2023年12月03日

他人と一緒に住むという事

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監督・脚本・編集:八木橋努
撮影:石井康幸
出演:森田コウ(大槻)、芦那すみれ(リコ)、山下剛史(剛)、若松朋茂(信治)、裕紀yuki(舞子)、橋本利明(岩淵)

剛はいまだ目の出ない売れない役者。それでも妥協したくないという矜持は髪の長さに現れている。恋人のコウは美容師で、幼馴染の信治と同居しているのが、剛には面白くない。かくいう剛も中年の先輩の岩淵を断り切れず、居候させている。剛は意を決して二人を追い出し、コウと同棲しようとする。
大槻はソーラーパネルの事業であてて、裕福になった。26歳も年下の若い女性と再婚したが、仕事を理由に引っ越してこない。別荘を買って気を引いてみるが、帰宅時間は遅いわ、外泊をするわと大槻が夢見た生活とは程遠い。

「他人と一緒に住むこと」であぶり出されてくるのはお互いの欲望と本心。登場人物がまあ、一緒に住みたくない人ばかりで、中でも厚かましい先輩の岩淵が一番。人を頼って転々と住処を変えても、全く悪びれる様子がありません。舞子も同じくらい不思議な人なので、この二人の絡みには笑ってしまいました。住むところをめぐって何人もの人が、一緒になったり離れたりします。
人物やセリフが面白く最後までひきつけられました。観終わってあの人たちは今どうしているのだろう、とつい思ってしまいました。劇中の人たちなのに。
八木橋努監督が2015年に脚本を書き、演出した舞台劇を映画化したものと知って納得。(白)


2021年/日本/カラー/ビスタ/106分
配給:群像
https://livingwithothers.com/
★2023年12月2日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー中
posted by shiraishi at 01:02| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする