2022年04月08日

ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(原題:HITMANʼS WIFEʼS BODYGUARD)

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監督:パトリック・ヒューズ
出演:ライアン・レイノルズ、サミュエル・L.ジャクソン、サルマ・ハエック、アントニオ・バンデラス、モーガン・フリーマン、フランク・グリロ ほか

超一流のボディガード、マイケル・ブライス(ライアン・レイノルズ)も今や落ち目。宿敵の殺し屋ダリウス(サミュエル・L.ジャクソン)に保護対象者を殺害されたトラウマで神経症に陥り、ライセンスをはく奪され、休暇で訪れたバカンス先にも災難は待ち受けていた。
ダリウスの妻で詐欺師のソニア(サルマ・ハエック)に拉致されたマイケルは、マフィアに捕まったダリウスを救出するというミッションを強いられる。クレージーな彼女に振り回されながらも、救出に成功するが、殺したマフィアの中にインターポールへの情報提供者も混じっていたことで、かわりに捜査に協力するハメになる。最先鋭装置を使ってEUへのサイバーテロを企てるギリシャの大富豪アリストテレス(アントニオ・バンデラス)から、装置の奪取に成功するマイケルたちだったが、敵の包囲網は彼らを苦しめていく。新婚旅行気分のダリウスとソニアに対して、マイケルは心も体もボロボロになり、伝説のボディガードである父(モーガン・フリーマン)を頼る。しかし、魔の手はすぐそこに迫っていた。
3人は世界を救うことができるのか?そして、ひたすら打ちのめされ、神経をすり減らすマイケルの運命は⁉︎

前作『ヒットマンズ・ボディガード』は殺し屋のダリウスが服役中の妻ソニアの釈放を条件に国際司法裁判所で裁かれる独裁者について証言することになり、元一流ボディガードのブライスが裁判所へ護送するまでを描いていました。
マイケルとダリウス。それぞれ、仕事人としての能力は超一流ですが、相性は最悪。そんな2人がバディを組んで繰り広げられる派手なカーアクションにハラハラドキドキしながらも、随所で笑わせてくれる作品でした。
その前作では殺し屋・ダリウスの妻・ソニアはちらりとしか出てきませんでした(とはいえ、かなりの印象を残しました)が、本作ではメインキャラクターとして登場。猛女ぶりを全編通して発揮します。厳つい男性が束になってかかってきても怯みません。あっという間になぎ倒してしまいます。ここまでパワフルな女性キャラクターをこれまで見たことがないくらい派手にやらかしてくれるので、見ているだけでどんなストレスもスッキリしてしまいそう。
そんなソニアの願いはただ一つ。行きそびれていた新婚旅行に出掛けて、2人の愛の証を授かること。お母さんになりたいと語ります。普段の行動とのギャップに驚くものの、そんなところがダリウスには可愛く思えるのでしょう。鋼のように強固な夫婦の愛にほろりとしてしまいます。そしてラストにソニアが下した決断に男性2人の更なる試練が求められるに違いありません。(堀)


2020/アメリカ/116分/5.1ch /カラー
配給: REGENTS
© 2020 Hitman Two Productions, Inc. All Rights Reserved.
公式サイト:https://hitmanswifesbodyguard.jp/
★2022年4月8日(金)TOHOシネマズ⽇⽐⾕ほか全国ロードショー
posted by ほりきみき at 11:52| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

白骨街道 ACT1 (英題:Bleached Bones Avenue ACT1)

ミャンマーイベントポスター_R.jpg
© E.x.N K.K.

『白骨街道 ACT1』が、ミャンマー支援企画「映画を観て、ミャンマーを知る Vol.2」の上映作品として劇場公開される。国軍によるクーデターから一年が経ち、いまだに市民弾圧が続き、混迷を極めるミャンマーを支援するイベント「映画を観て、ミャンマーを知る Vol.2」で、藤元監督のデビュー作『僕の帰る場所』(2017)と同時上映される。東京のポレポレ東中野を始め、全国18館(※3月4日現在)で開催される。上映による配給収益の一部と、設置した募金箱への協力金はミャンマー市民を支援する活動に寄付される。

(イベント開催概要)
◇タイトル  映画を観て、ミャンマーを知る Vol.2
◇上映作品:『白骨街道 ACT1』『僕の帰る場所』同時上映
◇開催期間  2022年4月16日(土) ~4月22日(金)
◇開催劇場  全18館 (※3/4現在)

