2022年02月11日

オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―  原題:Operation Mincemeat

Operation Mincemeat.jpg
©Haversack Films Limited 2021

監督:ジョン・マッデン(『女神の見えざる手』『恋におちたシェイクスピア』)
原作:「ナチを欺いた死体:英国の奇策・ミンスミート作戦の真実」ベン・マッキンタイア―著(中央公論新社刊)
出演:コリン・ファース、マシュー・マクファディン、ケリー・マクドナルド、ペネロープ・ウィルトン、ジョニー・フリン、ジェイソン・アイザックス

重大任務を背負った諜報部員は“死体”だった!

1943 年。第二次世界大戦が激化する中、イギリス軍は、ヒトラーが占領したヨーロッパ奪還を決意。シチリアから上陸しドイツ軍総攻撃を計画する。問題は、いかに上陸地がシチリアであることを敵に隠すかだ。標的はギリシャだと欺く方針が決まり、諜報機関 20 委員会の作戦会議で、元弁護士の諜報部員ユーエン・モンタギュー(コリン・ファース)は欺瞞作戦を主張。イアン・フレミング少佐(ジョニー・フリン)が考え出した、「偽造文書を持たせた死体を海に流す」という奇策。MI5 (英国諜報部)所属のチャールズ・チャムリー大尉(マシュー・マクファディン)も賛同。さっそく、死体を“英国海兵隊のビル・マーティン少佐”に仕立てる任務を開始する。溺死した兵士に見える死体探しは難航するが、ようやく住所不定の路上生活者の死体を手に入れる・・・

偽装書類を携えた“死体”を潜水艦からスペインの海岸へと流し、ヨーロッパ各国の二重三重スパイたちの手を経由して、ベルリンの諜報機関へと到達させるという奇想天外な作戦。まるで小説のようだけど、実際に、この偽情報はナチスに伝わり、第二次世界大戦の流れを変え、ヒトラーのヨーロッパ支配を断ち切ったというのですから凄い! 死体に任務を託すという奇策を出したイアン・フレミングは、小説「ジェームズ・ボンド」シリーズを生み出した人。本作の原作者のマッキンタイアーによれば、このプロットは、バジル・トンプソンという人の小説が元になっており、フレミングは、トンプソンの小説にあったアイデアをゴドフリーに提案したとのこと。イアン・フレミングは、戦時中の海軍情報部の責任者で、後にジェームズ・ボンドの M のモデルとなったゴドフリー提督の助手を務めていたのです。まさに事実は小説より奇なり! 死体のポケットに恋人(もちろん偽!)の写真を忍ばせるところなど、演出がにくいです。お堅いどこかの国の軍人には思いつかないかも。(咲)

2022 年/イギリス/128 分/カラー/シネスコ/5.1CH デジタル
字幕翻訳:栗原とみ子
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/mincemeat/
★2022年2 月 18 日(金)TOHO シネマズ 日比谷他全国ロードショー




posted by sakiko at 23:16| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする