2023年12月21日

赤い糸 輪廻のひみつ(原題:月老 Till We Meet Again)

akaiito.jpg

監督・原作・脚本:ギデンズ・コー
出演:クー・チェンドン(シャオルン)、ビビアン・ソン(シャオミー)、ワン・ジン(ピンキー)、マー・ジーシアン(鬼頭成グイトウチェン)

シャオルンは雷に打たれて若死にしてしまい、冥界にやってきた。生前の記憶が抜け落ちて、何も思い出せない。人間に生まれ変わるには、徳を積まねばならない。やはり不慮の死をとげたピンキーとペアになり「月老(ユエラオ)」として、現世の恋人たちの縁結びをすることになった。赤い糸を二人の指に結ぶと、運命の恋に落ちる。腕輪の玉が全部白に変わるように、シャオルンとピンキーは頑張っていた。
ある日、シャオルンのもとに駆けてきた一匹の犬を見て、小学生のころから飼っていたアルーだとわかった。そして幼馴染みのシャオミンとの約束を思い出す。

『あの頃、君を追いかけた』(2011)で日本でもファンを増やしたギデンズ・コー監督作品。当時高校生のコートンを演じて最優秀新人俳優賞を受賞したクー・チェンドン(柯震東)と再びのタッグです。
冥界の受付は旧式のパソコンを使っていて、魂が転生を繰り返すたびに記録が残り、古い記録は木や竹に書かれて山積みになって膨大です。効率が悪そう。ちょっと覗きたくなる舞台美術でした。「月老(ユエラオ)」は高校の制服のようなスタイルなので、みんな若く見えて青春映画の様相となっています。日本のホラー映画を思い出すキャラも登場します。迫力ある鬼頭成(グイトウチェン)のバトルがちょっと怖い。喜怒哀楽全部入りで賑やかな作品です。
TIFFで上映された『ミス・シャンプー』(2023)もギデンズ・コー&クー・チェンドンの新作ですが、ダニエル・ホンとビビアン・ソンが主演。そちらはNetflix配信になりました。(白)


「純愛冥界ファンタジー」と名打っているけど、「冥界もの」は台湾では今ブームなのかな? 台湾でヒットして、この夏(2023)日本でも公開された『僕と幽霊が家族になった件』も亡くなった人との結婚(冥婚)を描いた作品だった。こちらは爆笑コメディだけど、最後はホロリという内容だった。
そして『赤い糸 輪廻のひみつ』は、亡くなった人が徳を積むことで再び人間に生まれ変わることもできるという話の元、縁結びの神職として、仲間とともに現世で人の縁を繋ぐ役目を果たすためバトル(笑)が展開される。それにしてもギデンズ・コーの作品は奇天烈な発想が多い。手首の数珠に白珠と黒珠がミックスであって、白珠の数が多いのは生前の善行が多く、その数により何に転生するかが決められるという。そういう発想ほか、人と人との縁をつなぐのに「赤い糸」が使われ、人と人を赤い糸で結んで白珠を増やすと、徳を積むということらしい。そしていろいろなことが、走馬灯のように目まぐるしく物事が進みすぎ、私にはちょっとついていけない部分もあった(笑)。輪廻転生をモチーフにした摩訶不思議なストーリーは、中華圏お得意の冥界ファンタジー!!(暁)

2021年/台湾/カラー/シネスコ/128分
配給:台湾映画社、台湾映画同好会
(C)2023 MACHI XCELSIOR STUDIOS ALL RIGHTS RESERVED.
https://taiwanfilm.net/yuelao/
★2023年12月22日(金)シネマート新宿・シネマート心斎橋 他にて公開

posted by shiraishi at 01:46| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする