2023年12月31日
ただ空高く舞え 原題:Soorarai Pottru(勇者に敬礼)
監督:スダー・コーングラー(『最終ラウンド』)
脚本:スダー・コーングラー他
翻案:G.R.ゴーピナート著「Simply Fly: A Deccan Odyssey」
制作:スーリヤ(『24』『Mr.ハンサム-Perazhagan』『NGK』『ジャイ・ビーム-万歳ビームラーオ -Jai Bhim』、ジョーティカー(『チャンドラムキ-Chandramukhi』)
撮影:N・ボンミレッディ
音楽:G・V・プラカーシュ・クマール
編集:サテーシュ・S
出演:スーリヤ、アパルナー・バーラムラリ(『響け!情熱のムリガンダム-Sarvam Thaala Mayam』)
庶民を1ルピーで空を飛ばせてみせる!
インド初の格安航空会社「エア・デカン」の創設者G・R・ゴーピナート大尉著「Simply Fly: A Deccan Odyssey」に基づく物語。
教師の父に逆らい防衛学校に入り空軍士官となったネドゥマーラン。父危篤の知らせを受け、空港に行くがファーストクラスしか席がなく、お金が足りず、仕方なく陸路で故郷に向かうが、死に目どころか葬儀にさえ間に合わなかった。これを機に、ネドゥマーランは空軍の同期生セビーとチェの3人で、庶民でも乗れる格安航空会社「デカン航空」を創る決意をする。計画が軌道に乗り始め、ネドゥマーランはパン屋を営むボンミと結婚する。ネドゥマーランが“ヒーロー”と仰ぐジャズ航空の創設者パレーシュに共同経営を持ちかけるが、飛行機は富裕層のものと断られ、さらにあの手この手で邪魔をされる・・・
金策に行き詰った時、遠慮がちに妻にお金を貸してくれと頼むのですが、妻のボンミは頼まれた以上のお金を出してくれます。村の人たちもこぞってお金を提供すると申し出てくれて、なんとか開業にこぎつけます。初フライトには、母と妻と娘も乗せて安全を保障。母の手には父の写真・・・ 起業家の話ですが、家族の物語にもなっていて、ほろりとさせられます。女性監督らしい細やかな演出を感じます。妻のボンミが自立している女性なのも素敵です。機内食も、妻の経営するパン屋から調達!
掃除婦さんやオートリキシャ運転手さんのような人達でも乗れるようにと、ほんとに1ルピーの席も用意したそうです。その仕組みは、どうぞ映画をご覧ください。(咲)
2020年/インド/タミル語/150分/シネスコ/5.1ch
配給:インド映画同好会
公式サイト:http://idemovie.org X:@indoeigadokokai
★2024年1月6日(土)より新宿K’s cinema他全国順次公開
☆『ヴィクラムとヴェーダ ヒンディ語版』同時期公開
ヴィクラムとヴェーダ 原題:Vikram Vedha
監督/脚本:ブシュカル&ガーヤトリ(『ヴィクラムとヴェーダー』タミル語版)
制作:S・シャシカーント他
撮影:P・S・ヴィノード
音楽:サム・C・S
編集:リチャード・ケヴィン・A
出演:リティク・ローシャン(『WARウォー!!』『バンバン!』)、サイフ・アリー・カーン(『エージェント・ヴィノッド最強のスパイ』)
2017年に大ヒットしたタミル語映画『ヴィクラムとヴェーダー』の監督自身によるヒンディー語リメイク (タミル語版はヴェーダー、ヒンディー語版はヴェーダ)
古都ラクナウ。優秀な警視ヴィクラムは、同僚の警視アッバースと共に、悪党ヴェーダを標的にして、偽装襲撃(エンカウンター・キリング。司法に因らず、警察が容疑者を殺害する行為)に血道を上げている。ところが、ヴェーダが自首してきて、ヴィクラムに13年前のことを話し出す。当時カーンプルを支配するギャングの親玉の新米部下だったヴィクラム。溺愛する弟シャタクが、因縁をつけられ手に鉄串を刺され、ヴェーダは復讐に乗り出した。ここでヴェーダはヴィクラムに問う。シャタクに鉄串を刺した実行犯を罰するべきか、指令を出したボスを罰するべきかと。
ヴェーダは古くから伝承されたインドの説話集「屍鬼二十五話」を基にしながら「善と悪」「善と悪の境界線」を語り続け、最後にヴィクラムは我を忘れるほど驚愕する・・・
ヴィクラム警視の妻プリヤーはよりによってヴェーダの担当弁護士で、ヴェーダを保釈します。ヴェーダの行方を知りたいヴィクラムは妻の通話を盗聴。仕事を家庭に持ち込まないでと、家の外で仕事の話をする二人。プリヤーは、ヴェーダを探すならと、「ニハーリーとクルチャー」を出す料理屋をヒントに出します。ニハーリーは北インドからパキスタンにかけて作られるお肉のシチュー。クルチャーはパンの一種。クルチャーを3回ニハーリーにつけて食べるのが流儀と映画の中で食しています。
プリヤーはなかなかのやり手弁護士ですが、ゥ゙ェーダの弟シャタクの恋人チャンダーもまた利発な女性。事件に絡んできます。
いったい誰が悪人なのか・・・ よ~く注意して観ていないと、話がこんがらがりますが、あまり細かいことは気にせず、リティク・ローシャン演じるヴィクラム警視とサイフ・アリー・カーン演じるヴェーダの会話、そして、魅力的な女性たちに注目して楽しんでください。 ラクナウの町の風情も味わえます。(咲)
2022年/インド/ヒンディー語/157分/シネスコ/5.1ch
配給:インド映画同好会
公式サイト:http://idemovie.org X:@indoeigadokokai
★2024年1月6日(土)より新宿K’s cinema他全国順次公開
☆『ただ空高く舞え』同時期公開