。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの圧巻のパフォーマンスが蘇る。ピーター・トッシュ、バーニング・スピア、サード・ワールドのパフォーマンスも。ライブの中でボブ・マーリーが、背中に「一番」と書かれた日本の火消しの半纏を羽織って歌うシーンが出てくる。同年4月に最初で最後の来日公演があったそうだけど、その時にゲットしたものかな。ファンからのプレゼントかも

アフリカへの回帰運動を掲げるラスタファリアニズムの象徴としてのボブ・マーリー。ドレッドヘア、ガンジャ(大麻)、赤・黄・緑・黒のラスタカラー。貴重なインタビュー映像からは、差別を嫌い、平和を願うボブのメッセージが語られる。またあの時代のジャマイカのスラム街のカラフルで雑多な街並み、雑然とした風景が映し出され、ジャマイカの社会を垣間見ることができる。45年前のジャマイカ、そして熱狂のライブがおこなわれたモンテゴ・ベイ、ジャレット・パークへようこそ。“反逆”のカリスマとなって、多くのミュージシャンに影響を与えたボブ・マーリーの姿が蘇る。
1994年8月1日、日本初公開。その映像がデジタルリマスター版でリバイバル公開される。

公式HP https://bob-marley-movie.com/
1980年製作/109分/PG12/西ドイツ・ジャマイカ合作
配給:アルバトロス・フィルム
posted by akemi at 18:16| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

罪と悪

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監督・脚本:齊藤勇起
撮影:大西健之
音楽:Teje、Yehezkel Raz
出演:高良健吾(阪本 春)、大東駿介(吉⽥ 晃)、石田卓也(朝倉 朔)、村上 淳(清水)、佐藤浩市(笠原)、椎名桔平(佐藤)

14歳の正樹の遺体が川で見つかった。春、晃、朔はある男を「犯人」と断定し、家に押しかけ。もみあったはずみで死なせてしまった。家に火をつけ、一人が罪をかぶって事件は終わる。20年後、それぞれの道を進んだ3人は再会する。春は街の不良少年たちの面倒を見、晃は父親と同じ警察官になっていた。朔は実家の農業を継いでいた。
しばらくして、同じ川にまた少年の遺体があった。3人の記憶の奥底にしまっていたはずの事件が、形を持って現れる。いったい真実はどこにあったのか。これから見つけることができるのか?

そうそうたる監督の助監督をつとめてきた齊藤勇起監督、脚本も監督オリジナルの長編映画。これが監督デビュー作?と驚きました。地方の小さな街で起こる殺人事件。少年時代の触れられたくなかった傷があらわになり、真実に近づいて行くまで緊迫したシーンが続きます。このラストでよかったのか、と監督が逡巡したようすがうかがえました。
中学生役の少年たちは、あまり見知った俳優さんでないことが功を奏していますし、長じての高良健吾さん大東駿介さんの再会場面は、懐かしさだけではなく、互いを探ろうとする思惑もあっての対峙のシーンです。『ハリヨの夏』の白シャツの少年がこんな俳優さんになったとは。石田卓也さん久しぶりの映画復帰だそうです、見違えました。(白)


2024年/日本/カラー/シネスコ/115分
配給:ナカチカピクチャーズ
(C)2023「罪と悪」製作委員会
https://tsumitoaku-movie.com/#
★2024年2月2日(金)全国公開中
posted by shiraishi at 00:23| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする