2022年08月16日
WKW 4K ウォン・カーウァイ 4K
第53回カンヌ国際映画祭にてトニー・レオンが主演男優賞を獲得し、ウォン・カーウァイ監督の代表作となった『花様年華』(2000)。その制作20周年を記念し、監督自らの手により過去作を4Kレストアするプロジェクトが実施されました。その中より、珠玉の5作品『恋する惑星』『天使の涙』『ブエノスアイレス』『花様年華』『2046』がスクリーン上映されます。
この度のレストアについて、ウォン・カーウァイ監督自身、「単なる焼き直しではなく、新たに生まれ変わった作品」とコメントされています。画面サイズ、色味など、かなり多くの箇所が修正されている点にもご注目ください。
公式サイト:http://unpfilm.com/wkw4k/
★2022年8月19日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
『恋する惑星 4K』原題:重慶森林/英題:Chungking Express
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル、アンドリュー・ラウ
出演:トニー・レオン、フェイ・ウォン、ブリジット・リン、金城武、ヴァレリー・チョウ
1994年/香港/102分/1.66:1/広東語/5.1ch
刑事223号は、別れた恋人が好きだったパイナップルの缶詰を買い続けていた。だが、彼女を忘れるため、バーの片隅で出会った金髪の女性に声をかけて一夜を過ごすことになる。その頃、刑事223号もよく立ち寄る小食店に新しい店員が入ってくる。新入りのフェイは、夜食を買いに来た警官663号に恋心を抱き、偶然手に入れた彼の家の鍵で部屋に忍び込み……。
★シネマジャーナル 33号(1995年6月発行)『恋する惑星』金城武来日会見(1995年5月)
Webでお読みいただけます。
http://www.cinemajournal.net/bn/33/chungking.html
『天使の涙 4K』原題:墮落天使/英題:Fallen Angels
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル
出演:レオン・ライ、ミシェール・リー、金城武、チャーリー・ヤン、カレン・モク
1995年/香港/99分/2.39:1/広東語/5.1ch
エージェントの女は、仕事以外で顔を合わせることがほぼない殺し屋の男に密かな恋心を抱いていた。足を洗いたいと考えている殺し屋はある大雨の日、金髪の女に出会い、互いのぬくもりを求める。一方、期限切れのパイナップル缶を食べて口がきけなくなったモウは、夜な夜な他人の店で勝手な商売を楽しむ日々。そんな中、失恋娘と出会い初めての恋をする。
★シネマジャーナル37号(1996年6月発行)
特集『天使の涙』王家衛監督、金城武 来日会見
Webでお読みいただけます。
http://www.cinemajournal.net/bn/37/angels.html
『ブエノスアイレス 4K』原題:春光乍洩/英題:Happy Together
監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル
出演:トニー・レオン、レスリー・チャン、チャン・チェン
1997年/香港/96分/1.85:1/広東語・中国語・スペイン語/5.1ch
香港から南米アルゼンチンへやって来たウィンとファイ。自由奔放なウィンと、そんなウィンに振り回されっぱなしのファイは何度も別れてはヨリを戻している。これも"やり直す"ための旅だったが、些細なことからまた痴話喧嘩をして別れ別れに。しばらくしてふたりは再会を果たし、怪我をしたウィンをファイが看病しながら一緒に暮らすようになるが……。
★シネマジャーナル42号 (1997年12月発行)女たちの映画評
『花様年華 4K』原題:花樣年華/英題:In the Mood for Love
監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル、リー・ピンビン
出演:トニー・レオン、マギー・チャン
2000年/香港/98分/1.66:1/広東語/5.1ch
1962年の香港。地元新聞社の編集者であるチャウと、商社で秘書として働くチャンは同じアパートへ同じ日に引っ越してきて、隣人となる。やがてふたりは、互いの伴侶が不倫関係であることに気付き、一緒に時間を過ごすことが多くなる。誰にも気づかれないよう慎重に、裏切られ傷ついた者同士が次第にささやかな共犯にも似た関係を育んでいくが――。
★Web版シネマジャーナル 特別記事『花様年華』記者会見 2000/11/2 新宿パークハイアット
http://www.cinemajournal.net/special/2001/kayonenka/index.html
シネマジャーナル51号(2001年1月発行)香港映画祭公式セレモニーレポート
シネマジャーナル52号(2001年4月発行)女たちの映画評
シネマジャーナル67号(2006年春発行)私のこの1本
『2046 4K』原題・英題:2046
監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ 撮影:クリストファー・ドイル、ライ・イウファイ、クワン・プンリョン
出演:トニー・レオン、コン・リー、フェイ・ウォン、木村拓哉、チャン・ツィイー、カリーナ・ラウ、チャン・チェン、ドン・ジェ、マギー・チャン
2004年/香港/129分/2.35:1/広東語・中国語・日本語/5.1ch/R15+
1960年代後半の香港。記者で作家のチャウはかつてひとりの女を心の底から愛したが結ばれることはなかった。過去の思い出から逃れるように自堕落な生活を送っていた彼は、ある日ジンウェンと出会う。彼女には日本人の恋人タクがいたが、父親の反対でタクは日本に帰ってしまった。チャウはふたりに触発され近未来小説を書き始める。
今回、4Kで蘇ったウォン・カーウァイの5作品は、どれもこれも公開時はもちろん、その後も機会があると何度か観た懐かしい作品です。
中でも、『ブエノスアイレス』は、香港での公開を知って、香港に飛んでいって観たのでした。DVDも持っているし、何度観たのかわかりません。
今回4Kで蘇った『ブエノスアイレス』、どれほど綺麗なことでしょう・・・
そして、今回のラインナップに『欲望の翼』が入っていないのが残念!と思ったのですが、実は2018年2月、Bunkamuraル・シネマほかにてデジタルリマスター版が公開されているので、入っていないのですね。2005年以降日本での上映権が消失していたものが、実に13年ぶりにスクリーンで上映されたのでした。
上映権が切れるという時にも、デジタルリマスター版の上映も、もちろんレスリー追っかけ仲間と一緒に観に行きました。DVDを持っていても、大きな画面で観るのは格別です。
今回の「WKW 4K」5作品も、ぜひ劇場で味わいたいと思います。(咲)