<東京>ポレポレ東中野 <神奈川>シネマ・ジャック&ベティ、あつぎのえいがかんkiki<群馬>シネマテークたかさき* <北海道>シアターキノ* <宮城>フォーラム仙台* <新潟>シネ・ウインド <福井>メトロ劇場 <富山>ほとり座* <石川>シネモンド <長野>上田映劇  <愛知>名古屋シネマテーク <大阪>シネ・ヌーヴォ <兵庫> 元町映画館 <広島>横川シネマ* <山口>山口情報芸術センター、萩ツインシネマ* <佐賀>シアター・シエマ*

*下記の劇場については、スケジュールが一部異なります。各劇場の公式サイトを参照ください。
※<富山>ほとり座 4/16(土) ・4/17(日) ※<広島>横川シネマ 4/15(金) 〜 4/21(木) ※<山口>萩ツインシネマ 4/16(土) 〜 4/29(金) ※<群馬>シネマテークたかさき 4/15(金) 〜 4/21(木) ※<宮城>フォーラム仙台 4/15(金) 〜 4/21(木) ※<佐賀>シアター・シエマ 4/15(金) 〜 4/21(木) ※<北海道>シアターキノ 4/22(金)

企画・配給:株式会社E.x.N 協力:藤元組FSC
公式サイト:https://fujimotofilms.com/myanmar 

『白骨街道 ACT1』

脚本・監督・編集:藤元明緒
撮影:岸建太朗
録音:弥栄裕樹
プロデューサー:渡邉一孝、キタガワユウキ
日本、ミャンマー/2020年/16分/日本語・英語字幕
配給:E.x.N

『白骨街道 ACT1』は、昨年、日本におけるベトナム人労働者を描いた『海辺の彼女たち』(2020/日=ベトナム)で、新藤兼人賞金賞、TAMA 映画賞最優秀新進監督賞をはじめ、大島渚賞など多数の映画賞を受賞した藤元明緒監督の新作短編。

かつてビルマと呼ばれていたミャンマー。インドとミャンマーの国境地帯の山奥の地。映画の舞台となる北西部のチン州は、第2次世界大戦のビルマ戦線の舞台の一つだった。1944年3月、日本軍は同地で“史上最も無謀な作戦”といわれる「インパール作戦」を決行。約9万人の兵士を投入したが、多くの日本兵が飢えやマラリアなどで命を落とした。戦死者の数は3万人以上とも言われている。その退却路は「白骨街道」と呼ばれ、現地には今もかつての日本兵の遺骨と遺留品が数多く残されている。

2013年、独立後に長く続いた内戦が停戦に至たりチン州における外国人の立入制限が解除。それに伴い日本側と連携した戦没者の遺骨収集事業が始まった。以来、現地に住む少数民族ゾミ族の人々が中心となり、遺骨および遺品の発掘作業が行われている。

HPより
2019年1月、藤元監督を始めとする制作チーム5名は、今では軍のクーデターの影響により撮影することが困難なチン州に滞在し、第二次世界大戦の体験者を取材。彼らの視点から語られる戦争体験を知る。ゾミ族の一団に同行するなかで、彼らに出演を打診し、取材で得た"記憶"や"声"を込めたフィクションとして本作を撮影した。なお、『白骨街道』は今後長編化を視野に入れたシリーズを構想しており、本作はその第一弾となる。

2020年の大阪アジアン映画祭で上映されたが、その時は観ることができず、もう観ることができないかと思っていたが、こういう形で上映されることになり嬉しい。ただ、これはとりあえずの第一弾。今はコロナ禍でもあり、軍による弾圧が続くなか、撮影の続行は難しく、いつ再開できるかの目途が立たないなか、支援のため上映されることになった。撮影の岸建太朗さんや共同プロデューサーのキタガワユウキさんの祖父が、このインパール作戦に参加していたという。「目に見えない糸に引き寄せられた感覚がありました」と大阪での上映の時に語っていたという。

8名くらいのゾミ族の男たちが車に乗り山道を登ってゆく。やがて雲海が下に見える高さ(2000mくらい?)まで到達して車を降りた。十字架のあるところで作業の無事を願う祈りをささげ、スコップを持って作業場に向かい、周辺を掘り起こし始めた。彼らはキリスト教徒だった。ミャンマーだから仏教徒だと思っていたので、このあたりに住む山岳民族?がキリスト教徒だというのが意外だった。日本兵に家畜や食料を奪われ殺された人もあり、図らずも戦争に巻き込まれてしまった現地の人たちの遺恨も出てくる。それでも彼らは、日本兵の遺骨探しに協力してくれる。ありがたいと思った(暁)。


シネジャHP 藤元明緒監督、渡邉一孝プロデューサーインタビュー記事
『僕の帰る場所』
『海辺の彼女たち』前編
『海辺の彼女たち』後編

posted by akemi at 08:13| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする