2022年02月05日

ロスバンド(原題:Los Bando)

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監督:クリスティアン・ロー
出演:ターゲ・ホグネス(グリム)、ヤコブ・ディールード(アクセル)、ティリル・マリエ・ホイスタ・バルゲル(ティルダ)、ヨナス・ホフ・オフテブロー(マッティン)

ノルウェーの田舎町。グリムとアクセルは幼いころからの親友で、2人はロックが大好き。グリムはドラム、アクセルはギターが村で一番上手い。本人は全く気付いていないが、困ったことに音痴なのだ。グリムはどうしてもアクセルに本当のことが言えず、こっそり調整した音源で大会に応募する。おかげで大会への出場権は得たけれど、メンバーが足りない。ベースを募集してみると応募してきたのは、9歳のチェロ少女ティルダだけだった。開催地は遥か北の街トロムソ。2人の有り金をはたいて、近所のマッティンに運転手を頼んでみた。家での不満が鬱積していたマッティンは、兄のワゴン車をこっそり塗り替え、3人とともに北を目指してくれることになった。

グリムの両親は不仲で喧嘩が絶えません。争う声が聞こえるとグリムは音楽を聴きます。アクセルはクラスの女の子に片想いしていますが、モテる彼女の反応は冷たくて落ち込んでいます。小さなティルダの両親は仕事で多忙、いつも独りぼっちでした。それぞれに事情を抱えた少年少女が、南北に細長いノルウェーの南から車で北上します。にわか仕立てのバンドは、最初のうち不協和音を奏でるばかり。本番までにアクセルの音痴をどうしよう…とグリムの悩みは尽きません。
お金がなくなったり、ティルダの両親に大騒ぎされたり、問題も続出。ほんとに会場までたどり着いて出場できるのでしょうか?観客はノルウェーの美しい景色を眺めながら、彼らを見守ることになります。
この作品はベルリン国際映画祭のジェネレーション部門(4歳以上が対象)に選出されています。それを聞くとちょっと安心しますよね。豊かな北欧の自然を堪能し、音楽を楽しんでください。出演の子どもたちが成長して、いつかまた画面に登場するのが今から楽しみです。(白)


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2018年/ノルウェー,スウェーデン合作/カラー/シネスコ/94分
配給:カルチュアルライフ
FILMBIN AS (C) 2018 ALLE RETTGHETER FORBEHOLDT
https://www.culturallife.jp/losbando/
★2022年2月11日(金・祝)より新宿シネマカリテほか全国公開



posted by shiraishi at 01:34| Comment(0) | 北欧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ちょっと思い出しただけ

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監督・脚本:松居大悟
撮影:塩谷大樹
主題歌:クリープハイプ「ナイトンザプラネット」
出演:池松壮亮(佐伯照生)、伊藤沙莉(野原葉)、河合優実(泉美)、大関れいか(さつき)、市川実和子(牧田)、國村隼(中井戸)、永瀬正敏(ジュン)、成田凌(フミオ)、尾崎世界観

2021年7月26日。コロナ禍の中、佐伯照生はこの日34回目の誕生日を迎えた。照明スタッフとしていつものように仕事をする。タクシードライバーの葉(よう)はミュージシャンの男を乗せて走っている。途中でトイレに行きたいという男を降ろし、自分も外へ出る。どこからか聞こえる音にひかれて近づくとステージで踊る照生がいた。1年前の7月26日、誕生日の夜誰もいない部屋で一人で眠る。またその一年前…と2人の過ごした時間を遡っていく。出逢った日、恋の始まり…2人のそんな日々を”ちょっと思い出しただけ”。

クリープハイプの「ナイトンザプラネット」という曲ができたときに、松居大悟監督が耳にしたことがきっかけで始まったというこの作品。初めてのオリジナルストーリーです。初共演の池松壮亮さん、伊藤沙莉さんが出逢って恋人になり、別れてしまうまでの6年間を演じています。イケイケではない、真面目でちょっと不器用な恋人たちが、どんな気持ちで何をしていたのかを丁寧に、でも”ちょっと思い出した”ように遡りながら重くなく描いています。台詞のひとつひとつにキュンとします。観客が映画と一緒に自分の恋や切なかった日々を思い出したくなる、思い出が蘇ってくる作品でした。2人の周りの人、タクシーの乗客にも注目してね。
昨年の第34回東京国際映画祭で観客賞・スペシャルメンションW受賞。ノベライズがリトルモアから発売中。(白)


ケガでダンサーの道を諦めた照生とタクシードライバーの葉の6年間をある1日に限定して1年ずつ遡っていく。結果を見てから伏線を見ることになるので「あのとき葉が悲しそうに見えたのは、こういう話があったからだあったのね」と結果がより際立って感じられる。
池松壮亮が演じる照生の辛さも理解できるが、伊藤沙莉が演じる葉のいじらしさがたまらなく切ない。好きという気持ちのすれ違いは見ている方までやりきれない気持ちになるが、それでも時間は流れていく。今いる場所で精一杯生きている2人を見ていると自分もがんばるかと背中を押された気がする。(堀)


この作品を観てはいないのですが、第34回東京国際映画祭2021で観客賞を受賞していますので、授賞式の模様と松居大悟監督の写真をアップします。撮影:宮崎暁美

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安藤裕康チェアマンと松居大悟監督

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第34回東京国際映画祭(2021) クロージングセレモニー
★観客賞・スペシャルメンション:
『ちょっと思い出しただけ』(日本)松居大悟監督
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/484348768.html

2021年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:東京テアトル
(C)2022「ちょっと思い出しただけ」製作委員会
https://choiomo.com/
★2022年2月11日(金・祝)ロードショー

posted by shiraishi at 01:24| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする