2023年12月29日
彼方のうた
監督・脚本:杉田協士
撮影:飯岡幸子
音楽:スカンク/SKANK
出演:小川あん(春)、中村優子(雪子)、眞島秀和(剛)、
書店員の春は駅前のベンチに座っていた雪子に道を尋ねるふりをして声をかける。春は雪子の顔に見える悲しみを見過ごせずにいた。一方で春は剛の後をつけながら、その様子を確かめる日々を過ごしていた。春にはかつてこどもだった頃、街中で見かけた雪子や剛に声をかけた過去があった。春の行動に気づいていた剛が春の職場に現れることで、また、春自身がふたたび雪子に声をかけたことで、それぞれの関係が動き出す。春は二人と過ごす日々の中で、自分自身が抱えている母親への思い、悲しみの気持ちと向き合っていく。
『ひとつの歌』『ひかりのうた』『春原さんのうた』につづく杉田協士監督の新作。これまでの作品同様、3人の登場人物は多くを語りません。最少の言葉で、伝えあいます。時間がゆったり流れていて、小さな感情のゆらぎにさえ反応できる静けさがありました。思いやりがひたひたとしみてきます。語彙力が足りない・・・
過剰な情報にさらされている今日この頃、ほったらかしだった想像力と創造力を使います。考えるな、感じろ!とリー様に言われそうな。(白)
2023年/日本/カラー/スタンダード/84分
配給:イハフィルムズ
(C)2023 Nekojarashi Inc.
https://kanatanouta.com/
★2023年1月5日(金)よりポレポレ東中野、渋谷シネクイント、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
Web3時代のメディア配信プラットフォームRoadsteadにて、独占配信予定!
マイ・ハート・パピー 原題:멍뭉이(モンムンイ) 英題:My♡Puppy
監督:キム・ジュファン『ミッドナイト・ランナー』)
出演:ユ・ヨンソク(『ニューイヤー・ブルース』)、チャ・テヒョン(『猟奇的な彼女』『神と共に 第一章 罪と罰』)、チョン・インソン(「ウラチャチャ My Love」)、パク・ジンジュ『サニー 永遠の仲間たち』)、キム・ユジョン(「雲が描いた月明かり」)、イ・ホジョン(『ミッドナイト・ランナー』)、ウ・ドファン(『ディヴァイン・フューリー/使者』)
出版社に勤めるミンスは、退社時間になると飛び出し、愛犬ルーニーの待つ家に帰る毎日だ。ある日、ルーニーとの散歩はお預けにして、身なりを整えて出かける。台湾旅行で知り合って1000日目のソンギョンにプロポーズ。無事OKを貰えるが、実は彼女が犬アレルギーだと知る。ルーニーを信頼できる人に預けるしかないと、従兄のジングクに相談する。ジングクは夢だったカフェを借金してオープンしたもののつぶれてしまい、時間はあるからと一緒にルーニーの里親を探す旅に出る・・・
里親探しの旅で出会う人たちを演じているのが、韓国映画やドラマでお馴染みの人たち。ネットでルーニーそっくりの犬を飼っている少女を見つけて訪ねるのですが、少女のパパ役はリュ・スヨン! 坡州に住む叔父は、カン・シニル。叔父はボストンに住む娘のところに行かなければならなくなったと、飼っている犬のレイを逆に預かってほしいと頼まれてしまいます。さらに二人は道中で生まれたばかりの5匹の捨て犬を見捨てられず、道連れに。済州島で保護犬をたくさん引き取っているお嬢様がいると知って、木浦港からフェリーで済州へ・・・
ルーニーの里親を見つけるどころか、どんどん増えてしまうワンちゃんたち。従兄ジングクを演じているのが、チャ・テヒョンなので、笑える映画なのは予想していましたが、ありえない展開! 原題「멍뭉이(モンムンイ)」は、ワンちゃんという意味だそうです。犬好きにはたまらない映画でしょう。
ミンスの彼女ソンギョンは、犬が嫌いなわけじゃなくて、親ゆずりの犬アレルギー。最後は、ハッピーな解決策で終わります。な~んだ、それなら里親を探す必要はなかったじゃないかと言ってしまっては元も子もありません。思わぬ出演者と共に韓国各地の景色もどうぞ楽しんでください。(咲)
2023年/韓国/韓国語/5.1ch/113分
字幕翻訳:蔡七美
配給:AMGエンタテインメント
公式サイト:https://myheartpuppy.jp/
★2024年1月2日(火)シネマート新宿ほか全国順次公開