2021年11月30日

悪なき殺人  原題: Seules les Bêtes  英題: Only the Animals

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© 2019 Haut et Court – Razor Films Produktion – France 3 Cinema visa n° 150 076


監督:ドミニク・モル (『ハリー、見知らぬ友人』『マンク 破戒僧』)
出演:ドゥニ・メノーシェ (『エンテベ空港の 7 日間』『ジュリアン』)、 ロール・カラミー (『女っ気なし』) 、ダミアン・ボナール (『ダンケルク』『レ・ミゼラブル』)、ナディア・テレスキウィッツ、バスティアン・ブイヨン、ギイ・ロジェ・“ビビーゼ”・ンドゥリン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ

南仏、銀世界のコース高原。
吹雪の夜。パリからコース高原にやって来た女性が、雪道に車を残して行方不明になり夫が心配しているというニュースが流れる。

父と夫と3人で暮らす社会福祉士のアリス(ロール・カラミー)
牧牛業を営むアリスの夫ミシェル(ドゥニ・メノーシェ)
母親を亡くし、一人暮らしの羊飼いジョゼフ(ダミアン・ボナール)
同居している父から、夫との不仲を心配されるアリス。実は、ジョゼフと浮気している。

南仏の港町セートのレストランで働く若い女性マリオン(ナディア・テレスキウィッツ)。
食事に来た20歳年上のエヴリーヌ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)と愛を交わす。突然去ったエヴリーヌを追いかけて、コース高原に行くが、夫の家だから泊めてあげられないと言われる。

西アフリカのコートジボワールの旧首都アビジャン。青年アルマン(ギギイ・ロジェ・“ビビーゼ”・ンドゥリン)は、ネットで見つけたマリオンの写真を借用し、若く魅惑的な女性アマンディーヌを装い、ロマンス詐欺を企む。それが、どんな事態を引き起こすか、その時には誰も知らなかった・・・

南フランス、そして、5000km 離れた西アフリカ・アビジャン。
2つの地で暮らすアリス、ジョゼフ、マリオン、アマンディーヌことアルマン。
それぞれの視点で語られる出来事。観ている私たちは、偶然が生む勘違いにハラハラさせられます。

『悪なき殺人』という公開タイトルのため、すぐには気がつかなかったのですが、2019年の東京国際映画祭で『動物だけが知っている』のタイトルで上映され、観客賞と主演女優賞を取った作品。

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第32回東京国際映画祭レッドカーペットでのナディア・テレスキウィッツさんとドゥニ・メノーシェさん(撮影:宮崎暁美)

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最優秀女優賞を受賞したナディア・テレスキウィッツさんは、帰国してしまい、授賞式では、ドゥニ・メノーシェさんが代理でトロフィーを受け取りました。(撮影:宮崎暁美)

第32回東京国際映画祭 クロージングセレモニー
http://www.cinemajournal.net/special/2019/tiff/index4.html

観客賞を受賞し、シネジャのミッキーさんも、「最高の群像サスペンス。最後のシーンで観ている全員が息をのんだ。公開が待たれるが1日も早くとお願いしたい作品」と当時、書いていて、観られなかったことを残念に思っていた作品でした。

冒頭、アビジャンの町の喧騒の中を、鹿(?)を背負ったアルマンが自転車で駆け抜け、黒魔術師に助言を求めにいきます。ぞくぞくする序章。折に触れて出てくる犬や牛や羊… 『動物だけが知っている』という原題に近いタイトルの方が、よりこの映画の魅力を伝えてくれると感じます。(咲)


2019 年/フランス、ドイツ合作/フランス語、ヌシ語//116分/カラー/シネスコ/5.1ch/R15+
日本語字幕:高部義之
配給:STAR CHANNEL MOVIES
© 2019 Haut et Court – Razor Films Produktion – France 3 Cinema visa n° 150 076
公式サイト:https://akunaki-cinema.com/
★2021年12月3日(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー!
12月4日(土)デジタル公開決定





posted by sakiko at 18:56| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする